杏林大学呼吸器内科 『あんずの呼吸 part2』

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漢方(Kanpo)がアートだと思った瞬間!

2007年09月27日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです。 

月一回、ツムラの学術のM先生が来てくださり、生薬を絡めたレクチャーをしていただいている。煮出した生薬を飲みながら、、、非常に贅沢な講義だ、といつも思う。今日は当帰芍薬散、加味逍遙散、桂枝茯苓丸についてのレクチャーで、味見は当帰芍薬散、桂枝茯苓丸であった。この血、水、気(補血、駆於血作用、利水作用、気鬱、気逆)に対する絶妙な組み合わせは、本当に良く出来ていると思った。抗菌薬と一緒でそれが効果がなかったときにどう考えるか?何が足りなかったのか?が問題で、やはり生薬の知識は必要になってくるようです。今日は非常に感動して帰ってきました。

ERS Report part IX

2007年09月26日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです。 
ストックホルムでは、とにかく物価が高い。
ちょっと電車に乗っただけで700-800円取られるし、食事も中華を2人で食べて
1万くらい越えてしまいます。社会福祉が充実している代わりに消費税が高いせい
なのかも知れません。高齢者に優しい国だと思っていたら、ところがどっこい
信号が変わるのが早過ぎます。青信号が点燈し始めて6回目で赤になりました。
またいきなり予告なく歩道の信号が赤になるときがあって、小走りの出鼻をくじかれたことがあります。どこが高齢者に優しい国やねん!!と突っ込みを入れたくなりました。写真の右が僕が滞在していたホテルというか、weeklyマンションのようなところ。。。夜が明けたばかりの写真です。朝ごはんが一番充実していた、、朝からサーモン食べてました。

Dog & Cat Bites 再び~2

2007年09月26日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです。 
グラム染色道場の師範様からのペーパーをざっと読んでみました。
ご紹介ありがとうございます。
Bacteriologic analysis of infected dog and cat bites [NEJM 1999;340:85-92]
 http://content.nejm.org/cgi/content/abstract/340/2/85
です。110人の患者をenrollした多施設のprospective studyです。
polymicrobial infectionが6割近くを占めPasteurellaが主要なpathogenとして
大事だと思いました。犬では50%, 猫では75%を占める原因菌となりうるようです。
犬ではPastuerella canis が、猫では Past.multocida subspecies であるmultocida とsepticalがpathogenとしてこのstudyでは多かったです。
次に重要なのはStreptococci, staphylococci, moraxella, corynebacterium, and
neisseria あたりのようです。
*** 一方でブ菌やStrep. pyogenesは犬、猫の感染の原因には比較的なり難いという記載もありました。Staph.aureus was present in 20 percent of dog bites and 4 percent of cat bites, and Strep.pyogenes was present in 12 percent and 0 percent, resptctively.
*** Anaerobeはfusobacterium, bacteroides,porphyromonas, prevotellaあたりが原因とのこと。トラに噛まれた症例が除外されていたのは笑いでした。
 *** Invasive zoonotic pathogen : Capnocytophaga species, W. zoohelcum
が挙げられてました。rareですが、、治療に関してはantistaphylococcal penicillins,  first-generation cephalosporins, clindamycin and erythromycinなどはPasteurellaに対しては効果が弱い可能性があるので第一選択には薦められないようです。AMPC/CVAが第一選択でしょうか、、上記に関してEditorialでは面白いことが書いてありました(以下参照)
http://content.nejm.org/cgi/content/extract/340/2/138

抗菌薬がinfection自体を予防するかどうかはcontroversialであるが、infection
のリスクを下げるというstudyが幾つか出ている。high-risk wounds, such as deep punctures(particularly if inflicted by cats), those that require surgical repair, and those involving the hands.では予防投与を推奨している。では、、、、high-risk woundsとは、、、、BMJの先の論文によると
■***Indications for antimicrobial prophylaxis***
●High risk wounds
*All bite wounds after primary closure
*Puncture wounds
*Bites to hand and wrist
*Crush wounds with devitalized tissue
*Dog bite injuries to the genitals

●High risk patients conditions
*Diabetes mellitus
*Immunosuppression
*Splenectomy, cirrhosis(C canimorsus)
*Postmastectomy
*Rheumatoid arthritis and prosthetic joints
とのこと。

