11月の沖縄県知事選をめぐり、那覇市の翁長雄志(おながたけし)市長(63)は10日、市議会で「沖縄が岐路に立つ今、私の力が必要との声があるなら、応えるのが政治家としての集大成だ。本日、出馬を決意する」と述べ、立候補する意向を正式に表明した米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の同県名護市辺野古への移設計画については「これ以上の押しつけは沖縄にとって限界」と述べ、反対する考えを強調した。

 市議会代表質問で市議の質問に答えた。翁長氏は県議などを経て市長4期目。自民党県連幹事長を務めたこともあり、当初は辺野古移設を容認していた。しかし、2009年に「県外移設」を掲げる民主党の鳩山政権誕生後に辺野古移設反対を表明し、以後は県外移設を求める運動の前面に立ってきた。

 沖縄の知事選は自民などが推す保守系候補と、共産、社民などの革新系候補が争う構図が続いてきたが、今回は自民系地方議員の一部と共産、社民などが相乗りで翁長氏を擁立する形となった。経済界の一部も支援する。