永子の窓

趣味の世界

源氏物語を読んできて(屯食)

2009年06月27日 | Weblog
 屯食(とんじき)というのは、甑(こしき)で蒸した強飯を握り固めて卵形にし、折敷に載せたものです。宮中や貴族の宴会において庭に用意され、下人らに振舞われました。いずれも主催者または後援者が非常に力を入れた盛大な儀式である点が注意されます。

 食膳が庭に用意されるということは、取りも直さず身分の低い者は建物の中には上がれないことを意味しており、この時代のはっきりとした身分秩序が感じられますが、下人の食膳のことまで書き記すというのは、宴の主催者の行き届いた配慮や、身分の高い者も低い者も残らず列席した宴の盛大さを表現しているのかもしれません。

 そして80という数は、40の倍数で揃えたものです。

◆参考・写真 風俗博物館

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