大丸ミュージアムKOBEで、
サン=テグジュペリの星の王子展を見てきました(会期は7/30まで)。
子どもはもちろん、昔子どもだった大人が楽しめる展示になっていました。
ウワバミの中のゾウが見られたり、箱の中のヒツジがのぞけたり、空飛ぶ渡り鳥を結んだ綱を持った(気になれた)り、いろいろ工夫されていました。
ほとんど、散逸してしまった絵本の原画のうち、日本で見つかったものも展示されていました。
日本で公演されたミュージカル・星の王子さまで使われた衣装や、岸田今日子さんが王子のアテレコをしている短いフィルムも見られます。
星の王子さまの作者、
サン=テグジュペリは1990年、フランス・リヨン生まれ。1943年、亡命先のニューヨークで、この本は出版され、翌1944年、偵察飛行中に行方不明になりました。
昨年、無くしたと思っていた1967年発行の
内藤 濯訳『星の王子さま』(岩波少年文庫)と、同じころに出た、フランス・ガリマール社の4色刷りの本がベランダの物置から出てきました。
今回、2005年に何種類か発行された新訳の中から、フランス在住の作家、
池澤夏樹さんの本を買って、並べて読んでみました。
ともに名訳なのですが、内藤さんが考えたという「星の王子さま」というタイトルも含めて、内藤さんの文体、翻訳が全く古さを感じさせません。
今の時代にも十分通用する警告を含んでいながら、夢や人のあたたかさを味わえます。
まさに、
子どもと大人が肩を並べて読む童話です。
落語界の星の王子さまは大分、お年を召しました。
ハンカチ王子もハニカミ王子も早晩、むさくるしい中年男になるでしょう。
サン=テグジュペリがこの世に送り出した
星の王子さまはいつまでも年をとりません。