今月の湘南句会の季題「時雨」は、江戸時代から多く詠まれてきました。
芭蕉忌の傍題に「時雨忌」があるように、芭蕉も好んで使った季語です。
旅人と我名よばれん初しぐれ
初時雨猿も小蓑を欲しげなり
笠もなきわれを時雨るるかこは何と
現代の私たちが時雨を詠んだら、こんな作品になりました。得点順にご紹介します。
一隅の明るき空や初時雨
天窓をたたく時雨やショパン弾く
杯を伏せ時雨の音を聞きにけり
老妻の眠りさまさぬ時雨かな
万歳の絶叫マシン横時雨
隔週の空瓶回収朝時雨
初時雨迎えの親ら傘二本
月時雨陋屋に一人居残れり
人知れず時雨待つ傘新しき