湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

中里恒子と薔薇

2021-05-17 23:40:05 | 文学
薔薇満開の季節ですね。

終戦直後の逗子で庭の薔薇が野菜に取って代わられたり、庭の主が転居していく様子を描いた中里恒子の「薔薇」のラストシーンをご紹介します。
あの美しい花盛りの園田さんの曾つての庭を思い泛べるとき、外から窺い得ない苦しげな変轉が漸くはっきりしてくるのを覚えるのだが、いずれを見ても今年の花は馬鈴薯に限られている中で、薔薇を咲かせた老夫人の生涯を、私は一つの時代の終りと見るのだった。
庶民が薔薇を育て愛でることができる現代のありがたみを感じてしまいます。

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