小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

子どもはやっぱり「イメージ」で算数をする

2016-02-01 21:23:57 | 授業中の攻略法
6年生の算数。
「量と単位」で、体積と重さの関係を考える場面。
授業の出だし、1㎥の模型をドンと子どもに示し、でこう問いました。
「これいっぱいに水を入れたとします。すると、その重さは、琴奨菊より重いでしょうか。軽いでしょうか。」
琴奨菊は、相撲で優勝したばっかりで話題になってたから登場させてもらいました。

挙手で答えさせると、子どもたちは全員
「琴奨菊が重い」
と、
「当たり前じゃん」
とは聞こえませんでしたが、そんな表情がたくさん見えました。

「琴奨菊って何キロですか?」
と聞く子が出てきましたが、
「知りません」
と正直に答えました。
何キロだろうが、重さ対決の結果は明らかだから。

この反応はある程度予想していたし、これがひっくり返る面白さがあるからわざと出だしにこんな問いをしたのですが、まさか全員とは思っていませんでした。
思いつきで
「じゃあ、先生とだったらどうですか?どっちが重い?」
と聞いてみました。
私は縦は高めで横は普通です。
「うーん、微妙」
「先生とだったら、1㎥かも」
「だよね」

このとき思いました。
「子どもは、やっぱりイメージで算数をするもんだなぁ」
もっと具体的に言うと、算数を考える入り口は、やっぱり自分の直感から入るものだということ。
そしてこの場面で言うと、「量をとらえる」という算数に関しては、もろにその傾向が強いんだといこと。

ここまでの授業で、1Lが牛乳パックと同じ量だということも学んでいます。
そして1㎥には、1Lますが1000個も入るんだということも学んでいます。
そのことから考えれば、答えは明らかなはずなのに、やっぱりイメージの方が強いんですね。

この場面では一切の数字は出てきていません。
「1㎥」の具体物と、「琴奨菊」に対するイメージのみです。(途中で私も参加しましたが)
そうなると、子どもは直感に頼ろうとするのでしょう。
自然といえば自然です。
子どもたちの中では、「お相撲さん」っていうのはもんのすごく大きくて、重たーい存在なのでしょう。
1㎥の水ごときに負けるはずがないと。笑
逆に、水なんてこの大きな箱にはいったところで、お相撲さんにかなうはずがないと。

我ながら、なかなかおもしろい導入を作ったなと思いました。笑

この「子どもはイメージで算数をする」ということを、まずは教師側が十分に認識することが必要ですね。
そのうえで、これを「利用する」できるようになりたいものです。
私の今回の導入もそれをした一例と言えるでしょう。
「イメージできる」ということ自体が素晴らしいことですし、頭の柔らかい子どもだからこその特技でしょう。
そしてそのイメージは、実際と合っていることもあるし、間違っていることもある。
合っていることを確かめられたときの安心や喜びもあるし、間違っていたことが分かったときの驚きや感動もある。
それをたっぷり味わわせたいものです。

授業が進むと、すぐに子どもたちはとらえ直しました。

1㎥の水は1000kgもあること。
1tもあること。
琴奨菊はきっとかなり大きいけど、1tあるはずはないこと。

そのときの子どもたちの表情が、最初の「当たり前じゃん」の時と比べて、これまた面白かったです。
答えが意外だったという驚きの表情ではなくて、簡単な問題の当たり前の答えだったのに、間違えた自分たちが意外。
そんな顔をしていました。笑







コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。