共通テーマ「黙る」でZが書いた詩を投稿します。
木になりたい 無言館を凝視して
八月中旬 夜明けのテレビ
映った 戦没画学生の作品
恋人 おばあさん 故郷
いくつものいとおしいもの
逝ってしまった人々は黙っているけど
いとおしいものの油絵は
鋭き矢じりとなって
私のこめかみに突き刺さった
八月中旬 墓参り
よみがえる オヤジ
「お父さん 今度生まれたら何になりたいの」
長い沈黙を経て
「そうだな 木になりたいな」
「どうして 黙って直立している 木になりたいの」
と聞き返すことはできなかった。
その時 生き残ったオヤジが背負っている
深い傷を覗いた気がした。
木になりたい 無言館を凝視して
八月中旬 夜明けのテレビ
映った 戦没画学生の作品
恋人 おばあさん 故郷
いくつものいとおしいもの
逝ってしまった人々は黙っているけど
いとおしいものの油絵は
鋭き矢じりとなって
私のこめかみに突き刺さった
八月中旬 墓参り
よみがえる オヤジ
「お父さん 今度生まれたら何になりたいの」
長い沈黙を経て
「そうだな 木になりたいな」
「どうして 黙って直立している 木になりたいの」
と聞き返すことはできなかった。
その時 生き残ったオヤジが背負っている
深い傷を覗いた気がした。