永子の窓

趣味の世界

源氏物語を読んできて(僧の社会②)

2009年12月28日 | Weblog
僧の社会(2)
 
 僧正、僧都などは、学徳や修業の優れた者を各宗門から推挙するが、決定は太政官なので、自然に高官貴族との縁の深い者は有利で、貴族の加持・祈祷に呼ばれたり、朝廷や摂関家の法会の役僧に任命されたりするのを、最も名誉とするようになった。藤原道長に追従して、政敵の定子皇后御産の祈祷を、仮病をつかって断った高僧もいたという。

 霊験のあらたかな僧は権門が競って招聘し、お布施には、米、絹、法衣をはずんだので、僧は物欲強く、仲間同士の競争も激しかった。ある権門の法事の導師になりそこねた僧正の弟子たちが、相手のところに乱入する事件も記録にあり、陰湿なところもあったようだ。  ◆参考『源氏物語手鏡』より

◆写真:僧侶鈍(純)色五條袈裟姿
 鈍色は平安時代に創案された無紋単の白の法衣で、衣服令の礼服(らいふく)に近い袍裳(ほうも)は、位階に応ずる当色であったが仏教が日本古俗に融合し日本仏教を成立させる時、神道的行事にふさわしいものとしてつくられた。風俗博物館より。


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