昨日(12/27)のNHKドキュメンタリー、事件の涙は「”闇サイト殺人事件”の10年」でした。
つい先日、この事件について書かれたノンフィクション「いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件」を読んだところだった私は、事件後10年経った上だとしても、映像を観て「これでは、きれいにまとめ過ぎている」と・・・、少し違和感を感じました。
2007年の真夏に起きたこの事件は、読み始めてすぐ、もう読むのは止めようかと思うほど凄惨でした。
実際、事件のことはよく覚えています。
「闇の職業安定所」というインターネットサイトで知り合った悪(わる)3人はその日をしのぐだけの現金を得るために無計画に犯罪を画策しては失敗、次の獲物を捜してクルマを走らせます。
たまたまその晩、家まで100mまで帰りついた道で、父親を生後すぐ病気で亡くし、母親の手一つで31歳まで育てられた女性が悪魔たちの牙にかかります。
3人のうちの1人が死刑になるのを恐れて、自首したことで事件は明るみに出ます。
キャッシュカードを奪った犯人たちは暗証番号を聞き出そうと執拗に彼女を痛めつけます。
顔をガムテープでぐるぐる巻きにし、返り血を浴びるのが怖くてレジ袋をかぶせて頭にハンマーを40数回打ち下ろします。
彼女は「2960」と口にします。
2960は暗証番号ではありませんでした。
後に、囲碁を通じて知り合ったばかりの年下の恋人がこの数字の謎を解きます。
母親に家を買ってあげたいと貯めたお金は無事母親に残されました。
でも、これから巡ってくるだろう、幸せな未来は残されなかったのです。
闇の世界を狭め、無秩序に繁殖し続ける悪の芽を摘む手立てはないのでしょうか。