若冲連載を、突然はじめたものですから、「片瀬五郎の京都から」を愛読してくださる友人仲間から、声があれこれ届きました。
「なぜ突然、若冲なの?」
「相国寺での若冲展や、国立近代博物館でのプライスコレクションで絵はみましたが、若冲のことなどほとんど知りません」
「若冲のことを知りたいので、入門編のおすすめ本を紹介してください」…
江戸時代の画家・伊藤若冲のことは、縁あって一昨年の夏から一年近いあいだ、本気になって調べてみました。ムキになるのがわたしの性分なので理解いただきたいのですが、まったく新しい発見も結構ありました。
それらは宇治の萬福寺発行の年報『黄檗文華』2007年号に、「若冲逸話」と題して発表しました。片瀬ではなく、別名での掲載です。実名・ペンネーム、どれも同じです。
このときの文章をリライトしたのが、今回の連載です。『黄檗文華』では、第一部が「若冲五百羅漢」、第二部「若冲天井画」。そして三部が「若冲と相国寺・萬福寺」。このような三部構成になっていました。
今回の連載「若冲天井画」のあと、「若冲五百羅漢」に戻り、そして「相国寺・萬福寺」で終える。そのような構想です。
ところで若冲についての本ですが、あまりにもたくさん出版されています。入門書としては、今年1月に新潮社から出た『異能の画家 伊藤若冲』をおすすめします。著者は狩野博幸・森村泰昌ほか。トンボの本ですが定価1470円(税込み)
もっと詳しく知りたい方には、国立京都博物館編『伊藤若冲大全』がいいかと思います。小学館発行、定価39900円。高額本ですので図書館利用をおすすめします。
ということで、来週よりまた「若冲天井画」を続けます。
<2008年7月7日七夕 南浦邦仁記>