杏林大学呼吸器内科 『あんずの呼吸 part2』

当教室への連絡をいつでもお待ちしております.
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入局,大歓迎です!

診察はやっぱり爪から、、。

2009年01月28日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです。
そろそろ病院から帰ろうとしております。夜中にこっそり、ごにょごにょやっております。(なんのこっちゃ)
ところで、以前聖路加でK病院のRheumatologistのK先生のレクチャーで教わった
psoriasisの爪を経験して感動しました。
http://www.aafp.org/afp/980800ap/photoqz.html
健診でいらした50台男性を診察すると、nail pittingがあったための服をめくって皮膚を探すと乾癬がありました。爪一つでもしかしたら原因不明の関節痛(spondyloarthropathiesなどで)
困っている人を発見できるかも知れない、、、、と思います。数ヶ月外来で待っていたら実際に遭遇したので、これまでは見落としていたかも知れない、、。
Mondor病もびっくりしましたが、、。paradoxical reactionにも最近騙されかけたりして、気を引き締めていこう、、で今日は終わります。

昨日元気で今日ショック

2009年01月19日 | Kanpo-Master の部屋
昨日元気で今日ショック、、。
25才の男性が右手の痛みを契機にショックで来院、、。CellulitisもNecrotising fasciitisのearly findingsであるという認識が大事、、。でも時として診断は難しい、、と思います。

今週のNEJMです。[NEJM 2009;360:281-290]
http://content.nejm.org/cgi/content/extract/360/3/281

http://www.bmj.com/cgi/reprint/330/7495/830?maxtoshow=&HITS=10&hits=10&RESULTFORMAT=&fulltext=necrotising+fascitis&searchid=1&FIRSTINDEX=0&resourcetype=HWCIT
[BMJ 2005; 330: 830 - 833]

Intensivist創刊号

2009年01月14日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです
オーストラリアの林先生から”宣伝を!”のメールがきましたので、宣伝させていただきます。執筆者はすごい先生ばかりです。まだ自分は読んでないのですが、、、一家に一冊ですね。!

Intensivist創刊号(Vol.1: No.1:2009)

【特集: ARDS】
1) ARDS総論/ LDS Hospital 呼吸器内科・集中治療科 田中竜馬
2) ALI/ARDSの発症機序:細胞・分子生物学的機序/京都府立医科大学 麻酔科・集中治療部 橋本壮志・橋本 悟
3) ALI/ARDSの発症機序:病理学的観点から/慶應義塾大学呼吸器内科 田坂定智・慶應義塾大学病理診断部 林雄一郎
4) 画像診断/聖マリアンナ医科大学救命医学 松本純一・聖隷横浜病院放射線科 新美浩
5)ARDSに対する人工呼吸管理:基礎編/University of Missouri呼吸集中治療内科 大庭祐二
6)ARDSに対する人工呼吸管理:応用編/リクルートメントとオープンラング戦略/東京女子医科大学麻酔科 小谷 透
7)ARDSに対する人工呼吸管理:応用編/非侵襲的換気・理学療法/神戸百年記念病院麻酔集中治療部・手術部 尾崎孝平
 〔コラム〕気管切開チューブトラブル/神戸百年記念病院麻酔集中治療部・手術部 尾崎孝平・浅羽穣二 
8)ARDSに対する工呼吸療法,薬物療法を中心に:過去,現在,未来
(1) ステロイドと,その他の薬物療法/松江赤十字病院麻酔科・集中治療室 橋本圭司
(2) 吸入NOとARDS/ Massachusetts General Hospital麻酔科 市瀬 史
(3) ECMO,PCPSなどの体外循環/自治医科大学附属さいたま医療センター麻酔科・集中治療部 讃井將満
(4) シベレスタットに関する2つの無作為化試験について/東京慈恵会医科大学麻酔科・集中治療部 内野滋彦
9)ARDSに対する全身管理/Beth Israel Medical Center呼吸集中治療科 福永真由子/自治医科大学附属さいたま医療センター麻酔科・集中治療部 讃井將満
10)「特集ARDS」解説/讃井將満
11)座談会:隔靴掻痒のARDS臨床の克服/讃井將満,大庭祐二,田中竜馬,藤谷茂樹
 〔コラム〕米国の呼吸療法士/福永真由子
【主な連載】
・集中治療に役立つ内科ベッドサイト診断学/神戸大学病院総合診療部 平岡栄治
・集中治療医のための基礎医学101 第1回:集中治療に役立つ呼吸生理/亀田総合病院総合診療・感染症科 八重樫牧人
・八雲立つ不思議な国な,ICU/松江赤十字病院麻酔科・集中治療室/橋本圭司
・M&Mケースファイル/沖縄県立八重山病院外科 松浦謙二
・集中治療室目安箱:ナース/ME,私の言い分
・米国ICUフェローからのメッセージ「第1回:医師と臨床栄養士の連携を促す『集学的回診』」/福永真由子
・集中治療に関する最新厳選20論文




