映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

007/サンダーボール作戦

2011年06月05日 | 007
海中の007

           * * * * * * * *

さて4作目になりました。007シリーズ。
今回は、バハマが舞台で、海中のシーンがたっぷりなんですね。
オープニングタイトルも、海中を体をくねらせて泳ぐ美女のシルエット。
ムードを盛り上げます。
お馴染みの悪の組織スペクターの陰謀。
スペクターってのは、結局何者なのかな?
当時のことだから多分に東寄りの組織だよね。
やってることはマフィアみたいなものだけど、
これをうんと大がかりにやって、西側の経済を混乱させようという意図があるようだ・・・。
某東側国政府公認の悪の組織?
まあ、いくら何でも「ソ連」と名指しで、敵には回せないよね・・・。
だけど、任務に失敗した幹部を処刑するシーンがあるでしょう。
こんなので、部下がちゃんとついていくのかなあ・・・って気がする。
よほど成功報酬が莫大なのかもね。
今見ると、どうも、こういうシーンを漫画チックに感じちゃうんだなあ。
“ギャラクター”と、そう変わらない・・・。


さて、今作の内容は・・・
スペクターが原爆を積んだ戦闘機を略奪し、その原爆の身代金要求を突きつける。
その原爆の在処を突き止め、奪回するのがボンドの任務。
スペクター幹部ラルゴの元に身を寄せているドミノという女性が、ボンドの手助けをすることになるんだね。
作を追うごとにジェームズ・ボンドのアクションが過激にかっこよくなってくるね。
冒頭では、空を飛んじゃってるし。
あの、ジェット噴射のリュックサックみたいなのだよね。
ロケット・ベルトとか、ジェット・パックとかいうらしいけど、
あれは実在する装置で、撮影にも本物を使って実際に飛行したんだって。
その頃のオリンピックの開会式か何かで見たことがあるような・・・。
先日見た「キック・アス」にも出てきたな。
1965年当時既にこれがあった割りには、あんまり普及しなかったんだね・・・。
タケコプターならまだしも、あれではあまりにも大がかりだし、
音もうるさそうだしね。


さて、水中の戦闘シーンはなかなか迫力がありました。
1対1じゃなくて、集団同士。
地上の戦争シーンをそのまま水中に持って行ったという、今でもあまり見られないシーンかも。
そこに人食い鮫が寄ってきたりして、ムードが盛り上がるね!
今回の新兵器は・・・
腕時計型のガイガーカウンタ-。
う~ん、これ、今に日本では必需品になるんじゃないか、
なんて笑えない気分がしてしまいました・・・。
4分間呼吸可能という小型酸素ボンベ。
4分って、短かすぎませんかね? せめて15分くらいは欲しいところだ。
いや、何本か持てばいいんだよ。ほとんどペンシルサイズなんだから。
お次は、放射性カプセル。
このカプセルを飲み込んでおくと、特殊な受信機で位置を確認できるという・・・。
これはもう、今はスパイじゃなくても誰もがGPSとして使用できる・・・。
ケータイとして身に付けることができなければ、
マイクロチップを埋め込むとか、だね。
現在のICTは、当時のスパイ映画の夢物語なんだなあ・・・。


いつもボンドが司令室前の秘書室にくると、
帽子を投げて帽子かけに掛けるシーンがあるでしょう。
そうそう、だけど、今作では投げることができなかったんだよね。
なぜって、いつもは部屋の向こう側にある帽子かけが、
ドアを開けるとすぐ横に置いてあった。
いつもこの秘書室のシーンにはニンマリさせられるよね。
緊張の多いこの映画の中では絶対必要なシーンだ。

007が007として絶大な人気を得ていたこの頃の作品は、やはり花があります。

サンダーボール作戦 (デジタルリマスター・バージョン) [DVD]
ショーン・コネリー,アドルフォ・チェリ,クロディーヌ・オージェ
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン


「007/サンダーボール作戦」
1965年/イギリス/131分
監督:テレンス・ヤング
出演:ショーン・コネリー、アドルフォ・チェリ、クローディーヌ・オージェ