中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

登頂準備

2015-01-25 20:49:29 | 山形弦楽四重奏団
 さて、山形Q「第54回定期」がいよいよ明後日。山響のリハーサルやスクールコンサートがありつつも、直前の準備に余念がありません。羊を食べて飲んだくれている場合ではない。


 やはり気になるのはベートーヴェン。7楽章全てを、切れ目なく演奏しなければならない。

 
 映画「25年目の弦楽四重奏」の中のセリフにもありましたが、弦楽器というものは弾いていると次第にチューニングが狂ってくるものです。しかし、この曲にはそれを修正する「間」がない。少しずつズレてくるのに気がつきながらも、リセットすることが許されない。つまり、その「ズレ」をお互いが受け止めながらカバーし、最後まで歩まなければならないということです。

 これは夫婦や家族など、長年連れ添う人間関係のメタファーでもあるわけです。まさに四重奏団にも言える。これは実に深い。

…と感心している場合ではありません。明後日には、それが試されることになる。


 相手を信頼し、また、同時に相手からの信頼に精一杯こたえる…

…練習を進めるほどに、自分の人としての「コアな部分」な問われる。ようやく、この曲の本当の怖さがわかってきた気がします。


 まさに、弦楽四重奏曲の頂点に位置する作品。じっくりと味わいたいと思います。
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