杏林大学呼吸器内科 『あんずの呼吸 part2』

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慈雲堂漢方勉強会第101回 風邪の漢方治療の考え方

2007年01月25日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです  

今日は漢方勉強会の日でした。
ぴりり、と辛い朝鮮五味子(写真左)を味見して、桂麻各半湯を飲みながらの
レクチャーでした。毎回ツムラの学術の峯尾さんがいらして基礎的な
生薬のレクチャー、その後に理事長の臨床談義があるので面白いです。

表証(頭痛、悪寒、発熱、首筋のこり、節々の痛み、発汗、鼻がぐずる)
裏証(下痢、便秘、腹満、身体腹部の熱感)
半表半裏証(咳嗽、心窩部痛、口苦、悪心嘔吐)
のどれか、そして
寒(悪寒、寒性頭痛、冷え症、寒性下痢、薄い喀痰、尿が無色で量が多い)
熱(全身の発熱、ほてり、のぼせ、住血、口渇、尿が黄色~赤色)
のどちらかをみて処方を決めていくといいそうです。

麻杏甘石湯(麻黄、杏仁、甘草、石膏)の石膏が桂枝に変わっただけで
麻黄湯(麻黄、杏仁、甘草、桂枝)が出来上がります。

麻黄と石膏では2000年もの昔から邪熱(喘息などの炎症)を抑える
作用が強く自然淘汰されずに残った優秀な薬のようです。
発汗作用はあまりないようです。石膏は清熱作用。
Steroids sparing agentとして私は麻杏甘石湯なども積極的に
外来の喘息患者で使用しますが、結構切れ味がいい印象があります。

麻黄と桂枝が組み合わさると強烈な発汗作用が出現するため、
シバリングがきているような人には麻黄湯を処方するとうわーと発汗させて
一気に汗、(^_^;) をかいて治します。うちの娘も39度の熱がでた直後に
麻黄湯を1包内服させた1時間半後には37度に解熱して
おったまげたことがあります。NSAIDでも飲ませたかのような反応でした。

これからインフルエンザの季節ですが、発汗、解熱までは麻黄湯や
桂麻各半湯はタミフルとの併用はいいようです。
桂麻各半湯はアトピーに使われることもあるようです。


Aphthous Ulcers 第31回morning conference

2007年01月22日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです  

以下の適当に選んだ論文を参考に今週はaphthous ulcerについて
やってみたいと思います。

http://www.aafp.org/afp/20000701/149.html
[Am Fam Physician 2000]

http://jada.ada.org/cgi/content/abstract/134/2/200
[JADA 2003;134:200-207]

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?db=pubmed&cmd=Retrieve&dopt=AbstractPlus&list_uids=16390463&query_hl=13&itool=pubmed_docsum
[Oral Diseases 2006;12:1-21]

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?db=pubmed&cmd=Retrieve&dopt=AbstractPlus&list_uids=16837680&query_hl=17&itool=pubmed_docsum
[NEJM 2006;355:165-72]


Endogenous hypercortisolism !! 

2007年01月22日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです 

高田総統のチームが激しく、トラの穴ですごい症例と日々格闘している
のを見て触発されたのが、Cushing's syndromeでのpneumoniaについてだった。
意外にもpublishされているまとまった報告はなく、図書館でゲットできた
のはとりあえず以下の3報告だった。アナルスのものが症例を一番集めていた。
僕が思ったことは以下に集約される

■ステロイドは内因性の原因(Cushing's syndromeやectopic ACTH産生腫瘍など)
のものでもステロイド投与患者と同じようにimmuniocompromisedと考えるべき。
■どうやらpituitary Cushing's syndromeではectopicに比べて産生される
ステロイドは低い傾向があるようだ。
■4つの押さえておくべきcommon pathogenは、PCP, cryptococcosis,
aspergillosis, or nocardiosisである
■内因性のステロイドのせいでclinical symptoms, signは出にくくなり
感染症を見逃す可能性がある
■lymphopeniaはcommonである。
■PCPはよりsevereなhypercortisolismで起こりやすく(121ug/dl)
,cryptococcosisはそれに比べて程度の低いhypercortisolism
(70ug/dl以下)でも起こるとする報告がある
■pituitary Cushing's syndromeでは補充療法を術前、術後にやっていて
それが減量されていった場合、その他のnon-HIVのPCPで見られる減量中
の発症と同様のパターンとなりうる
This may have the same mechanism as the classis descriptions of PCP
occurring during reduction of corticosteroid therapy in patients
with leukemia or lymphoma.

