自由題でKが書いた詩を投稿します。この作品も4月2日(日)12:00~(雨天の場合4月3日14:00~)の合評会で取り上げます。
地獄から出る
「この地獄からでたいんだ!」
「さあ おもてに行こう!」
父の顔は、こわばり高揚している
震えながら立ち上がる体
かすかなせっけんのにおいがする
ここは不自由のない場所
身がちじむ寒さもなく
梅雨のけだるさもなく
体調に合う食事がある
人が10人並べる窓硝子の向こうに
海が果てしなく広がる
父は車椅子を細かく這うように進め
エレベーターの前でかばんを持ち
私を呼ぶ
「はやく出よう!」
「どこに行かれますか?」
地獄の番人が問う
父は車椅子を降り不自由になる
湿度の違いで体調不良にもなる
介護者の補助もない 自由だ
父は上機嫌になった
地獄から出る
「この地獄からでたいんだ!」
「さあ おもてに行こう!」
父の顔は、こわばり高揚している
震えながら立ち上がる体
かすかなせっけんのにおいがする
ここは不自由のない場所
身がちじむ寒さもなく
梅雨のけだるさもなく
体調に合う食事がある
人が10人並べる窓硝子の向こうに
海が果てしなく広がる
父は車椅子を細かく這うように進め
エレベーターの前でかばんを持ち
私を呼ぶ
「はやく出よう!」
「どこに行かれますか?」
地獄の番人が問う
父は車椅子を降り不自由になる
湿度の違いで体調不良にもなる
介護者の補助もない 自由だ
父は上機嫌になった