杏林大学呼吸器内科 『あんずの呼吸 part2』

当教室への連絡をいつでもお待ちしております.
23c2230@mail.goo.ne.jp
入局,大歓迎です!

ちょっと休憩、、

2009年05月30日 | Kanpo-Master の部屋
私の親戚がやっている2つのブログの紹介、、最近ブログもいろいろありますね。
おいしそうな食事の数々、、手が込んでます、、さすがです、、。
http://ameblo.jp/sukekiyo0997/


フランクフルト在住の女医の子育て日記です
http://fraupunch.blog46.fc2.com/

Intrapleural Fibrinolytic agents for empyema

2009年05月30日 | Kanpo-Master の部屋
これも徳田先生によるmeta-analysisです。ストックホルムで参加したERSでは胸水関連のreviewをする演者に2回くらい引用されていました。
解析されたstudyのうち、例のNEJMのstudyが他のstudyの患者数を凌駕しています。
外科的処置の介入や死亡率にはfibrinolytic agnetsは影響を与えない、というのが大きなメッセージです。が、自分は隔壁のあるempyemaやparapneumonic effusionをみると結構使ってしまいます。薬の投与期間、種類ともに様々です

Intrapleural fibrinolytic agents for empyema and complicated parapneumonic effusions: a meta-analysis [Chest. 2006 Mar;129(3):783-90]
http://www.chestjournal.org/content/129/3/783.full.pdf+html

NIPPV

2009年05月30日 | Kanpo-Master の部屋
大学での当直中です。最近は毎日10時過ぎに帰宅しなんだかバタンキューな生活です。ほんと、疲れます、、。楽しく仕事はできているとは思ってますが、、、。
当直の合間にざっと読んでみました。BMJから、、
Use of non-invasive ventilation to wean critically ill adults off invasive ventilation: meta-analysis and systematic review [BMJ 2009;338:b1754]

NIPPVは挿管患者において致死率を減少させ、VAP, intensive care unitでの期間の減少、在院日数、人工呼吸器管理の日数などを減少させることができる。
ただこのmeta-analysisはCOPDを多く含むstudyがほとんどで、その他の雑多な疾患(mixed)に関してははっきりいってよく分からない,でも使っても予後を悪くはしなさそう、、。

自分の場合、心不全主体+肺炎というsituatoinにしばしば遭遇し、他科依頼ではその場合抜管されてから相談を受けることが多い。挿管前ならばCochrane Database Syst Rev. 2008 Jul 16;(3):CD005351によるとCPAPやNPPVは意味はありそうだ。
自分が一番知りたかったのは再挿管されるリスクをNPPVは心不全患者で減らすことができるか、ということだったが、それは今のところ不明のようです。また再挿管
後のstandardな抜管とNPPVを使用しての抜管のどちらを行うか、についてもどちらがいいのかはよくわかっていないし、議論が分かれるところ。状態が厳しいのでどの方法でも予後は変わらないのかも知れません、、。

指導医養成ワークショップ

2009年05月24日 | Kanpo-Master の部屋
指導医養成ワークショップに合宿形式で参加してきました。丸2日朝早くから夜遅くまでびっしりの内容でヒョエーという感じでした。
疲れた~、というのがまず、感想です。他科や他病院の先生と一緒になって
レクチャー受けた後の発表を繰り返しました。コーチングやら、寸劇もあったりして、それぞれのチームで発表しました。感じたことは教育が最も重要なテーマになりつつある、ということと教育する側がしっかりした教育を受けていないと下も育たない(だろう、、)ということです。
また教育自体はOn the job training (OJT)による部分が大きいように思われ、それは即ち、指導医そのものの普段の姿勢や熱意、力量などが問われている気がしました。

2009 ATS リアルタイム情報

2009年05月20日 | お知らせします
SAN DIEGOからのレターです。
こちらは豚インフルエンザを気にしている人が全くいません。WHOが騒ぎ始めた当初から、いつものインフルエンザと考えての生活のようです。Los AngelsにしてもSan Diegoの空港にしてもマスクをしているのは日本人だけで、この暑いのに!!と逆に目立ってしまう雰囲気でした。
地元では学級閉鎖になっているハイスクールもパラパラでているようですが、冬場のインフルエンザと同様の対応です。こちらがいい加減というより、やはり日本が騒ぎすぎなのでしょうか? 今年は本当に会場でも日本人に会いません。PAPグループが最も多い日本人集団10名だったと思います。キャンセルはかなり多く、大部分は日本人でした。

さて、当あんず教室から今年はミクちゃんがATSデビューです。堂々とした発表でした。発表前日にアドバイスしたように、通り掛りの人にはきっちり自分から話しかけ視聴者を自分で集めて120分奮闘しました。(まるで店の呼び込みか~!)いやいやナイスプレゼンテーションでした。
みなさん、雄姿をみてください。 改めてATS自体の内容はお伝えします。
本当にあんず医局員が少しずつ世界にでていくことはうれしいですね。

