杏林大学呼吸器内科 『あんずの呼吸 part2』

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感染症学会 東日本地方会 奨励賞(臨床)

2011年11月28日 | あんずのきしめんの部屋

 先日、山形で行われた感染症学会の地方会で、当科の発表が、奨励賞を受賞しました。当院は救命センターがあるため、大学病院の中では市中肺炎の患者さんが多いかもしれません。救急外来、一般外来を受診される市中肺炎の方のデータを演者の先生が地道に解析していました。非常に光栄なことです。
http://www.kansensho.or.jp/prize/chihoukai_higashi.html
市中肺炎におけるプロカルシトニン(PCT)測定の臨床的意義の検討

コソ染め太郎のコソ染め日誌22

2011年11月22日 | こそ染め道場
全国の紳士淑女の皆様、お久しぶりです。コソ染め太郎でございます。


久しぶりの更新ではございますが、今日は「カレー」の話をしたいと思います。

もちろんここはコソ染め太郎の日誌です。
皆様が大好きなごはんと一緒に召し上がるヤツじゃありません。
むしろカレーを食べた後に出てくる皆さんがあまり好きじゃない方の「カレー」でございます。


お刺激が強すぎるため、お食事中の方、また心臓にご不安のある方の閲覧はお控え下さいませ。





今日のコソ染めです。


これは僕が研修医の時のお話です(架空の症例です)。

救急外来に高齢の寝たきりの方が運ばれてきました。
ショック自発呼吸もままならない状態。


やべぇな、コレ。




という事で輸液ガンガンジャクソン揉み揉みでなんとかバイタル落ち着きました。

なんかのSeptic shockかな?
という事で(ササッとですが)フォーカス検索をしましたが、明らかな物はなし。
とりあえず全身CT撮ってみるべ。




な、な、な、なんと!

ケツに巨大なエアーが!




炎症のフォーカスはケツだ!ケツを見ろ!

という事で患者さんを側臥位にしてみると…




カレーまみれのガーゼに覆われた巨大な褥瘡を発見!!



皆さん、想像してください。

ガーゼに覆われた巨大な褥瘡
それにカレーが染み渡っている様を!
もうカレーが染みているという次元じゃないです。カレーガーゼです。
そして強烈な臭い



カレーを洗浄した後、褥瘡のポケットの中をスワブでゴシゴシ。
その時のグラム染色がコレです。






その光景に上級医がポツリと…


「連邦のモビルスーツは化け物か!?」


とつぶやいたとかつぶやかなかったとか。




更にカレーガーゼの猛威は続きます。

なんと、血液培養2セット全てから…


Group G streptococcus
Providensia spp
Proteus mirubilis




3種類だと…!?

「こ、これが戦い…」



思わずポツリとつぶやいてしまいました。



恐ろしやカレーガーゼ

ワシマニ

2011年11月21日 | あんずのきしめんの部屋

 マクギーが、大体主なところが終わったので、勉強会ではワシントンマニュアルを扱おうかと話になっています。
 何かの席で、Kampo-master先生が、コソ染め先生に、「グラム染色を何か形(冊子とか)にするといい」と提案されていました。どこかの病院では隠れ切支丹のごとく、本当にコソ染めになってる先生もみえるのではないでしょうか。コソ染め先生も理解ある上級医にも恵まれて今があるんだな、と感じます。次は院内を巻き込んで・・・。

東京呼吸病態研究会

2011年11月21日 | あんずのきしめんの部屋
 
 都内の若手医師が、研究(臨床、基礎)を発表するという知る人ぞ知る会がありました。プレゼンテーションを審査される錚々たる呼吸器の先生方の質問攻め!?がまず何より迫力がありました。当科大学院の先生も上手に発表されていました。他施設の先生の発表も聞きながら、また呼吸器病学の深さに魅了されました。

収穫の秋

2011年11月19日 | あんずのきしめんの部屋

 今年は、Kampo-master先生筆頭に、症例報告が次から次へと作成されています。学会で発表、報告したcaseをそのままにしないで症例報告として形に残す。しかも発表する前に症例報告するくらい。埋もれさせては絶対いけない。あと1か月半でまだまだいける!!、と昨日のTICの後でも呟いておられました。(写真:漢字の変換で出てきて困るネタの1つ)

勧誘会

2011年11月14日 | あんずのきしめんの部屋
 
 呼吸器内科の勧誘会が行われました。コソ染め太郎先生の編集したスライドに皆驚いていました。グラム染色だけが趣味・・・というわけではなさそうです。そのほかの先生の紹介スライドもあり、レジデントと楽しく食事会ができました。活気のある新しい仲間が入ってくれるといいです。

