湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

地元民と海水浴客

2014-08-11 23:22:33 | 文学
 海、海、海、裸になって思うぞんぶん遊ぶこと以外は念頭にない。衣類は申しわけにつけているものの、すでに逗子の駅に下りた時歩きながら、もう裸も同然な気になっている人びとが興奮した表情で、西瓜をぶらさげ、申し合わせたようにボストン・バッグ、ビニールの袋、水筒、などを手にぞくぞくと海岸へ行く道を歩いて行く。
 あたくしの家から海岸へは六分位かかるが、それでも海辺の喧騒、町の雑踏の空気が、風に乗って流れてくる。それは、いかにも活気に満ちた空気だった。
 あたくしの知人たちは、あたくし同様、もう海辺に住み馴れて十年も二十年も暮しているのだが、そして殆どは夏の喧騒にへきえきしているのだが―それでも、海辺の興奮をきゝ、生の歓喜のような叫びが耳につくと、思わず釣り込まれて
「海辺の景気を見てこようか……」などと言い出す。
 (中里恒子「海のわかれ」より)

住んでる人は正直、海水浴場・海水浴客に対して距離を置いています。
脳内が完璧レジャーモード、あるいはそれ以上に邪悪な妄想でいっぱいそうなお客さまには眉をひそめてしまいます。
ですけど今日は私も東京から逗子に来てくれた友人に付き合って、海辺の景気を見に普段あまり下りて行かない逗子海岸へ。
今年はガードとパトロールがしっかりしていて、お客さまはいつもより少なめ。
シート敷いてこんなアングルから海を見ていたら、居眠りしちゃいました。


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