映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

アメリ

2012年03月26日 | 映画(あ行)
好奇心に輝く、くりくりの瞳!



                   * * * * * * * * * *

くりくりと好奇心に満ちた瞳が抜群に印象的で可愛らしい、オドレイ・トトゥの代表作。
大好きな作品なので、このへんで一度記事にしてみましょう・・・と。


冷淡な父と神経質な母に育てられ、いつも一人きりで空想の中で遊んでいたアメリ。
やがてモンマルトルのカフェで働き始めますが、
うまく人との関わりを持つことができません。
そんな時、駅でなんだか気になる青年を見かけます。
彼女はある日一大決心をするのですね。
いつまでもカラに閉じこもっていてはだめ。
ちゃんと人と関係を持たなければダメだ!!
そうして彼女が人に仕掛ける計画(というよりもイタズラに近い)は、とてもユニーク。
でも人と関わるようでいて、実は自分を晒さず、
密かにそれは実行されます。


例えばカフェの常連客とタバコ売り場の女性を仲良くさせてしまったり、
性格の悪い八百屋の主人の家に忍び込んでささやかなイタズラを仕掛けたり。
家に引きこもっている父親には、彼の大事にしているドワーフの置物を旅に出して、写真を届けたりします。
時には大胆でさえある彼女の行動なのですが、
しかし、自分のことになると、からきし臆病。
一目惚れの青年ニノに近付くチャンスはいくつもありながら、
結局最後の勇気を搾り出すことが出来ずに見逃してしまう。
さて、この風変わりなアメリの恋の行方は???


この青年ニノとアメリは、どことなく同じ雰囲気を漂わせています。
ニノは瞬間写真撮影コーナーで捨てられている失敗写真をコレクションしています。
そしてその前の趣味は、生乾きのコンクリートに付けられた足跡のコレクションだったとか・・・。
それを知った時のアメリの目の輝き。
まさしく、彼女もそういうことが大好きそうですもんね。
本当にお似合いの二人なのです。
彼女がニノに仕掛けるイタズラも実にユニークで素敵だけれど、いかにも遠まわし・・・。
全くやきもきさせられます。
映像は全体に濃い色調ですが、決してけばけばしくない。
このあたりがさすがにフランスのセンスですね。
アメリのワカメちゃんみたいなヘアスタイルのいつもどこか跳ねているのもご愛嬌。


好奇心たっぷりで世の中を見て、行動しよう。
そして人とつながろう。
案外に世の中は面白い・・・と、思えてきます。
やっぱり、素敵な作品でした。

アメリ [Blu-ray]
ジャメル・ドゥブーズ,マチュー・カソヴィッツ,ヨランド・モロー,オドレイ・トトゥ
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント


「アメリ」
2001年/フランス/121分
監督:ジャン=ピエール・ジュネ
出演:オドレイ・トトゥ、マチュー・カソビッツ、ヨランド・モロー、ドミニク・ピノン


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2 コメント

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こんばんは (ちっぷ)
2018-06-12 21:28:07
『アメリ』、
私が大好きな映画50本に入るんです。
でもかなり前のことで記憶が途切れがちで、さらに脳出血で手術を受けたあとは、映画を観なくなりどうしようもない状態だったのに、話を丁寧に解説してくれて、どうもありがとうございます。
たしかに映像は濃い色調でしたが、けばけばしくなかったです。
ベスト○○選 (たんぽぽ)
2018-06-13 20:18:28
ちっぷさま
>好きな映画50本
私は好きなものに順位が付けられないのです。
食べ物とか、映画とか・・・。
好きなものはたくさんあるけれど、それぞれに良さがあって、優劣なんかつけられない。
よく年末に「今年のベスト10」などという企画を立てるブロガーさんがいらっしゃるのですが、私はそれもできません。
釣り合いとかバランスを重んじるてんびん座だからなのかなあ・・・?

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