映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

あなたは私の婿になる

2009年10月24日 | 映画(あ行)

怖い上司との結婚か、クビか

           * * * * * * * *

時々無性に、こういう他愛のない、ハッピーエンドが約束されている
ロマンチック・コメディが見たくなります。


ニューヨークの出版社で編集長を務める
マーガレット(サンドラ・ブロック)40歳。
彼女はカナダ国籍なのですが、ビザの申請を忘れていて、
国外退去命令を受けてしまう。
手っ取り早くこの危機を乗り切る方法は、アメリカ人と結婚すること。
そこで彼女の部下、アシスタントのアンドリュー(ライアン・レイノルズ)に
私と結婚しなさい、との業務命令。
怖い上司との結婚か、クビか・・・。
やむなく結婚を選ぶアンドリュー、28歳。
しかし、意外と移民管理局の審査は厳しく、
偽装結婚でないことを確かめるため、
お互いのことをどれだけ知っているかをテストするという。
こんなところにまで出てくる、移民管理局。
恐るべし。
(「扉をたたく人」を参照ください・・・)
やむなく二人はお互いを理解するため、週末を共に過ごすことに。
おばあさんの誕生日のため帰省するというアンドリューと共に、
マーガレットが向かった先はなんとアラスカ!
アンドリューの家族にも結婚すると伝え、騙しとおさなければならない。
果たして、この守備やいかに。

これまで3年も一緒に仕事をしてきたのに、
お互い個人的なことは何も知らないでいたんですね。
二人はお互いを知り、心が接近してゆく。


なぜわざわざアラスカなのか。
いいんです。
美しい自然。白夜。
それだけで、許しちゃう。
こういうところで育った彼は、いかにも気持ちがおおらかそうじゃないですか。
あったかくておちゃめなお婆ちゃんも、とてもいい。
あの、むくむくのちょっとおバカそうな白い犬も、むちゃくちゃかわいいし。


アラフォー、婚活、草食系男子・・・、
映画の宣伝には、こんないまどき話題の言葉がちりばめられていますが、
私はそれは余計なことのように思えました。
ことさらそんな単語を並べてあおるほど
今に限ったテーマというわけではありません。
とはいえ、シチュエーションはかなり今風ですが。
でも結局、これは王子様の登場を待つ女の子のストーリーなんだろうなあ・・・。

久し振りにこういう系を見たせいか、妙にハマって楽しめてしまいました。
散々映画を見た挙句、「空気人形」よりこっちの方が好きって
どうなのよ・・・と思わなくもないですが・・・・・・

女にはロマンスが必要なのです。
時々。
いくつになっても。

お気に入りのシーンは、二人が家族にはやし立てられて、
しぶしぶキスをするところ。
ほんのちょっと口を触れ合わせれば、
“もっとまじめにやれ”とのまわりの野次。
やけくそで交わしたキス。
その後の、二人の腑に落ちないような表情がいい。
「あれ、なんか意外といい感じ・・・」
表情が物語っています。

アンドリューは、本当は資産家の息子だけれど、
編集の仕事をしたいという夢を持ってニューヨークで働いている。
そんなことで、家業をついでほしいと思っている父親とそりが合わない。
・・・と、ほんのちょっぴり苦味を聞かせているところが、心憎いのです。
このライアン・レイノルズっていうのが、ちょっと甘みのあるマスク。
いい感じじゃないですか。
・・・他の出演作。X-メン? 
みてないな~。
また今度、お目にかかりたいものです。

2009年/アメリカ/108分
監督:アン・フレッチャー
出演:サンドラ・ブロック、ライアン・レイノルズ、マリン・アッカーマン、クレイグ・T・ネルソン