経過表、、

2009年05月16日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterことsaraです。
最近、Masterなどと言うのが恥ずかしくなってきたのでそろそろKanpo小僧あたりにして、やめようかと思っています。病棟では私のチームはT総統、T本先生、時々1年目の研修医、W君(6年生のクリニカルクラークシップで1ヶ月呼吸器選択中)、そして学生さん、の下手すると6人くらいの大所帯になります。心がけていることは、攻めるときはとことん攻める、、。力を抜くところは抜いて、、。そして何よりも楽しく!です。やはり人間一人では限界があります。チーム医療というのはサッカーに似ています。舵取りのような司令塔(臨床的にときには大きな決断を要するが責任も大きい)、きつい下働きにも耐えるDF(研修医?)、そして司令塔の動きを察知して動くMFやFW(病棟を縦横無尽に動き回る)、サッカーのパスのように相手の力量や動き方を予想しての病棟業務をこなすのもチームプレーでしょう、、。時には司令塔も役割を変えて動き回る必要もあります。また患者とのやりとりや説明の仕方も相手のキャラクターや理解度などすべてを踏まえたうえでどのように行うか、というのも大事になると思います。
そして体力、は最低限必要です。何せ病棟では結構歩きます。1万歩はいくでしょう。そして自分は結構思いつきでアポなしでいろんな先生に会いに行きます。その方が疑問がすぐ解決したりします。最近6年生の学生さんとある患者の経過表を2時間くらいかけてカルテを見返しながら作成しました。症状や画像所見、治療など様々なものを書き込んでいきます。そうすると見えなかったものが見えてきます。病態が複雑になった時に、ふと立ちどまって考えることの重要性、、改めて感じました。

Tokyo Infection Conference

2009年05月09日 | Kanpo-Master の部屋
今日はTICに参加してきました。
症例は65歳男性でDLBCL(diffuse large B cell lymphoma)でR-CHOPの化学療法を受けている人が、発熱,dry coughを主訴に受診した、というものでした。
Hostの免疫状態やshaking chillがあったこと、比較的徐脈などもあり細胞内寄生菌のbacteremiaを疑いましたが、正解はリステリア感染症でした。
チーズは危ない、のですが、なぜかモッツアレラチーズは大丈夫だそうです。

2例目はなんと右腕のしびれを主訴に発見された有鉤のう虫症の一例でした。有鉤のう虫症は、豚肉を食しても起こすわけではなく、条虫から出た卵の自家感染もしくは糞などの経口感染から起こすようです。これはrare diseaseですが勉強になりました。症例提示は研修医時代の同期の先生で数年ぶりにお会いしました。昔から飲み会に寄生虫の卵や成虫を持ってきたりする虫好きかつ虫の専門家でしたが、レクチャーはなかなか勉強になりました。
ところで、あんずからは参加者は7名でした。皆さんお疲れさまでした。
最後はトラ病院のA先生らと軽く飲み会となりました。写真:神楽坂でみんなと、、


外来にて、、

2009年05月07日 | Kanpo-Master の部屋
外来には本当に沢山の患者が来ます。
余裕がなくなってくると自戒の念をこめて繰り返す言葉があります。
そう、、させて頂く、、。させて頂く、、。
「~をしてあげる」から「させて頂く」に思いを変えると余計ないらだちは少なくなります。でもお腹は減るなあ、、、、。今日の外来は紹介患者の画像をシャーカッセンで見ながら合間にバナナを2本食べました。

先日はdementiaの患者が「ありがとう、ありがとう、、」と連呼しながら診察室にニコニコしながら入ってきたのをみて、なんとも言えない、いい笑顔に「ありがとう」を言いたくなりました。

Ehlers-Danlos Syndrome

2009年05月05日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです。
個人的に目を引いたcase reportです。
http://www.jstage.jst.go.jp/article/internalmedicine/48/9/717/_pdf/-char/ja/

Ehlers-Danlos Syndrome with Recurrent Spontaneous Pneumothoraces and Cavitary Lesion on Chest X-rayas the Initial Complications 
[Inter Med 48: 717-722, 2009]

以前に同様のケースを経験し(他の先生が論文作成中)、とある会で症例提示したところあっさり、一発診断されたことがありました。呼吸器科医であってもこれをすらっと鑑別にいえるヒトは少ないと思います。色々勉強してみるとcystic & Cavitary lesionの鑑別診断にはEhlers-Danlos syndromeを載せているものもあり外傷などを契機に発症するものもあるようだ、と学びました。余談ですが、そのあっさり診断した先生が本論文でco-authorで載っているのを発見し安心しました。やはり経験する、ということはどんな分野であっても大事だと思いました。typeIII コラーゲンの減少は COL3A1 geneのpoint mutationであると判明しています。肺内にはtypeIIIとIがコラーゲンとしては多いそうです。vascular typeのEDSは腹部血管や妊婦さんの子宮破裂、S状結腸破裂などいろいろ起こし最も予後が不良だそうです。

腎不全と抗結核療法

2009年05月02日 | Kanpo-Master の部屋
透析前のCcr 10前後の結核治療で、透析にできれば持って行きたくない場合、、
の治療って、非常に難しい、、と思います。
今回とある症例でいろいろと調べましたがどれもこれもさらっとしか書いていない、、。きっちりとしたdoseを使用しなければならない反面、副作用が非常に強くでるのが透析直前の人の悩ましいところ、、だと思います。
http://erj.ersjournals.com/cgi/content/full/20/2/440にもありますが、、。[Eur Respir J 2002;20:440-443]

Indian J Nephrol 2003;13:69-71
Infect Dis Clin North Am. 2001 Sep;15(3):851-76. Review.→一番良かった、、。
MMWR June 20, 2003 / 52(RR11);1-77
などが参考文献です。