永子の窓

趣味の世界

蜻蛉日記を読んできて(167)

2017年02月10日 | Weblog
蜻蛉日記  下巻 (167) 2017.2.10

天延元年(973年) 
兼家   46歳
作者   38歳
道綱   20歳

「さて年暮れはてぬれば、例のこととてののしり明かして、三四日にもなりにためれど、ここにはあらたまれる心ちもせず、鶯ばかりぞいつしか音したるをあはれと聞く。」

◆◆さて、この年も暮れてしまったので、年末には例年の通りのことをして、あれこれ大騒ぎして大晦日の夜を明かし、一月も三、四にもなったようですが、私の家では新年を迎えたような気もせず、鶯がいつの間にか訪れてきたのを、しみじみと感慨深く聞くのでした。◆◆



「五日のばかりのほどに昼見え、又十よ日、廿日ばかりに人ねくたれたるほど見え、この月ぞすこしあやしと見えたる。このころ司召しとて、れいの暇なげにののしるめり。」

◆◆五日になって、あの人が昼間に見え、また、十日すぎに訪れ、二十日ほどには、皆寝入った頃に訪れて、この月はすこし妙だと思えるくらいに姿を見せたのでした。このごろ司召しということで、例のように暇もなさそうに騒いでいるようでした。◆◆



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