湘南文芸TAK

逗子でフツーに暮らし詩を書いています。オリジナルの詩と地域と文学についてほぼ毎日アップ。現代詩を書くメンバー募集中。

宿るの詩パート3

2020-11-19 18:25:07 | オリジナル
共通テーマ「宿る」でAが書いた詩を投稿します。

不死の死人

室内の腐臭に囚われているのか
窓という窓を開け放つが出て行かず
一匹の蝿が棲み付いている
床下に何かが埋まっている
街には破片が埋まっている
時だけが窓から流れ出ていく

帰る場所を失い続けるのは
もう飽きたとでも言いたげに
蝿と私は行き止まって留まって
最後まで不全でいてここに隠れて
殺虫剤を噴霧した人間の
毒の向こうのおぼろな形を忘れない


「宿る」「境」の詩の提出締切は11月21日です。
コメント
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