杏林大学呼吸器内科 『あんずの呼吸 part2』

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べレットが消えた?

2009年03月28日 | Kanpo-Master の部屋
夕方から夜更けまで実験をしています。
最近は少し疲れ気味です。補中益気湯の出番です。先ほど、疲れのせいか、気合いが足りないせいか、マウスのBALFから取り出したわずかなペレットが無くなったように錯覚しました。泣きそうになりながら実験中のその他のファルコンtubeをペレットを求めて探しまくりました。うーん、でもどうしても見つからない、、。あきらめて、培地を替えて再度遠心したところ、ひょっこりペレットが再度出てきてくれました、、。理由はよくわかりませんが、、
病棟復帰へ向けて最後の追い上げです。その後には論文作成の続きです。臨床医にから見ても意味のある論文にしたいと思っています。
そういえば、つい先日の漢方著効例:麻子仁丸です。3年間便秘に悩まされていた
中年女性でした。毎日快便だそうです。今まではプルゼ○○とかラキソ○○○とかは合わなかったようです。
使用する際のkey wordは”ウサギのような、かちかちころころの便”これを見たら一度は麻子仁丸をお試しあれ。ヒットするかも知れません。

新体制の発表

2009年03月26日 | Kanpo-Master の部屋
さて、本日は今年の新体制の発表があり、病棟のチーム編成や運営方針などが明らかとなりました。新医局員も3人増えます。入院患者も去年は呼吸器科だけで1000人を越えてました。今年は7チーム体制(1チーム2人~3人)での診療となります。チーム数が多く大所帯ですが、みなさん気持ち良く仕事できる人達です。私も病棟復帰が決まり、また新たな気持ちでがんばろうと思います。自分は今、この時点で実験の山をあと一つ越えなくてはいけませんが、、。サクラのきれいに咲くところで少しゆっくりできたら最高です。

薬剤感受性セミナーを終えて

2009年03月24日 | Kanpo-Master の部屋
今年の薬剤感受性セミナーも3回無事に終了しました。
佐竹先生、群馬から教えに来ていただいて感謝です。
青木先生、最後のラーメンはいろんな意味でダメージを与えてしまったようです。最後にお送りする際に、タクシー内の青木先生が天を仰いでいた姿がダメージの具合を物語っていました。まだまだ自分もラーメン道の修行が足りませんでした。
武蔵野日赤のH先生、慈恵のけいじ先生(柔道の鈴木桂治になんとなく雰囲気が似ているで僕はじけいのけいじ、と呼んでいます。鮭児というのもいいですね)、ミッドタウンのG先生など最後までお疲れ様でした。自分の周りには教えを乞うことのできる素敵な先生が沢山いて幸せだ、、とつくづく感じた一日でした。

今週のMGH

2009年03月23日 | Kanpo-Master の部屋
今週のMGHは81才の男性が出血源が不明の下血で来院した、という設定です。
かなりの出血です。massive rectal bleedingの鑑別です。当科でも時々ですが
idiopathicの直腸潰瘍が出たりするので、興味持って読みましたが、、さて結果は、、伏せておきます。

また最新のMayo Clin Proc 2009;84:268-272では, Mechanismas of Drug-induced allergyのreviewがありましたが、こちらはあまり感動するような内容ではなかったです。

写真:以前にハーバードの感染症レクチャーを受けに行ったときに、案内してもらったMGHです。まさにCase recordsの議論がなされるカンファ室です。ここが一番感動した場所です。

Blood pleurodesis

2009年03月21日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです。
Thoraxから、、
こういうペーパーはかゆいところに手が届く感じ、、で好きです。
Blood pleurodesis for the medical management of pneumothorax [Thorax 2009;64:258-260]

