中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

名産地

2014-02-25 21:26:54 | 映画・ドラマ
 昨日、山形Qのリハーサルの前に、映画「小さいおち」を観てきました。予告を見た時から気になっていましたがこの度、主役の女の子が、ベルリンの映画祭で最優秀賞をとったそうですね。これは観ておかなければ。


 いわゆる「戦争もの」ではありませんでしたが、大戦間近の東京が舞台です。当時としてはモダンな赤い屋根の小さな屋敷に、住み込みで働いている女中の女の子が主人公です。

 はじめ、その女の子が上京するために、雪深い郷里の吹雪の中を母親に連れられていくシーンがあったので、「まさか」とは思いましたが、やはりその子の郷里は山形でした。「けなげな女中さんの名産地」として不動の地位を築いてますね。

 この物語はとにかくその女中さんの、けなげで実直な生き方、古き佳き日本女性の美しさがすべてです。別に、いじめられるわけではありません。戦争に翻弄される激動の運命を生き抜く話でもありません。静かで「小さい」物語が、美しく実直に描かれているといった印象でした。

 さすがに世界の評価は間違ってません。長くてやや起伏に欠けるストーリーでしたが、その主役の子が、せっせと家事をしているだけで見飽きない。とびきりの美人とは感じないのですが、しぐさなど立ち居振る舞いのすべてに和風な清潔感があって、見ていて心地よい。(個人的には「北の国から」の純と蛍はいただけなかった・・・)。

 
 全体的には、低カロリーでヘルシーな和食のような作品でした。物足りないような気もしましたが、リハーサルの前にはこのぐらいが良いでしょう。猟奇的でバイオレンスなモーツァルトになってしまっても困りますしね。
コメント
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