ところで例のCapnocytophagaについてもNEJMには以下の記載が、、
When fever occurs in immunosuppressed patients after a dog bite, the possibility of an infection with Capnocytophaga canimorsus, an invasive organism, should be considered. Capnocytophaga species were recovered from 4.7 percent of the qounds cultured by Talan et al.
その他、頭に浮かべておいた方がよさそうな疾患も述べられている。
Eikenella corrodens (human bite, 例えば、おばあちゃんに甘咬みされている子供)
Bartonella henselae: cat scratch disease,
Francisella tularensis: tularemia),
leptospira species: leptospirosis),
Streptobacillus moniliformis and Spirillum minus : rat-bite fever
なと。

写真は当直中に昔、はも、に噛まれてやってきた職人さんがいましたが、思わず縫っただけで何もしなかったのを思い出しました。歯が鋭くて痛そうです。最近では釣り針が刺さった人が当直で来ましたが、あれは、返し、があるので抜けないので、麻酔して針を押し出して抜きました。



Dog bites  噛みもの系再び・・・・・

2007年09月25日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです  

[BMJ 2007;;334:413-417]に気になるarticleが、、
http://www.bmj.com/cgi/content/short/334/7590/413
です。
clinical pearlだと思ったのは感染徴候が出始めるのがパスツレラの方が
他の原因菌より早いようです。また犬の口腔内にはパスツレラが5割くらいは
存在する、という記載もありました。
Dog bite related infections are polymicrobial, predominantly Pasteurella and Bacteroides spp. Infected bites presenting less than 12 hours after injury are particularly likely to be infected with Pasteurella spp, whereas those presenting more than 24horus after the event are likely to be predominantly infected with staphylococci or anaerobes.
おまけとしてCapnocytophagaもmeningococcusと似たfluminant courseをとる
ものとして紹介されいます。

http://www.uphs.upenn.edu/bugdrug/antibiotic_manual/idsasst05.pdf
にも、Animal bites account for 1% of all emergency department visits, and dog bites are responsible for 80% of such cases. Although Pasteurella
species are the most common isolates, cat and dog bites contain an average of 5 different aerobic and anaerobic bacteria per
wound, often including S. aureus, Bacteroides tectum, and Fusobacterium,
Capnocytophaga, and Porphyromonas species.という考えるべきpathogenの
記載があります。もちろん地域によってはrabiesもはずしてはいけない疾患
でしょうけど、、

ERS Report partVII

2007年09月21日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです

僕のセッションはElectric poster discussionで
cordinatorが順々に回ってdiscussionした後に、
壇上で発表するという形式でしたが、時間切れとなり全員が
結局displayの前でdiscussionしただけで終わってしまいました。
左Kおじさん、右Kanpo-Master

それにしてもストックホルムは寒かった、、また遠かった、、

ERS Report partIII

2007年09月21日 | Kanpo-Master の部屋
  Kanpo-Masterです。
これは僕が朝8時から会場一番乗りで録った写真です。
お題はRadiologyのnodular lesionの鑑別から始まりました。
基本的には以下でも以前紹介したCHESTのpaperと同じ
鑑別方法でnodular lesionを考えていく、という説明でした。

http://blog.goo.ne.jp/23c2230/e/1449d35f8f684e0c86662156b57a5c00
この会場では700人以上が集まり、interacitve sessionの形式で
進んでいきました。

ERS Report part I

2007年09月21日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです。
まずは9/17、学会は9/15からですが、我々は遅れていきました。
あんず医局の「あーいえば、こう言う」評論家(雄弁会会長(会員一人)
;Kおじさん)と巨大な会場でもばったり会いました。
会場までの電車はCentral stationから3つ程の駅にありますが、
景色がなかなか良かったです。乗る場所が最初は全然分からず
面食らいましたが、、
Kおじさんはフランス経由、私Kanpo-Masterはイギリス経由で
現地入りしました。

とにかく会場が大きくてATSを凌ぐかも知れません。
あと、食事がハンバーガーとコーヒーと甘いパンと、、
ワンパターンで飽きます。
写真は何を聞きに行こうか、と相談しているKおじさん。



近藤先生が9/29のNHKのTVに出ます!!

2007年09月21日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです!
先ほどストックホルム→英国経由で帰国しました。
後ほどたっぷりERSレポートします。
先にお知らせです。

土浦協同病院救命救急センター麻酔科の近藤先生が
9月29日 土曜日の午後10時から、NHK総合テレビの
「解体新ショー」という番組で「しゃっくり」について取り上げられ、
解説者で出演されます。

近藤先生はボストンの感染症レクチャーでご一緒させていただいたのですが、
朝からマラソンされていたり非常にエネルギッシュな先生です。
ホテルにねずみ、が出てびっくりして歯ブラシがのどに刺さったとおっしゃってましたが、、

写真はストックホルムのCentral stationへ向かう途中にとった
町の風景です。まだ朝7時半くらい、、、