中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

チャイ5

2018-01-13 23:21:20 | 山形交響楽団
 今年最初の山響定期が終わりました。

 今回のメインはチャイコフスキー「第5番」。名曲中の名曲です。学生オケも御用達の、いわゆる「定番曲」。


 なぜチャイコは定番なのか?演奏するのが特別に「簡単」だということはありません。

 私も学生の時に演奏しましたが、アマチュアには難しい所がたくさんあります。半年練習しても、誰もが弾けるという曲ではない。では何故?

 それは、完璧に弾けなくても、演奏する充実感が得られるからです。

 編成も大きくて、参加したみんなが楽しい。弦楽器も管楽器も打楽器も。しかも気持ちを込めて弾けば、それだけいい音楽になる。もともと「泣かせどころ」がちょっとクサくて感情過多です。こういうロマンが大好物なのはやはり若い頃です。つまり、青春にぴったりの音楽なのです。

 私が初めてこの曲を弾いたのは、大学2年の時でした。まさに「お年頃」と言えましょう。鼻血が出そうなほどの興奮と感動がありました。最後のページなどは、今までさんざん殴り合った後に唯一無二の親友になるような大団円ですが、まさにそれを地でいく感じ。「この演奏会のために喧嘩もしたけど、やっぱり俺たちいい仲間だったんだ」…この齢では文字にするだけで全身に疼痛が走ります。


 しかし、現代人にも尾てい骨や盲腸が残っているように、人間、何歳になっても心の地層の下の方には、青春やら厨二やらが今でもしっかりと埋まっているものなのだということを思い出させてくれる曲でもあります。だから感動するのでしょう。


 弾くと疲れるものの、気持ちが若返るような気がする曲です。

 楽しい演奏会でした。たくさんのお客様に感謝します。

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