■高田総統の症例は以下のLANCETの報告と酷似しているように見える

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?db=pubmed&cmd=Retrieve&dopt=AbstractPlus&list_uids=8098477&query_hl=3&itool=pubmed_docsum
[LANCET 1993;341:1348-1349]

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?db=pubmed&cmd=Retrieve&dopt=AbstractPlus&list_uids=6331781&query_hl=5&itool=pubmed_docsum
[Annals of Internal Medicine 1984;101:334-338]

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?db=pubmed&cmd=Retrieve&dopt=AbstractPlus&list_uids=6608298&query_hl=5&itool=pubmed_docsum
[AM REV RESPIR DIS 1984;129:188-189]

患者さんが良くなりますように、、

Dr ぶらんち レクチャー

2007年01月16日 | お知らせします
第2回若手医師のための呼吸器、感染症、画像研究会

謹啓 時下先生方におかれましては益々ご健勝
のこととお慶び申し上げます。さて、この度
『第2回若手医師のための呼吸器、感染症、画像研究会』
を開催する事になりましたのでご案内申し上げます。
ご参加の程、宜しくお願い致します。

日時:2007年2月10日(土) 18:30~20:00
会場:武蔵野スイングホール 10F
東京都武蔵野市境2丁目14番1号 ℡:0422-54-1313
製品紹介18:30~18:40
「ガチフロ錠100mg」キョーリン製薬(株)
講演 18:40~20:00
'Always Expect the Unexpected' by Dr Branch
Clinical Tutor, Shonan Kamakura General Hospital
1.息切れを主訴に来院した興味ある一例
2.ブランチ先生の問診ガイド

共催 若手医師のための呼吸器・感染症・画像診断研究会
  キョーリン製薬株式会社(株)
問い合わせ先:杏林大学医学部呼吸器内科 
Tel:0422-47-5511
和田裕雄(e-mailwadagh@kyorin-u.ac.jp)
キョーリン製薬株式会社 多摩第三営業所 
Tel:042-321-7411
山口 剛、吉岡 克行 

アカデミックカレンダー (あ~、いそがし、、)

2007年01月14日 | お知らせします
関係者の皆様

アカデミック・カレンダー2007年第一号です。春はイヴェントが多いのでご注意を。

1月
 15日 月 剖検カンファレンス
 17日 水 病棟カンファレンス
 18日 木 研究カンファレンス (中田先生とともに) 
17:30より2-3C病棟奥カンファレンスルーム
 24日 水 岡先生とCPC (確認中です。)
 27日 土 Young Chest Conference 15時より、
新宿で 御興味のある方はご出席ください。
 31日 水 病棟カンファレンス
        多摩喘息QOL研究会の御報告
(外来で皆に協力していただいたアンケートの結果です。)

2月 (イヴェントいっぱいです。)
 1日 木 研究カンファレンス予定
 3日 土 青木先生&佐竹先生のジョイントセミナー
 7日 水 病棟カンファレンス
       抄読会開始 荒岡先生or三倉先生の予定
 10日 土 Dr Branch 「Always expect the unexpected」
  18時30分より武蔵境駅前にて
全員出席してください。
 15日 木 研究カンファレンス予定
 17日 土 呼吸器病学会地方会(青島先生御発表)
        ALI研究会 ほか
 22日 木 ERS原稿締め切り
(以下続く)

青木先生の症例検討会も予定されていたと思います
只今確認中です


PRES という概念

2007年01月13日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです  
今週のCHESTではこれが一番そそった報告だった。
http://www.chestjournal.org/cgi/content/full/131/1/309

駒込病院研修医時代にアレルギー膠原病科でGoodpasture's syndrome→
TTP→RPES様の病態という激烈な症例を経験後は、血管炎は本当に恐ろしい
ものだと常々思う。このときはTTPでPRES様の病態が起きるという報告が結構あり
(visual hallucinaitons,Cortical blindnessなどなど)DDXとして
Hypertensive encephalopathyがあるという認識で終わっていた。
しかし上記を読むとどうやらPRESという概念の中にHypertensive encephalopathy, renal failure, immunosuppressive and cytotoxic drug therapy, and eclampsiaなどが原因として挙げられておりすべてを包括した
概念のようである。PRESのless commonな原因としてuremia, dialysis disequilibrium, digitoxin intoxication, acute porphyria, vasculitis, erythropoietin therapy, and blood transfusionなども挙げられている。
sickle cell diseaseでPRESが多いと書いてあったがどうしてだろう、、
PRESでは画像上はCTでも分かることもあるparietalやoccipital lobeのLDA
を生じる。cyclosporin Aやtacrolimus,Interferon-α,IVIGs, erythropoiethin, cysplatin, cytarabineが原因となることもあるのは我々呼吸器科医も知っておくべき概念だろうと思う。
* 写真は僕が経験したGood Pastureの糸球体基底膜にliner
patternで染まるIgGです。

