湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

ガラスの詩パート1

2022-08-01 18:52:11 | オリジナル
共通テーマ「ガラス」でAが書いた詩を投稿します。

底なし沼のほとり

あなたがときめいたような顔をしている時
わたしはあくびで心の窓ガラスを曇らせ
退屈な顔でうつむいている

恋する人の
情緒の昂ぶりと落ち込みは酷い
うわつきうわずる様はおぞましい
取り乱しはこの上ない痴態だ
だから恋の話が死ぬほど苦手
あなたの胸の中の琴線に
その話のなにが触れるのか

恋していた自分の
昂ぶりと落ち込み
うわつきとうわずり
狂ったような取り乱し
自分の自分でなさを
恋情に距離をおいた暮らしが
どんなに退屈だろうが
窓の外の別宇宙にしておかないと
底なし沼にはまって
恥の足枷の重みで
浮かび上がってこなくなる

底なし沼のほとりが
どんなに退屈だろうが
コメント
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