青の詩パート1

共通テーマ「青」でTが書いた詩を投稿します。

恋

朱色の透明なガラス箱の中
あなたが六年過ごした街はあった
そばにいてもいつまでも遠いあなたを
そんな回り道をしてわかろうとした
私の中まで朱が染み透っていく

青い闇の色に変わるガラス箱
あなたの想い人がこの街にいることを知った
彼女は首をたてに振らないのだ　ということも
街は凍り付きガラスに亀裂が入る
　私のほうに引き寄せてやる　決めると
突然　ガラスが砕け散る

欠片を振り払い傷つきながら
私は街を走り抜けた