PVTという概念

2007年01月13日 | Kanpo-Master の部屋
 Kanpo-Masterです  

http://www.chestjournal.org/cgi/content/full/130/5/1617
では、PVT(Prosthetic valve thrombosis)の症例が紹介されています。
最近は手術よりも血栓溶解療法と抗凝固療法を優先して行うこともあるようです

心臓関係ですと、つい先日病棟にも同様の症例がありましたが、、
以下参照です。
http://www.chestjournal.org/cgi/content/full/131/1/313

どちらもつらい病気ですう、、

Superwarfarins (MGH case records)

2007年01月13日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです 

http://content.nejm.org/cgi/content/extract/356/2/174
最新のNEJMではSuperwarfarinsと呼ばれる、クマリン、
ブロデファコーム、ブロマジオロン、などなど(何の薬か聞いただけだと
ぴんとこないのもあります、、、)によって引き起こされた病態、さらに引き続き
投与された薬剤による恐ろしい話です。
The Vitamin K Cycleというのはなかなか勉強になります。



"Always expect the unexpected"

2007年01月06日 | お知らせします
Kanpo-Masterです。 

2007年2月10日はDr. Branchによる"Always expect the unexpected"
と題してlectureがあります。
もしかすると青木眞先生の飛び入り参加もあるかも知れません。
(と、青木先生はおっしゃっておりました)
場所、時間、テーマはMrちん、さんから後ほど連絡があります。
よろしくお願いします。

以下にぶらんち先生のブログが誕生しました!
http://sogonaika.blogspot.com/index.html

臨床で知っておきたい抗菌薬感受性検査の読み方

2007年01月06日 | Kanpo-Master の部屋
群馬大学医学部保健学部応用検査学の佐竹幸子先生と
おなじみの青木眞先生の豪華Joint lectureが開催されます。
第2弾です。

■2007年2月3日(土)
■14:00-17:00
■吉祥寺第一ホテル 8F飛鳥
で開催されます。

興味のある方は是非参加してください。
第3弾は3月10日(土)を予定しております。


MGUSという概念

2007年01月05日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです。 個人的にはこちらの2つのarticleがそそった。
http://content.nejm.org/cgi/content/extract/355/26/2765

 http://content.nejm.org/cgi/content/extract/355/26/2772

MGUS(Monoclonal Gammopathy of Undetermined Significanceと言う概念、、病棟でも、もうちょっと注意してみてみようと思う。
Bone marrow plasma cellが10%未満でCirculating monoclonal proteinが
3g/dl未満で臨床症状がない、のが前提。
以下はMalignant plasma-cell disorder
(MM,Waldenstrom's macroglobulinemia, primary amyloidosis, B-cell lymhpoma, or CLL)へのリスク

●free kappa/free lamdaが0.26以下か1.65以上(0.26~1.65は正常)
●serum-monoclonal protein concentrationが1.5g/dl以上
●IgG以外のimmunoglobulinが上昇している場合


A Stain in Time (Clinical prpblem-solving)

2007年01月05日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです。  寝ようと思ったら、
Hagi-doraさんに触発されて
A Stain in Timeを読んでしまいました。
http://content.nejm.org/cgi/content/full/356/1/68

この病気は非常にrareと思われますが、吸収不良症候群として
片付けられているものの中でPAS染色などしてみると、そうだったりして、、、
非特異的な症状なので、診断は難しいです。
臨床症状を、ほぷきんす、からパクッテ来ました

■GI: "classical presentation" -wt. loss, fever, diarrhea, abd. pain, lymphadenopathy, arthralgia (may precede GI sx for yrs)

■CNS: dementia without other cause, personality change, hemiparesis, sz, ophthalmoplegia

■Ocular: uveitis; oculomasticatory or oculofascial-skeletal myorhthymia rare but considered pathognomonic of WD if present

■Cardiac: culture-negative endocarditis, myocarditis, pericarditis
Less common: skeletal muscle, pulmonary, renal involvement

■Ddx: Crohn's, lymphoma, celiac dis., Still's dis,, amyloidoisis, atypical mycobacteria


1月24日のレクチャー(横浜市民病院にて)

2007年01月01日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです  

皆様あけましておめでとうございます。
青木先生のpartyでお会いした須藤先生らによる以下のレクチャーの
お知らせです。水曜日なので、呼吸器カンファレンスとぶつかりますが、
私は可能なら参加したいと思っています。こういうレクチャーを聞いてみたかった、、、


題目: 「SpPin-itive Physical Findings」

-一度見れば忘れない、SpPinな身体所見-

日時: H19年1月24日(水曜) 午後7時30分より9時まで
(3題目: 「SpPin-itiv0分程度延長される場合もあります)

場所: 横浜市民病院 癌検診センター4F講堂