湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

固い・浮くの詩

2022-05-12 21:01:03 | オリジナル
共通テーマ「硬い/固い」「浮く」でTが書いた詩を投稿します。

それぞれの時間

刈ったばかりの葦は
もう青々と茂って風になびいている
亀が二匹 岩の上で甲羅干しをしている

私の中にある固い種
七十年経っても発芽しない種
私が焼かれて骨になった時
その中にまぎれ出た
気付いた誰かが植木鉢に埋めてくれた
私のいない世界で
芽が出て
私色の大きな花が開いた

川沿いのベンチで束の間まどろんだ
一匹の亀は岩から川の中に滑り降り
浮いたり潜ったりして泳いでいく
私の中で種が転がる音がした

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 浮くの詩パート1 | トップ | ブレーキの詩パート1 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

オリジナル」カテゴリの最新記事