文明開化とともにたくさんの英語辞書が発行されました。明治初期に「HAPPINESS」がどう訳されるか、変化をみてみます。やはり幕末同様にまず「さいわい」からはじまり、次に幸福の字が使われ出しますが、読みは「さいわい」が多い。そして10年代後半から「こうふく」と振カナが確認できます。
1871年(明治4年)『浅解英和辞林』内田晋斎編<ラク・タノシミ・サイハヒ・アンラク>
1872年(明治5年)『英和対訳辞書』荒井郁之助 <幸ヒ>
1873年(明治6年)『附音挿図 英和字彙』 <幸福(サイハヒ)>
『英和掌中字典』 青木輔清 著 <サイハヒ・カウウン>
1876年(明治9年)『AN ENGLISH-JAPANESE DICTIONARY』 ERNEST MASON SATOW&ISHIBASHI MASAKATA <tanoshimi,ureshii koto> ※1979年2版も同文。
1884年(明治17年)『明治 英和字典』 尺 振八譯 <幸・幸・・吉> ※読み不明。
1885年(明治18年)『学校用英和字典』 小山篤叙 編 <幸> ※読み不明。
1886年(明治19年)『英和雙解字典』棚橋一郎 再版 <幸(カウフク)・(フクシヤウ)>
『龢譯英文熟語叢』斎藤恒太郎纂述 <> ※龢は和
『新撰英和字典』井波他次郎 他編 <・幸>
1888年(明治21年)『附音挿図 和譯英字彙』 曲直愛校訂 島田豊纂譯 <幸・幸・吉・福祉・好運> ※読み不明。祉は示偏。
1888年(明治21年)『和譯字彙』 F.Eastlake 棚橋一郎 共譯 <幸・吉・好運>
<2012年11月3日 南浦邦仁>
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