8月1日、長田神社へ。
阪神・淡路大震災のあった1995年を除いて、毎年8月1日に開かれ今年で35回目になる「神戸薪能」です。私は初めての鑑賞でした。
係りの方が一番前の席は避けたほうがいいですよと案内してくれる。
若い女性、外国人の方もちらほら。やはり平均年齢は高そうです。
観客は約800名とのことでした。
午後6時半の開演時はまだ明るく、境内の大きなクスノキにはセミの声。
台風前の蒸し暑さが残っていた昨日までと違って、舞台の上のしめ縄と四手(しで)を揺らす心地よい風が吹いています。
仕舞3題と狂言「土筆」のあと火入れ式。
大太鼓の音とともにセミの声がピタッと止みました。
ほどよい風のおかげで、乾ききった薪がパチパチとはぜます。
能は「敦盛」。我が子と同じ、16歳の敦盛を討ったことに無情を感じ、出家して蓮生を名乗った熊谷直実の話です。
舞台はここ神戸須磨の地ですし、舞うのは敦盛の亡霊ですからこの時期、この地にピッタリです。
まあ、相変わらず言葉はさっぱり判りません。あらかじめ読んでいたストーリーで場面を判断します。
葉のそよぐ音、薪のはぜる音、笛・大鼓・小鼓・地謡の音声、衣擦れの音、雰囲気を大いに楽しめた薪能でした。