ふろむ播州山麓

旧住居の京都山麓から、新居の播州山麓に、ブログ名を変更しました。タイトルだけはたびたび変化しています……

万歳(ばんざい) №3

2009-08-02 | Weblog
 万歳・萬歳はいまでは「ばんざい」ですが、もともとの読みは「ばんぜい」「ばんせい」
 788年、桓武天皇の祈祷で降雨があった。そこで群臣がみな、万歳をとなえたという記録があるそうです<『続日本紀』>
 古来、天皇の即位式や慶賀に「万歳」(ばんぜい)の文字を記した旗「万歳旛」が用いられ、雅楽「万歳楽」が演じられました。天皇の長寿を予祝するためです。なお「万歳楽」の読みですが、まんざいらく、まんさいらく、ばんざいらく、ばんぜいらく…。いろいろありますが、祝福芸能では「まんざい」というようです。その後、三河万歳、大和万歳などに発展し、昭和8年には漫才という新語が吉本興業によって作られました。

 その後、万歳(ばんぜい)は、君主や貴人の長久の繁栄をことほぎ願うことをいう。さらに転じて、庶民も一般に、正月や目出たいことを祝う言葉になる。400年ほどの昔、イエズス会の宣教師たちによって編纂出版された『日葡辞書』では、「千秋万歳」を「せんしゅうばんぜい」と読み、日本人が正月やその他の目出たいときに、挨拶としていう言葉。「あなたは何千年も生きる」。長久を予祝する言葉として使ったとあります。
 その後おそらく明治時代に、どうも叫び声にまでなったようです。

 明治5年(1872)9月12日、京浜間の鉄道開行式での祝辞の最後に「君万歳、君万歳」
 同11年11月9日、北陸からの還幸の記事に、「百万の民戸、国旗を掲げ、万歳を奏す」。いずれも「ばんぜい」なのか「ばんざい」「ばんせい」なのか不明です。
 「ばんざい」と読んだ最初といわれているのは、明治22年2月11日。帝国憲法発布の式典が挙式された。青山練兵場での観兵式に向かう天皇の馬車に、大学生たちが「万歳」(ばんざい)を高唱したことにはじまるそうです。
 明治30年の第11回帝国議会解散のとき、議長が天皇の詔勅を読みあげた際、議場内に「拍手起こり、万歳と呼ぶものあり」と記されています。
 今回の衆議院解散での万歳三唱のルーツは、おそらくここにはじまるのでしょう。ひとつには明治以来の天皇に向けた万歳。また自らと自己の所属する政党の勝利を予祝する願い。他党や政敵に向けてのエールでは、決してないように感じました。
<2009年8月2日 近ごろ少し書きすぎています。反省しきり…>
コメント