ふろむ播州山麓

旧住居の京都山麓から、新居の播州山麓に、ブログ名を変更しました。タイトルだけはたびたび変化しています……

青い花

2012-07-03 | Weblog
 姫路のローズガーデンを訪れました。ちょうど1か月前のことですが、女性3人をお連れしました。みなさんは「とても素敵なバラ園だそうで、一度行ってみたい」。わたしも初訪ですが、豊富町のネスレ工場の近くです。
 入場料はひとり500円ですが、私設植物園にしたら立派なものです。バラの花は800種、3500株もあります。わたしは単独でまず園内を一巡しました。そして見渡しても仲間が見当たらない。トイレかな、と思って探しましたら、全員がショップで物色しておられる。花の見学も二の次に、ずっとショップにいたそうです。これこそ「花よりショッピング」でしょうね。
 「青いバラの花をみたことがありますか?」と聞いてみましたら、「そんなバラがあるわけがない!」。3人そろってわたしをバカにされる。そこで困ったときのスマートフォン。検索一発で画像も出ます(w
 サントリーが14年の歳月をかけて開発した幻想の青いバラ。「ブルー・ローズ・アプローズ」という名だそうです。アプローズは喝采の意味。バラには青色色素をつくるための遺伝子がない。サントリーは試行錯誤の末、パンジーの青色遺伝子を使って、世界ではじめて青いバラを誕生させました。
 この開発過程で青いカーネーションも生まれています。「ムーン・ダスト」ですが、南米の2000メートル超の高地で生産し空輸しているそうです。これはペチュニアの青色色素をつくる遺伝子を、カーネーションに組み込んだもの。

 ところで先日、沖縄に旅して来ました。不在の間心配だったのが、残してきた愛犬と青アジサイの切り花。愛犬のんちゃんは近所の友人が預かってくださりあまり心配しなくてもよかったのですが、妖しいほど青い大輪アジサイが気になりました。
 アジサイ3輪は近所の家に咲いている大きな株から、切り花を3本いただいたものです。見事な青色大輪なのでほめちぎりましたら、「花を楽しみ、後は挿し木にして育ててください」。それで3本プレゼントされました。
 旅行で京都を留守にするため、アジサイの花は切って、茎は土に植えました。食器棚を探すと青色ガラスの大きな鉢が出てきました。これにアジサイ3輪とベランダで咲きぞめたばかりのキキョウの花1輪を、器に水を張って浮かべました。青ガラスに絶妙にマッチし、妖しい雰囲気をかもしたのには驚きです。
 心配していたこの花4輪ですが、帰宅しても生き生きと水上花。花の留守番とは小粋ですが、切られた花も水に親しむと、実に強いものですね。

 さて自宅の青花から、サントリーのブルーローズ・アプローズを思い出してしまいました。切り花が市販されていますが通販はなく、代理店でのみ販売しているそうです。京都市内では2軒の花屋さんが扱っておられる。電話で「青いバラはおいくらですか?」。すると「1本3000円+税です。もうシーズンオフが近づいていますから、あと一便入るかどうか…」。当方は「……」
 見事に青いアジサイとキキョウで我慢しよう。遺伝子操作で人為的につくった造花より、ナチュラルで平凡で安価な花こそ美しい。そのように自分に言い聞かせたのですが、やはりいつも欲どうしい。
 「アプローズを1本だけ買って挿し木にしてみたらどうだろう?」。しかし調べてみると、花はパテントで保護されており、勝手に増殖すると犯罪になるという。
 脱法ハーブはまずいけど、「脱法ローズ」を日蔭もののように育てるというのも、ひそやかな楽しみである。しかし発根するのかしら。サントリーは防御処理を施しているのではないか? もし根が出なければ、1本3千円は痛い。
<2012年7月3日>
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