年中行事11月・五節(ごせち)の概略
五節舞、五節の舞(ごせちのまい)とは、大嘗祭や新嘗祭に行われる豊明節会で、大歌所の別当が歌う大歌に合わせて舞われる、舞姫は、公卿の娘2人、受領・殿上人の娘2人という風に選ばれ、選ばれた家は名誉であった。また、女御が選ばれることもあった。
時に雪の降る日もあり、山里ではいよいよ人の訪れもなく、寂しくなる時でもある。
選ばれた舞姫は練習に明け暮れ、新嘗祭の前々日である丑の日の夜に宮中へ参上、直に、「帳台試(ちょうだいのこころみ)」と称して常寧殿にて天皇に練習を披露、前日の寅の日に「御前試(おんまえのこころみ)」と称して清涼殿にて天皇に練習を披露、当日の卯の日に「童女御覧(わらわごらん)」と称して舞姫に付き従う童女を清涼殿にて天皇が御覧になるなど、天皇自身からの試験も厳しかった。
この舞は、天武天皇の時代、吉野に天女が現れて舞ったとの伝説に依拠している。五度、袖を振って舞う。袖を振るのは呪術的であり、新嘗祭の前日に行われる鎮魂祭とも同じ意味があると考えられる。
次回から詳しくみていきます。