FUO in the returning traveler

2009年01月13日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです。日勤、当直の外来でみた患者は20数名、インフルエンザA数名、帯状疱疹1名、viral enteritis(漢方やっている人は心下痞ばりばりをチェックしてください)がすごく多かったです。

TICで気になったのでざっと読んでみました。
[Emerg Med Clin North Am. 2008 ;26:499-516]
Travel-related infections.
 [Infect Dis Clin N Am 2007;21:1091-1113]
Fever of unknown origin in the returning traveler
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/utils/fref.fcgi?PrId=5409&itool=AbstractPlus-def&uid=17492066&db=pubmed&url=http://www.racgp.org.au/afp/200705/16224
Assesment of febrile illness in the returned traveller [Aust Fam Physician. 2007]
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/
pubmed/14567489?ordinalpos=1&itool=
EntrezSystem2.PEntrez.Pubmed.Pubmed_ResultsPanel.
Pubmed_DiscoveryPanel.Pubmed_Discovery_RA&linkpos=1&log$=
relatedreviews&logdbfrom=pubmed

Fever in the returned traveler 
[Am Fam Physician. 2003 Oct 1;68(7):1343-50]
どれも勉強になりましたが、やはり良くhistoryを聞くことが大事と思いました。
どこに行ったのか、何のために?何をした?予防内服は?ワクチンは?免疫不全は
ある人?料理、生水、川、海、洞窟、リクリエーション(diving, hiking, camping, boating, raftingなどなど、、)動物どの接触は?性交渉を持ったか?
虫などに刺された?虫除けスプレーやった?とか、、。そして助けなければならない感染症は疑ったらしつこく、、、たとえばblood smearとか、、。自分が熱帯熱マラリアの症例を担当したとき、某海軍病院からの紹介でしたが、血小板3000でblood smearを見た研修医が診断した症例でした。感動したのを覚えています。その際に話たとき、その研修医は一度マラリアを見たことがあったので、、と言ってました。経験するっていうのも大事なんですね。あと個人的には
おっと思ったのは次のフレーズ。2つ目の文献に書いてあった。。。Typhoid feverの記載で、、Bone marrow cultures are less likely to be influenced by prior antibiotic treatment [J Clin Microbiol 2001;39:1571-6]が引用文献として挙げられている。不幸にも血液培養なしに抗菌薬が投与された症例はsensitivityの高いと言われている骨髄培養をさらにとる動機付けになる記載です。
写真:友人Drの島診療の際のもの。島民が自分でツツガムシだと診断つけてから来院したときのもの。右下腿の刺し口です

TICにいってきました。

2009年01月12日 | Kanpo-Master の部屋
Tokyo Infection Conferenceに参加してきました
1例目の司会をしたのですが、最初は質問がなかなか出なかったので、亀田のO先生やY先生、虎ノ門のA先生、医療センターのT先生、順天堂のU先生など知り合いを中心にこちらから指名して質問してもらいました。途中からは質問も結構でたと思います。
化膿性関節炎とIEとmycotic aneurysmの症例:Gamella sanguinisという菌が出たという症例でした。口腔内の常在菌でカタラーゼ陰性、α溶血をしたり、しなかったりする古くはviridansとして分類されていたものだそうです。武蔵野日赤のH先生のレクチャー付きでした。勉強になりました。

もう1例はインド帰りのTyphoid feverでした。鑑別が勉強になりました。蚊に相当刺されていたというヒストリーと、ガンジス川で泳いだという感染症のリスクがありました。抗菌剤の投与が一度でも入ってしまうとなかなか菌の検出までは苦労する、、というのを感じました。力仕事をやるほど元気だったそうですが、実際はTyphoid feverだったそうで、海外帰りの発熱は注意ですね。骨髄培養まで踏み込むかどうか、、が迷いどころかなああ、、と思いました。ちなみにshaking chillはなかったようです。
デング、マラリア、腸管感染症(エルシニア、キャンピロ、腸チフス、パラチフス,ETEC)、A型肝炎、などのほか、リケッチア関連(Typhus, Q fever, ehrlichiosis),Bartonella, Leptospilla、ジアルジア、アメーバ性腸炎、HIV,
Avian flu, Yellow feverなど多岐にわたりました。

House HR, Ehlers JP et al
Emerg Med Clin North Am. 2008 May;26(2):499-516
Travel-related infections.

