湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

坂の詩パート1

2021-08-15 23:46:40 | オリジナル
新しい共通テーマ「坂」でAが書いた詩を投稿します。

サドル

休むことなく懸命に漕いでくると
丘の上は蝶が行き交い
遥か下の県道を車が行き交う

下って帰るときは
ペダルから足を離して
ハンドルさえ握っていればいい
後ろに飛んでいく汗が
すっと冷やした額の内側が
恐れを感知した
ミニカーのようだった車たちが
上から見たのと違う速さで
目の前を過ぎて行く

しくじったり謝ったりしながら
生きていた日々で
蝶々のつもりだった自分を
少し恥じながら愛おしんで
地に足をつけた
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湘南文芸9月の予定

2021-08-13 23:09:47 | 

次回の湘南文芸は次の通り決定しました。
テーマ   「砕く」「坂」
作品提出締切 9月10日(金)
合評会    9月13日(月)14:00~@逗子市民交流センター1階
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プレバト‼花火俳句

2021-08-12 21:58:14 | 文学
今日のプレバト俳句は、兼題「花火」で名人特待生の一斉査定スペシャル。

永世名人・東国原英夫のお手本がめでたく掲載決定。
 音なき音や八月の遠花火
終戦やお盆がある八月の、亡き人を偲ぶという本意をしっかり理解している点が評価されました。
「や」で詠嘆することで「音なき音」が死者の声だと分かります。
ちなみに「花火」「八月」は秋の季語です。
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餌の詩パート6

2021-08-10 13:58:43 | オリジナル
共通テーマ「餌」でTが書いた詩を投稿します。

昼下がり

ノウゼンカズラの花が散って
蝶の死骸にアリがむらがっている
2匹はエサを運びはじめている

誰もいない真昼の道を
傾いた夏だけが通り過ぎていく
はりついてしまった自分の影をはがし
集めた言葉をたずさえて
私も巣穴まで運び入れよう
次の季節
言葉は発酵して意図しない詩が書けるかもしれない
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芸術とはなにか

2021-08-09 23:01:50 | 文学
オリンピックもテレビ観戦だったし、新型コロナウイルスのお陰でめっきりテレビっ子。

今日はNHK映像の世紀 選(1)「世界を震わせた芸術家たち」を観ました。

↑動く映像として初めて記録されたトルストイ。
最後に彼の「芸術とはなにか」の一節が引用されていました。
芸術とは、一人の人が意識的に何か外に見えるしるしを使って、自分の味わった気持ちを他の人に伝えて、他の人がその気持ちに感染して、それを感じるようになるという人間の働きだ。
芸術によって、同じ時代の人たちの味わった気持ちも、数千年前に他の人たちが通ってきた気持ちも、伝わるようになる。
芸術は、今生きている私たちに、あらゆる人の気持ちを味わえるようにする。そこに芸術の務めがある。

端的に言い当てているな~。
トルストイといえば、明治39(1906)年に徳富蘆花が会いに行っていますよね。
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星めぐりの歌@閉会式

2021-08-08 23:00:16 | 文学
なんだかんだあったけれど東京オリンピック閉会。式典では「星めぐりの歌」の歌唱が披露されました。

 
時代の激しい移り変わり、東日本の震災を経ての、宮沢賢治ですね。
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季語じゃない兼題「受付」編

2021-08-06 22:15:09 | 文学
昨日の小笠原学園俳句入門の兼題のひとつ「受付」で、講師本選に入ったのはこの句。
受付のサボテン呼び鈴めきてきし(添削後)
「受付」で特選もゲット!
名刺受は冥府の受付夏の墓(直しなし)
 志賀直哉@青山霊園 掃苔の思い出
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破くの詩パート4

2021-08-04 22:47:33 | オリジナル
共通テーマ「破く」でZが書いた詩を投稿します。鷹取の山百合もZの撮影です。

破る

忘れた筈の 埃にまみれた 貴方からの便り
破ってしまわず しまってありました

未練の為か
破る事が出来なかった 遠い夏の日

今でも 何やら心ときめく
貴方からの便り

破れ捨てれなかった
私の未練に想いを寄せて
逝く方眺める 斜陽の日々
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破くの詩パート3

2021-08-03 07:05:47 | オリジナル
共通テーマ「破く」でEが書いた詩を投稿します。

やぶる

紙を両手でやぶる
やぶれたニ片は
毛ばだって
相手をはげしく求めあう
すりよせれば元にもどれるかのように

紙をハサミで切る
切りはなされた両片は
もう一つであったころを
すべて忘れている
思い出しさえしない

神よ あなたは
素手なのですか
それとも
ハサミをお持ちなのですか
…愚か者よ 汝の望みを言え
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餌の詩パート5

2021-08-02 19:09:41 | オリジナル
共通テーマ「餌」でZが書いた詩を投稿します。大船フラワーセンターの睡蓮の写真もZの撮影です。



今日の昼飯 お盆の上にのせるのは
味と言うより 刺激というのが相応しい
唐辛子まみれのタレがかかった 唐揚げに
ちょこんと 添えられた鼻が曲がるほどの
匂いを放つ 青菜

餌というのが 似合っている食い物を
イヤイヤ口いっぱい頬ばると
餌は 忽ち我が身の一部に変わった

そんな 餌に馴染んだお陰で 甘い香りも味も
遠く彼方に 消え失せた
今の私の 舌先は
苦さ 辛さが 旨いと感じる
痺れた舌に なってしまった
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