もう11月です

2011年11月13日 | あんずのきしめんの部屋

 11月なので研究会も目白押しです。若手医師セミナーに参加させてもらっていると、「おっと、この領域はこういう考え方に変わっていたんだ・・」と思うことがあります。レジデントに「何古い事を言っているんだ」と思われないようにしないといけません。またローテートして来る先生が入れ替わったので、その変に注意してやっていこうと思います。(したり顔で)
 こそ染め先生も、呼吸器勧誘会の準備を進めてくれてます。そろそろ忘年会の話も出始めています、早いですね・・。

コソ染め太郎の非コソ染め日誌7

2011年11月08日 | こそ染め道場
お久しぶりです。コソ染め太郎でございます。

いやぁ、今めちゃくちゃ忙しくてなかなか更新できずすいませんでした。

え?何で忙しかったのかって?




新入医局員勧誘の準備に決まってるじゃないですか!









はい。仕事は至って順調です。







という事で今日の非コソ染めです。

今、ATT(ER的なヤツ)に配属されています。
色々な症例が来て、勉強会で習った事を実践しながら楽しく診療しています。

そのATTで昔こんな事があったのを思い出しました。(実際の症例を一部改編してお送りします)



以前よりクローン病と診断されていた方です。
治療は順調で落ち着いてたみたいですが、急に腹痛が出現して来院しました。




「クローン病が増悪したな」




と考えながら診療を開始。

痛みは強かった(間欠痛)のですが、反跳痛はなく、筋性防御もありません。
(下痢は1度のみで血便なし。バイタルもOK)



「よし。採血出たら腎機能確認して造影CTを含めた画像検査に行こう」



CTを撮影してみてビックリ!
な、な、な、なんとお腹の中に空気が!






やべぇ!腹膜炎じゃないか!






慌てて外科にコンサルトし、手術となりました。
運ばれて行く直前に悪寒戦慄が出て「寒い寒い」と言うセリフに僕の背筋も寒くなったのを覚えています。
(術後は順調に経過し退院となりました)



最初の身体診察の時。
・身動きせずじっとしてる(明らかな体動時痛はなし)
・肝濁音界が消失

という所見を取りながらも、


「またまたぁ。肝濁音界消失とかどうせCOPDとかでしょ?私は騙されんよ」


とか思ってしまった自分。




※ちなみに「肝濁音界が消失」とは、free airが肝臓の表面を覆う事で打診上鼓音を呈するという所見。
 腹膜炎を疑います。
 ただCOPDなどで肺が膨張している時は肝臓の前に肺があり鼓音になる事があります。






間欠痛、明らかな腹膜刺激症状がない事、バイタルが安定してる事で腹膜炎の可能性が低いと判断して採血を待ってしまいました。
(今思えば身動きをしないのは腹膜刺激症状だったと思います)
CTは造影を待つにしてもとっとと胸部Xpを撮っておくべきだったなぁと反省。



今回の教訓
その1
「押忍!慣れと決めつけはメディカルペールに突っ込むべし!」


その2
「押忍!緊急度の高い疾患を少しでも疑ったら最低限のエスコートをするべし!」







ま、当たり前の事なんですけどね。
ATTに来る度に「あれ、もうちょっと早く進めなきゃだったよなぁ」思っちゃうんですよね。


昔の女、みたいなもんですかね…









すいません。イラッとした人、すいません。

持ち味

2011年11月07日 | あんずのきしめんの部屋

  学会シーズンでは、I先生が肺癌学会で、当科のデータを発表をしてきてくれました。ポスター発表中の写真を見せてもらいましたが、いつになく勇ましかったです。
 また、あるレジデントは、朝の勉強会でPCP(HIVとnon-HIVの比較など)について上手くまとめてくれてました。よくメモを取る先生で、話すのも上手で、飲み込みも早かったです。各レジデントがそれぞれの持ち味を持っているなあと実感する日々。

MDS-PAP conference 2011

2011年11月07日 | あんずのきしめんの部屋

 肺胞蛋白症の中でも、続発性肺胞蛋白症(secondary pulmonary alveolar proteinosis:SPAP)の第1回研究会が、本学で行われました。MDSやBehcet病との合併例の報告がされ、全国から集まった(錚々たる)血液内科医、呼吸器内科医、放射線科医らが意見を交わしてとても濃密な時間でした。SPAPの勉強会としては世界初ではないでしょうか。あんずから世界へ。(SPAPの症例報告(総括)をする石井講師)