ふろむ播州山麓

旧住居の京都山麓から、新居の播州山麓に、ブログ名を変更しました。タイトルだけはたびたび変化しています……

雀と蝉の叫び

2010-08-08 | Weblog
 近ごろ、クマゼミがシャワシャワワ~ンとうるさく鳴く大声が、気になって仕方がない。宇治の京都文教大学に行ったところ、ケヤキの多い学校ですが、クマゼミの大合唱。彼らを意識し出したのは、7月の下旬でした。数も多いからうるさいのだが、1匹ずつの鳴き声が他所よりも大きい。文教大では、どれもこれもが大声で叫んでいる。
 それ以降、セミが気になり出し特に鳴き声には日々、注意している。観察?していると、どうも単独、1匹で木にとまっていると、また回りに同類が少ないと、クマゼミの鳴き声は小さい。
 どうして密集していると叫ぶような大声になるのでしょう? あれこれ推理してみました。たぶん、ライバルに負けまい、この思いから蝉人口密度の高いところでは、大声で泣き叫ぶのではないか。異性に対し、元気で丈夫な自分をアピールしなければならない。弱弱しく鳴いていたのでは、彼女は振り向いてもくれない。
 特に今年、京都地方で大発生している騒がしいクマゼミです。市役所前の御池通りを車で通ると、両側のケヤキ並木からはクマゼミの大合唱が延々と続く。
 アブラゼミもニイニイゼミも、近ごろでは影がうすい。クマゼミが昼前に鳴き疲れてか、11時ころから静かになると、小型のセミたちは静かに鳴き出す。

 セミの声の大小に興味をもったのは、ラジオで聞いた「鳥の鳴き声には、方言があるのか?」という興味深い話しからです。
 たとえばコマドリ。大台ケ原にたくさん棲んでいるそうですが、ここでは大勢のライバルに負けまいと、全員が切磋琢磨。異性にアピールするための鳴き声がだんだん上手になる。もしも全国コンクールをやれば、ここのコマドリたちが、たくさんの大賞や特別賞などを独占しそうです。涙ぐましい練習の成果ですね。

 そして雀。東京のスズメは大声で叫び、田舎のスズメはチュンチュンとさえずっているそうです。騒音の激しい大都会では、小さな鳴き声では幼い子どもや、伴侶、仲間たちとコミュニケーションがとれない。子どもは「腹減った!エサくれ!餌くれ!」と大声を出さないと親も気づかない。
 東京の大都会化の歴史を100年とすると雀2年1世代として、もうすでに50世代のスズメが生きてきたことになる。控えめな小声のスズメたちは、淘汰されてしまったようです。どこの世界でも、声のでかいのが生き残るようです。

 人間のいう方言とは異なりますが、虫も鳥も、それぞれの土地で精一杯、それぞれの声できばって生きています。なお「鳥の方言」は、NHKラジオ第1放送「夏休み子ども科学電話相談」で聞きました。幼稚園児から小学6年生まで、意表を突く素朴な質問に、各専門家が答える。むずかしい言葉は極力控えて解説されるのだが、大人と子ども、ふたりの丁々発止のやりとりがほほえましい。夏休み期間中の毎朝放送だが、高校野球甲子園大会中は中断。再開が待ち遠しい。
<2010年8月8日>
コメント (6)    この記事についてブログを書く
« 電子書籍元年2010 №7 「我... | トップ | 電子書籍元年2010 №8 世界... »
最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
コメント (こうの)
2010-08-08 09:33:06
虫や鳥の鳴き方にも 環境で差があるものなのですね。
僕の田舎の雀は相当のんびりしてそうです。

人間の方言ももともとは環境によるものが大きいかもしれません。暑い 寒い 人が多い ~ とか。

江戸でのんびり小さな声で話してたらおいていかれそう。



返信する
こうのさま (かたせ)
2010-08-08 10:10:23
滋賀県湖北の比良に行きましたら、午前中なのにクマゼミが鳴いていません。
地元の高島町の方に聞きました。
「クマゼミはいません。アブラゼミがいちばんで、あとはミンミン・ニイニイ。朝夕はヒグラシ。もうすぐツクツクホーシ。」
暑さを好むクマゼミです。
湖北も昼中の気温は、京都とほぼ同じ。
もしかしたら冬に降雪期間の長いところが、土中の幼虫には耐えられぬのかも?
そのような結論話になりました。
セミ・スズメ、身近な生き物ですが、わからないことが多いようです。
返信する
セミ (信楽狸)
2010-08-10 17:26:56
いつも拝見しております。
このブログ、若冲で検索するとかなり上位にランクされているようですが、それ以外にも興味深い話題満載で、いつも楽しんでおります。
コメントもおもしろく片瀬様に負けず劣らず、マニアック・・・いやいや個性的な方と想像を膨らましてます。
セミもうるさいかもしれませんが、せみからしたら人間が一番うるさいのかもしれません。
また、ご連絡させて頂きます。
返信する
たぬきさま (かたせ)
2010-08-10 23:05:31
お便り、ありがとうございます。
つまらぬ文ばかり書いていますと、
ときどき、あるいは度々「わたしは一体、何をしているの?」
そのような、むなしさにおそわれます。
ブログとは? ブログを書き続けるとは?
何なのでしょう?
コメント、励みになりました。
有難うございます。


返信する
悲しいですよ (眞理子さん)
2010-08-11 17:45:09
今朝、公園でお墓を作ってあげなければならない蝉さんがいっぱい。
蝉さんが泣くと、一層暑さを感じるものですが...
一生懸命泣いて、短い命ははかないですね。
返信する
眞理子さま (かたせ)
2010-08-11 18:26:05
眞理子さんは、本当にやさしい方ですね。
命はすべて同じ、平等ですよね。
セミは短命ですが、土のなかでほぼ7年、
子ども時代を過ごしているそうですね。
土から出てきて、わずかの日といいますが、
クマゼミはどうも、1ヶ月くらいは生きているようです。
わたしなど、ずっと子ども状態…。
土からいまだに出ていません。
数十年、大人になりませんよ。
少し、悲しいです(微笑)
返信する

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事