湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

浮くの詩パート2

2022-05-16 23:10:38 | オリジナル
共通テーマ「浮く」でZが書いた詩を投稿します。

無重力

やりたくても やれないこと
精一杯脱力した 身体のまま
梅雨があけたら 地元の海に
沈まぬように プカプカ浮かぶこと
大浪 小浪 よせるたび
浮かんだり 沈んだり
塩っぱい水で 真っ赤になった目を 曇天からそらさずに
空行くカラス見つめたままで

いや待てよ 世間とやらを放り出したら
今年の梅雨あけこそ できるかも
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ブレーキの詩パート2

2022-05-15 16:14:29 | オリジナル
共通テーマ「ブレーキ」でAが書いた詩を投稿します。

ジレンマ

右足左足 小刻みに
本当はどっちを
グイッと踏み込みたい

目前の未来を夢みれば
アクセルを
守るべき人を愛すれば
ブレーキを

とても大事な 
誰かと何か
くらべて些末な私

私が私を簡単に捨てて
遠ざかって行く
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ブレーキの詩パート1

2022-05-14 18:48:27 | オリジナル
共通テーマ「ブレーキ」でEが書いた詩を投稿します。

ブレーキ
車にはブレーキがついている
悪いことにアクセルと隣り合って
そこであわて者が
ブレーキと思ってアクセルを踏む
さらなる愚行は
ブレーキと称して
アクセルを踏みつづけること
やめさせるにはどうする
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固い・浮くの詩

2022-05-12 21:01:03 | オリジナル
共通テーマ「硬い/固い」「浮く」でTが書いた詩を投稿します。

それぞれの時間

刈ったばかりの葦は
もう青々と茂って風になびいている
亀が二匹 岩の上で甲羅干しをしている

私の中にある固い種
七十年経っても発芽しない種
私が焼かれて骨になった時
その中にまぎれ出た
気付いた誰かが植木鉢に埋めてくれた
私のいない世界で
芽が出て
私色の大きな花が開いた

川沿いのベンチで束の間まどろんだ
一匹の亀は岩から川の中に滑り降り
浮いたり潜ったりして泳いでいく
私の中で種が転がる音がした
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浮くの詩パート1

2022-05-11 06:55:27 | オリジナル
共通テーマ「浮く」でEが書いた詩を投稿します。

浮ぶ

行く春を近江の人と惜みける
芭蕉の句
教科書にのっていた
一読意味不明
行く春を群馬の人と惜みける
と どう違うのか

作者は湖面に浮ぶ
夕波千鳥をながめやり
ほろび去った大津の古都を
しのんでいるのだろう

俳句は十七文字
鑑賞者に
背景にある膨大な情報を
読みとらせる
詩の字数は句の何増倍

意をつくそうと
文字を重ねれば
重ねるほど 詩情は
遠ざかってゆく
短詩形の国で
詩を書く
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青嵐俳句

2022-05-10 20:30:40 | 文学
夏の季語青嵐(あおあらし/せいらん)で詠みました。

覚めるしかなき閑な夢青嵐
青嵐を追尾して三浦ライド
青嵐羅漢のひとり無表情

3句めは投句して添削を受けたものです。
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硬い/固いの詩パート1

2022-05-08 16:43:50 | オリジナル
共通テーマ「硬い/固い」でEが書いた詩を投稿します。

固い

立っていた
その昔は
固い地面の上に
たまさか揺れることがあっても
それは例外
地中のなまずが目覚めただけ

コペルニクスだったか
誰もたのまないのに
地面は動いていると言いたてた
以来 この地上は
確固たる立場を失って
揺れつづけている

不安でならない
少しでも重くなろうと
オレのものはオレのもの
人のものもオレのものと
ふところに入れたがる
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フリチン俳句

2022-05-06 19:50:06 | 文学

暦の上では昨日から夏。
ということで「虚子選ホトトギス雑詠選集100句鑑[夏]」を読んでいたら、素っ裸の子どもを詠んだこんな俳句を見つけました。
おちんこも欣々然と裸かな 
肩の児のふぐり冷たき裸かな

どちらも作者は相島虚吼、季語は「裸」です。かわいいですね。
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茎立俳句

2022-05-04 19:01:58 | 文学

プランターのサラダ菜がどんどん伸びてます。4月の湘南句会「茎立」の投句から複数の点が入ったものをご紹介。
茎立を請うて夕餉や老二人
茎立ちや旅の荷ほどく暇もなし
茎立の斬首の山や菜の香溢れ
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藤の句

2022-05-03 23:46:21 | 文学
先月末、小田原城址公園の藤が見頃だったので一句。
ゆく春の藤棚に人集い来て

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