実際にpneumothoraxで肺機能や患者の状態によっては外科的処置が難しい場合も
あります。その時にBlood pleurodesisは一つの手段となりますし、当院でも実際に行われています。
5日以上続くair leakがあり手術をするには状態が悪い場合に考慮される。
この血液がどうしてpneumothoraxを抑えるのか、、はよく分かっていないようですが、即効性もあることから血液が凝固する際のパッチのような効果や癒着だとか、、いろいろ言われているようです。また利点としては肺が完全に広がっていない場合(胸膜肥厚や癒着などで)でも使用できる点、痛みや長期的な後遺症を残さない点も利点です。ただEmpyemaは起こすことがあり、あるペーパーでは9%程度に起こるらしい。
具体的な量は血液採取後すぐに50mlから100mlを無菌的にドレナージtubeから入れる。生食でtube内の血液をflushもやった方がいいという報告も。患者の身体のrotationは不要。bubblingが続くなら上記を3回までやっても良い。

多摩感染症セミナー本年度最終(第3弾)

2009年03月21日 | Kanpo-Master の部屋
 多摩感染症セミナー 2009
第3弾(最終)今回は、グラム陰性桿菌主体の内容となります。

臨床で知っておきたい抗菌薬感受性結果の読み方
講師:群馬大学医学部保健学部応用検査学、佐竹 幸子先生
                  
感染症コンサルタント/サクラ精機(株)学術顧問:青木眞先生

日時:3月23日(月)
時間19:30-21:30
会場:三鷹産業プラザ 7F会議室 

事前登録制で定員は120名です。ファイザーの嶋崎さんnoriaki.shimasaki@pfizer.com まで参加ご希望の方は御連絡ください。

NTMとcutaneous/soft-tissue infection

2009年03月21日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです
RA(レミケード使用中)+NTM (MAI)のTenosynovitis疑いに遭遇しました。
気になって以下をざっとreviewしてみました。NTMの皮膚病変やtenosynovitisは意外に経験された先生は少ないのではないか、と想像します。報告も少ないですし、、。

■Atypical Mycobacterium infections of the upper extremity
[Arth Orthop Trauma Surg 2005;125:475-478]

■Mycobacterium avium complex tenosynovitis of the wrist and hand
[Arthritis & Rheumatism 2004;51:140-142]

■Localized soft-tissue infections with Mycobacterium avium/Mycobacterium intracellulare complex in immunocompetent patients: Granulomatous tenoxynovitis of the hand or wrist [Clin Infec Dis 1995;21:65-9]

■Tenosynovitis due to Mycobacterium avium intracellulare and Mycobacterium chelonei: report of two cases with review of the literature.
 [Clin Rheumatol 1998;17:152-156]

■ Atypical mycobacterial cutaneous infections
[Dermatol Clin 2009;27:63-73]

■ Nontuberculous mycobacterial infections of the skin: A retrospective study of 25 cases [J Am Acad Dermatol 2007;57:413-320]

■ Risk of serious bacterial infections among rheumatoid arthritis patients exposed to tumor necrosis factor α antagonists [Arthritis & Rheumatism 2007;56:1125-1133]

上記を読んで思ったことは50-70才くらいでtenosynovitisは多そうであること。
手などの外傷の有無、皮膚への穿刺とか擦過傷の有無、職業(農業とか)、魚を扱う仕事、水槽などで飼育の趣味がないか、などのヒストリーも大事。
tenosynovitisを起こす菌はNTMの中でもM.marinumが一番多く半分くらいを占める。次にM.kansasiiだという報告も。皮膚の状態から菌名は分からない(似たような皮膚病変を呈する)らしい。case seriesを見ていると、かなり長い経過の症例が多く、年単位というものも散見される。症状出現から検査まで平均6.6ヶ月を要しているという報告もある。またtenosunovitisは、DeQuervain's disease や carpal tunnel syndromeと症状は似ておりステロイドを局所に注射されて増悪する場合があるようです。症例数が非常に少ないので決まった治療法、治療期間はないが外科的なdebridementが大事で、菌よりもhostの細胞性免疫の方が治療への反応に影響しそうです。adjunctive therapyとして最低1年の抗菌薬治療を薦めている文献もあった。診断は局所の培養やbiopsy(滑膜など)となるが、必ずしも培養陽性とならないし、組織所見もgranulomaをdetectできない可能性もある。なかなかやっかいです。外科的デブリが何度も必要になるケースもあるようで長い経過で
指や手掌や手首の痛み、発赤などを呈した場合、Granulomatous tenosinovitisなども頭に入れておく必要があるそうです。長い治療を要する疾患だからこそしっかりとした診断が必要になるcaseです。それにしても外来は非常に勉強になります。