杏林漢方勉強会 第2回

2009年01月08日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです。
1月15日は第2回杏林漢方勉強会です。
例によって、ツムラの学術の峰尾先生の話があります。その後、解剖学の白石先生のお話もあります。
試飲は、防已黄耆湯と麻黄湯です。
テーマ:癌治療に漢方、です。
これからはインフルエンザの季節でもあり、麻黄湯の出番です。

日時:1月15日
場所:杏林大学 第2病棟D 4階会議室
時間:6時半から7時半です。
院内の研修医、学生、指導医の皆様の参加をお待ちしております。

Peripheral Blood Smearの基本に立ち返る

2009年01月05日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです。

今年1発目の文献紹介です。Blood smearとInfectionとの関係を述べた以下の2つで、イスラエルからのReviewです。
The added value of peripheral blood cell morphology in the diagnosis and management of infectious diseases--part 1: basic concepts. [Postgrad Med J 2008;84:579-585]
http://pmj.bmj.com/cgi/content/abstract/84/997/579

The added value of peripheral blood cell morphology in the diagnosis and management of infectious diseases part2: illustrative cases [Postgrad Med J 2008;84:586-589]
http://pmj.bmj.com/cgi/content/abstract/84/997/586

***脾臓摘出が明らかな患者やhyposplenic patientでのHowell-Jolly小体やPappenheimer小体は通常認めることが多いが、逆にこれらがない場合にはresidual splenic functionがあると解釈できる。赤血球の異常ではとりあえず下の2つを注意してみてみる(個人的な感想)。さらに遺伝性球状赤血球症(HS)などのcongenital な形態異常もメッカルことがある。HSでparvovirus B19の感染を景気にaplastic anemiaになるケースがあるようだ。怖いですね。その他Asplenia/hypospleniaの場合にはacanthocytes(有棘赤血球)や標的赤血球(Target cells)もでることがある。

Howell-Jolly小体 摘脾後、赤芽球異形成を伴う貧血(巨赤芽球性貧血)、溶血性貧血、脾機能低下症、閉塞性黄疸
脾臓がない場合、脾機能が著明に落ちている場合、著明なhemolysisによるphagocytic processが存在するときなど。
Pappenheimer小体(Pappenheimer body)
3価鉄は水に不溶性で、蛋白、脂質、糖質と複合体をつくる。普通染色では青緑色の微細不整形で斑点状に染まり、鉄染色陽性である。3価の鉄をもつ赤血球をsiderocyteという。出現する病態 :摘脾後、骨髄異形成症候群(MDS)、肝硬変、鉛中毒、骨髄増殖性疾患

とりあえず、sepsisなど感染症を疑った場合には好中球に注目してみてみる
以下の4つあたりは感染症を疑ったときにsmearで着目してみるとヒットがあるかも知れない。
デーレ小体(Dohle body)

中毒性顆粒(TG:Toxic granulation)

空胞形成(Vacuole formation)
空胞形成はマクロファージや形質細胞では認めることがあるが、その他の細胞では通常ないものである。

■好中球の表面上のICAM-1などの↑によるaggregation

その他、LGL(large granular lymphocytes)などもLGL leukemiaやreactive responseで出現する。前回経験したDIHSの症例でもLGLと思われる細胞が末梢血に目立っていた。通常は末梢血のリンパ球の10-15%程度を占めるが、これが増えた場合には悪性疾患や感染症(virus, bacterial, helminthic)を疑う。この細胞はclonalityがあったとしてもreacitiveのこともある。
作図 by Kanpo-Master

2009年多摩感染症セミナーのお知らせ

2009年01月02日 | Kanpo-Master の部屋
2009年度の多摩感染症セミナーに関してです。
薬剤感受性の結果をどう読むか?肺炎球菌性肺炎のPCGのbreakpointの変更もありましたのでそのあたりもじっくり教えていただけると思います。
毎年恒例となっております。非常に毎回好評です。
講師はおなじみの青木眞先生と群馬大学の佐竹先生によるジョイントレクチャーです。2月14日と3月14日はまだ時間が暫定的です。対象は研修医、指導医クラスまで、どなたが出ても勉強になると思います。

1月24日(土)武蔵野スイングホール レインボーサロン 
開催時間 19:30~21:30 

2月14日(土)調布市グリーンホール 小ホール     
開催時間 19:00~21:00 

3月14日(土)武蔵野スイングホール レインボーサロン 
開催時間 19:00~21:00 

■今回も事前予約制です。会場の防災上の関係で予約が殺到した場合には多摩地区の方を優先させていただくことがあるかも知れませんがよろしくお願い致します。

■参加をご希望の方は以下の嶋崎さんかファイザーの担当の方にご連絡ください。
嶋崎 憲昭  / NORIAKI SHIMASAKI
   ファイザー(株) 武蔵野営業所
   TEL      /042-365-5214
   FAX      /042-365-5244
   E-mail     /mailto:noriaki.shimasaki@pfizer.com
   

2009年 ブログ始動

2009年01月01日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです。
今年1年が今日からまた始まります。年賀状を見ていると、子供が増えている人
開業したサッカー部の同期の先生、海外にいる人などいろいろです。今年開業する
同期は借金で鼻血が出そう、、という内容でした(笑)。
一年の計は元旦にあり。は、英語では
New Year's Day is the key of the year.というらしいです。

私は昨日新しいデジタルカメラを購入しました。Canon、IXYでこれで自分としては3代目です。150万画素から一気に1000万画素となりこれでカメラ小僧としてのやる気が出てきました。2009年も皆様にとっていい年になりますように。。。