今年の競輪の記念以上の開催を見ていると、何やら、経営的に厳しいというところほど成績がいいようにも感じるが。
２月に４日間制の分離開催としては最後の開催となった「東西王座戦」だが、「西」の奈良は、初のビッグ開催に加え、火曜決勝という厳しい日程ながらも目標の１３０億円に対し、約１３５億円を売上げた。
この背景には、田仲場長が全国の競輪場をくまなく回り、頭を下げまわって知名度的に低いこの大会のＰＲを大会直前まで行ったことが功を奏したとか。
続く「東」の伊東温泉に至っては、１２０億円の目標に対して、何とこちらも約１３５億円と「万々歳」の数字。
そういえば２月に全協労のパネラーとして熱海に行った際にも、場所的なこともあったんだろうけど、
「お願いします！」
といわれて伊東温泉の関係者からクオカードをもらったことを思い出す。
まぁ、奈良は今もそこそこ頑張っている（はず）んで心配してない？んだけど、伊東温泉については今にでも「吹っ飛びかねない」状況だからねぇ。東王座戦の場合、「成功して当たり前。失敗したらもうお終い。」といった決意みたいなものがヒシヒシと感じられた。よく頑張った。
よく頑張ったといえばやはり観音寺。
前にも書いたけど、昨年の記念においては、近畿地区の競輪場から嫌がらせとしか思えない「仕打ち」を受け、今どきの記念の売上げとしては屈辱的な数字というしかない５７億円と大惨敗を喫してしまったからねぇ。
ところが今年の記念では、目標の８０億円を６億超も上回る「大盛況」ぶり。記念開催直前には、
「自場開催は４０日以下！」
を掲げ、競輪の抜本的な変革を訴えるビックリ発言を行ったことでも「有名」となった。
日本選手権を過去８回も開催している、「名門」の千葉も昨今はひどく廃れている様相で気にはなっていたが、目標の９０億に対して９５億を売り上げた。やはり千葉も、
「このままでは本当に危ない」
という危機感を持っていたからこそ、何と１００億を目標としていた京王閣を上回る節間売上げを記録したんだと思う。そしてただいま開催中の防府・ふるさとダービー。
Ｔ社長日記にこんな記述が。
防府ふるさとダービーの初日は木曜の平日なのに場内は関係者の努力で、平日ＦⅡの３倍、なんと2000人を越す大入り。文化の日・土曜・日曜の３連休にどれだけのファンが集まるのか楽しみに。売上も共同杯の初日より２億プラス、この分では140億近くまでは行きそうで、施行者も一安心。番組は初日もですが、難関の二次予選もスター選手の心理、そして性格、実力・人気を考えた見事なもの、決まるか決まらないかは別にして、２車単の軸がしっかりしてるので売上はアップするのでは。
掲示板でも書いたが、今年行われた岐阜の共同通信社杯の売上げ構成はこうだった。
初日 ２３．６
２日 ２９．５
３日 ３７．４
４日 ４５．８
で累計１３６．２
ちなみに２日間を終えてのふるさと防府の数字は、
初日 ２５．３
２日 ３３．８
だから、少なくとも３日目は３０、最終日を４５と置いても１３４億。
目標にはこの数字でも達しない（目標は１４０億）が、日程繰りの問題があるとはいえ、今年の過去２回のふるさとダービーは、小松島が125.6億（目標は達成）、富山が111.3億だからねぇ・・・
だからこの防府大会には「ふるさとダービー復活」の意味合いも込められている。だって元はといえば、ふるさとダービーって、地方競輪場活性化を促すべく誕生したものだから、それが今や記念をやってたほうがよっぽどマシってことになれば、やる意味なんてはっきりいって「ない」もんな。
しかしながら思うに、今の競輪は本当に経営的に厳しい施行者ほど頑張っている印象が伺える。決して、選手の頑張りなんかじゃないよ。
選手の頑張り云々っていうんだったら、Ｆ２があんな壊滅的な数字になることなんてないだろ（もっとも、１日行われたびわこＦ２は「全国単独開催」ということも１億５千万円超を売り上げたが。これくらい通常でも売上げられたら、Ｆ２の開催も意味があるというもの。）。
だが、観音寺の「爆弾発言」よろしく、施行者の頑張りとて、そう長く続くとは思えない。施行者にはなおも継続して頑張ってもらいつつ、あとはやはり、競輪５団体の意識改革という点に目を向けるしかないのではないか。
その中で、もう何度も言っているが、
・開催削減（Ｆ２半減）
・発売削減（開催を含めて年間概ね２００日以内）
・上記２つに伴う選手の大量首切り
を速やかに実施してもらいたいもの。
さすれば、上記の施行者の「頑張り」も必ず生きてくるんだって。
施行者の血のにじむような思いを無駄にするな！
そして、もう西宮・甲子園のような悲劇は起きてほしくないからね。
ところで９日からは伊東温泉記念だっけ。
「頑張れ！観音寺競輪！」
ではないけど、伊東温泉も是非頑張ってほしいね！