生まれてはじめてのお料理教室 ささやかな幸せパート2

2009年03月15日 | Kanpo-Master の部屋

今日は午前中に東京ガス主催のお料理教室に行ってきました(正確には行かされました)。6歳の娘と一緒に2人で他のママ達に混ざって料理です。今回で娘は2回目の参加です。結構人気があるようで一度落選しましたが、空きが出たのでということで連絡がありました。
普段は全く料理をしない自分は最初はかなり、いやいやでしたが実は結構楽しかった、、です。
ハムとチーズのホットサンド、ラスク、温野菜の炒め物の3つを作りました。すっごい広い厨房でつくり、まぶしいくらいのあたたかい陽がさす場所で作った料理をみんなで食べました。娘の楽しそうな顔を見ていると行って良かったかな、、と思いました。

漢方勉強会を終えて

2009年03月14日 | Kanpo-Master の部屋
昨日は漢方勉強会の3回シリーズがひとまず終了しました。
医局のみなさんも興味を持ってくれる人も多くありがたいです。
漢方のいいところは、他科の先生ともいろんなお話ができることです。みなさんの
思いは一つです。何か少しでも患者の症状を改善できないだろうか、、ということです。必ずしも解決に向かわないこともあるかも知れません。でも、患者の話を聞いてみてあれやこれやと考える気持ちにさせてくれる一つの手段でもあります。
それにしても大学の外来はパンク寸前のように思います。外来のブースが急増する患者に対して少ないのも影響してますが、、、。昨日は紹介状なしの初診の方は朝9時から6時間待ちで拝見しました。これはシステム上、どうしようもないことなのですが、、、何とかならないかなあ、、とも思います。個人の努力や力では到底及ばない部分です。

外来にて

2009年03月11日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです。
今、外来にいます。夜の外来というのはひっそりしていますが、静かなので好きです。一人一人の患者の画像やカルテを見て自分なりに病態や治療、方針などをゆっくりと考える時間です。こうなったらこうする、といったことをイメージしながら、、。こういった時間がなければ、自分にはなかなか外来はしんどいです。なるべく落ちがないようにしっかりやっていきたいといつも思っています。それにしても感染症、膠原病、びまん性肺疾患、malignancyなど病気のvarietyに富んでいます。大学に患者が集中しているせいもあるかも知れません、、、。

TICに行ってきました。

2009年03月06日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです。
さて、今日は一応今年から世話人になっているTokyo Infection Conferenceに参加してきました。場所は私の母校の順天堂で行われました。一例目は70代の男性で右上肺野の結節影で経過を見られていたが、数週の経過で左下肺、右下肺にも病変が広がり右上肺野の陰影も増悪した、という人でした。治療経過はlevoが入っており
一時的に改善するも再増悪した、と言う流れです。まあ、鑑別はいろいろありましたが、結局はM.abscessusでした。この菌はlevoの1ug/mlの濃度の培地にも生えてきたらしいのですが、臨床的には効いてしまっていた、、という印象です。比較的早い臨床経過と画像所見でありrapid growingのNTMを鑑別に挙げられるか、どうか、というのがミソの症例でした。また結核の可能性も常に考えlevo等のquinoloneの使用は慎重に、、という点も感じました。今日は亀田の皆さんがいらっしゃらないこともあり、比較的質問が少なかったので、司会の僕は虎ノ門の猫ひろし先生にこれでもか、というくらい振りまくって(集中攻撃)、何とか盛り上げました。猫ひろし先生、お疲れ様でした。

