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インスタントファミリー 本当の家族を見つけました

2020年05月24日 | 映画(あ行)

家族になろうよ

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子育て未経験で里子を迎えることを決めた、ワーグナー夫妻。
一人だけ引き取るつもりで、候補の子どもたちと面会するのですが、
なりゆきで3兄弟の親になることになってしまいます。
長女リジーは反抗期。
いつもおどおどしている長男フアン。
わがままな末娘リタ。
うるさいし、散らかすし、言うことは聞かない、しつこい・・・。
悪戦苦闘し、自信も喪失していく夫妻。
そんな時、服役中の3人の実母が出所することになり・・・。

小学生の二人はそれでも次第に二人に馴染んできます。
けれどやっかいなのは、反抗期のリジー。
それは、実の親だって何考えているのかわからなくて、投げ出したくなりますよね。
施設でも、反抗期の中高生たちは、なかなか里親の引き取り手がないのです。


はじめに養子を迎えようと二人が思ったのは、
いろいろな事情で親と暮らせない大勢の子どもたちを救いたい、という思いでした。
それは多少、偽善的な匂いもします。
でも、迷いながらも二人は決断した。
リジーは、そういう「偽善的」な部分も見えてしまうから、
表面上「いい子」でいることがあっても、本心から気を許すことがないのでしょう。
ではありながら・・・、何度もぶつかりあって互いに傷つき合ううちに、
距離が縮まっていって、そしてそれぞれに成長していくもののようです。


実話を元にしているそうで、まさに、そうだろうなあ・・・と納得いく作品でした。
私はここのおばあちゃん(夫の母親)が好きでした。
この夫婦は子育てをしたことがないのに比べて、さすが子育て経験者はちがう。
すぐに子どもたちと仲良しになってしまいます。
ラテン系だろうが、犯罪者の子どもだろうが、
血がつながっていなかろうが、理屈ではなく子どもが好きという感じ、いいですよね。

さて、こうした養子縁組を行う際に、
まず、子どもを受け入れるための親の講習会があるのです。
そして里親として子どもたちと暮らすようになっても「親の会」があって、
うまくいっていること、いないこと等の交流をします。
悩みを打ち明けながら解決法を探す。
そうしていよいよ里親と子どもたちの気持ちが一致すると、正式に養子縁組が行われるのです。
なかなかしっかりしたシステムなんですね。
日本ではどうなのでしょう?


心に響くステキな作品でしたが、日本では未公開だったようです。
もったいない!!

「インスタントファミリー 本当の家族を見つけました」
2018年/アメリカ/119分
監督:ショーン・アンドリュース
出演:マーク・ウォールバーグ、ローズ・バーン、イザベラ・モナー、
   マーゴ・マーティンデイル、オクタビア・スペンサー

家族の絆度★★★★★
親になるための奮闘度★★★★☆
満足度★★★★☆



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