映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

アジャストメント

2011年06月01日 | 映画(あ行)
運命に抗い、愛を貫くことができるか



           * * * * * * * *

さる映画紹介サイトでは、この作品を
“SFサスペンス・アクション”という言葉で表現していましたが、
これだと少し誤解を与えるのではないかと思います。
確かにSF的、サスペンス的、アクション的ではあるのですが、
これは結局ラブストーリーなのです。
私にいわせればむしろロマコメ・サスペンス・アクション。
え?少なくてもコメディではないだろうって?
でも、なんだか思わず笑ってしまうシーンも多かったんですよ・・・。


若き政治家デビッド(マット・デイモン)は、バレエダンサーのエリースに一目惚れ。

ところがここに、
決められた運命を逸脱しないよう世の中を監視する組織
「アジャストメント・ビューロー(運命捜査局)」が現れ、
この二人を引き離そうと躍起になります。
本来、出会ってはならないはずのこの二人。
彼らは一般人誰でも監視しているのかと思えば、そういうわけでもないのですね。
それはデビッドの職業に関係するのですが、
ゆくゆくは米大統領にもなろうという、デビッドの予定された人生上に、
エリースは邪魔な存在というわけなのです。

しかし、障害が多いほど恋は燃え上がるものです。
デビッドは運命に抗い、エリースとの愛を貫くことができるのか、
つまりはひたすらそれだけのストーリーなのですが、
途中ある事情でデビッドが自ら身をひき、3年が過ぎるなどの紆余曲折。
恋愛ドラマとして、私はたっぷり楽しませていただきました。


欲を言えば、このドラマ、
もっとすれ違いシーンが多いと盛り上がったのではないかな?
いつもへまばかりの運命捜査局なのですが、
実は成功例もたくさんあったということにして・・・。
実際、運命捜査局のエージェントは、かなりのお人好しに思えます。
皆帽子をかぶっている、なんていうのも妙に笑えちゃいますよね。
居眠りしていてタイミングを逃してしまうとか、結構ドジですし。
この方たちに冷酷な任務は所詮無理なのでは?と思えます。

それにしても人一人の運命を変えるのがこんなに大変だなんて。
というよりはこの場合、デビッドの意志がそこまでに強いというべきなのでしょう。
だからこそ、政治家として成功するわけですよね。
マット・デイモンが選挙に出るなら、
そりゃ私だって投票します(^^;)。
次の上院議委員選挙の結果を見たいところでしたが・・・。



楽しいのは“どこでもドア”。
ドラえもんのアイテムの中では最もあったらいいな、と思うものの一つ。
あ、もちろんここではドラえもんアイテムではないのですが・・・。
日本人なら、ほとんどの方が連想したのではないでしょうか。

でも、ドア一つでどこへも行けるなんて
(この作品中では、いくつもドアを通らないと目的地に行けないのですが)、
なんと便利!!
私は自宅のドアと映画館のドアを是非ともつなげたい・・・。

2011年/アメリカ/106分
監督・脚本:ジョージ・ノルフィ
出演:マット・デイモン、エミリー・ブラント、アンソニー・マッキー、ジョン・スラッテリー、マイケル・ケリー