さて、2例目はST合剤投与中にもかかわれず、breakthroughしたNocardiaの症例でした。予防投与していても安心できないですね。
CID 1997;24:1154-60
CID 2007;44:1307-14
がkey paperだそうです。私、まだ見てません。

ごきげんなみなさん

2009年03月05日 | Kanpo-Master の部屋
さて未確認情報によりますと、あんずの小沢一郎が言うには、physical関連やその他の勉強会を兼ねて強化合宿をやろう、という話が出ました。医局員全員+徳田先生+知念先生+ボス?で温泉合宿の話もあります。
いずれにしても理解のあるボスの下で我々は自由にやらせて頂いていることに感謝致します。

徳田先生がやってきた、、、、総合内科の力

2009年03月05日 | Kanpo-Master の部屋
さて徳田先生のphysical回診が始まって2年くらいになり、医局員の取り組み方も
ほんとに真剣です。本日もほんとに沢山のphysicalについて教えて頂きましたが、
”奇脈””Kussmaul徴候””Hepato-jagular reflux”は症例を介してみんなの
頭に強烈にインプットされました。ほんとに、ほんとに勉強になります。奇脈の診断は誰でもできるようになる、と思いました。と、同時に 

Does this patient with a pericardial effusion have cardiac tamponade? JAMA. 2007 Apr 25;297(16):1810-8 は重要です。

さて詳細は次回に譲るとしまして、まず3ショットです。左からあんずの病理担当大臣でPTTMの大家:知念先生、そして総合内科の雄:徳田先生、そして私です。以外なところで御縁というのはいろいろありまして、自分が教えを乞いたいと思っている先生は、どこかでつながっているものです。この写真をとったときの3人の言葉 ”シャニンガー先生、みてますか~ ”

FMFの肺病変???

2009年03月01日 | Kanpo-Master の部屋

毎月開催されている呼吸器、放射線、病理医の合同の会(画像、病理中心ですが)
で高齢女性のFMF疑いのケースが出ていました。高齢でもあるんかいな???
でも急性腹症らしいが痛みが局所的でなくはっきりしないエピソード、と発熱は
ありました。画像上はアミロイドーシスかなああ、、と思ってみていたのですが、、肺病変のケースはやはり稀のようです。
Thoracic and lung involvement in familial Mediterranean fever
Clin Chest Med 2002;23:505-511

Pulmonary amyloidosis. The Mayo clinic experiecne from 1980 to 1993
Ann Intern Med. 1996;124:407-13

この症例の議論の最中、以下のコメントが僕の頭の中をぐるぐると回ってました。
(週刊医学界新聞から、、)

http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02817_01若い女性が腹痛で救急外来を受診しました。急性腹症の疑いがあり,外科のレジデントは白血球,CRPなどをオーダーしていました。その後,レジデントは私の前で症例呈示を始めましたが,彼らの診療チームの結論は,「急性腹症であり開腹が必要」というものでした。彼女は明らかにつらそうでした。

 そこで私はその女性に,こう聴いたのです。「このような症状は以前にもありましたか」と。彼女の答えはこうでした。「先生,実は全く同じ症状が,5年前,7年前,それから12年前にもありました」。この答えが,患者の診断が実は家族性地中海熱だと判明する端緒になったのです。
つまり,診断に結びつく質問を,タイミングよく患者に問いかけることが大切なのです。そうすることで,患者は自ら診断を語ってくれます。
ティアニー その通りです。先ほどの家族性地中海熱の場合でも,医学生はこの疾患が開腹を必要としない腹痛を起こしうることを,知識としては知っています。しかしその知識を臨床の場で生かすためには,手術が必要な腹痛,逆に開腹してはいけない腹痛にはどんな疾患があるか,頭の中で整理しておくことが必要です。