狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

無理が通れば道理が引っ込む。

2007-12-07 17:21:37 | 教科書

無理が通れば道理引っ込む。

「道理」と言うのは物事の正しい筋道。

道理にあわない無理なことがいかにも正しいことのように、ごり押しで通れば、真に正しいことは姿を消す。

道理なき国家の結末はお隣の拉致国家を見れば自ずと分かる。 

わが国の最近の世相を返り見ると、

理詰めで話が進まない、

道理が道理として聞き入れられない、

そんな状況がまかり通りつつある。

いかに「理」ある議論が見られなくなっていることか。

国会における政治家の答弁然り、あるいはワイドショー司会者の無責任な饒舌然り。

芸能タレントが、その場の雰囲気で発言するのはここでは問うまい。

だが、社会の木鐸を嘯く新聞論説員や学者までもが、論理を無視し感情剥き出しで世論を煽る昨今。

歴史教科書の記述にまで、数を頼んで「無理」を押し通そうとする。

沖縄戦の専門家と称する勢力によって、理詰めの検証が、はたしてどれほど行われて来たか。

いきなり情念に満ちた自分の結論を相手に押し付ける。

そういった手合いが、どれほどこの世にはびこっていることか。

それは最近の「集団自決」に関わる「教科書検定論争」を一瞥すれば例を挙げるに労はない。

ある沖縄戦史の専門家は「軍命に有無は問題ではない」という。

結論は既に決まっている。

日本軍は残虐非道であり、「日本軍の存在」そのものが自決の命令であり強制なのだと。

そして、論理を超越した究極の情念でこの結論を補強する。

「悲惨な体験を語るおじー、おばーの顔に深く刻まれた皺。これがウソをつく顔と言えるか」と。

「理」を無視した声の大きい奴が世に跋扈する。

一方、正論が通用しない風潮の中で、メディアに憤懣を抱えた「サイレント・マジョリティ」が、沖縄には相当数いると思われる。

良識ある読者はそろそろ地元紙の暴走に気がつき始めた。

目覚めた良識派にとっては、「無理が通れば道理引っ込む」は古くて新しい普遍の真理である。

道理が通る世の中だからこそ無理が引っ込む。

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沖縄タイムス 2007年12月5日(水) 朝刊 22面  
 
「集団自決」修正/撤回否定に批判集中

 【東京】沖縄戦「集団自決(強制集団死)」に関する教科書検定意見の撤回などを文部科学省に要請した市民団体や支援組織が四日午後、参院議員会館内で報告集会と記者会見を開いた。民主、共産、社民の野党国会議員十五人を含む約百人が参加した文科省の布村幸彦大臣官房審議官が検定意見の撤回を「考えていない」と否定したことに批判が集中。市民の代表は「私たちの税金で働いている人がこんなことを言うのは許せない」と憤りをあらわにした。
 県高教組の松田寛委員長は「(布村審議官は検定意見が)『制度上問題ない』の一点張りだった」と指摘。

 その上で「(審議会での審議という)制度を通過すれば(記述が)間違ってもいいという考え方が全く理解できない」と述べ、手続き論に終始する文科省の姿勢を批判した。

 教科書全国ネット21の俵義文事務局長は「文科省の姿勢は検定意見を絶対に撤回しないが、沖縄が怒っているので訂正申請でけりをつけようとしている。官僚は絶対に過ちを犯さないという前提がある」と述べ、疑義を呈した。

 「沖縄戦教科書検定意見の撤回を求める市民の会―東京―」の阿部ひろみ代表は「審議会で公正な審議がされたという(布村審議官の)考えに本当にびっくりした」と指摘し、教科書調査官の原案を議論がないまま追認した教科用図書検定調査審議会の在り方に警鐘を鳴らした。


                       ◇

この連中が勝手に市民の代表を名乗るのも勘弁して欲しいが、

その「理」なき主張には今更ながら辟易する。

市民の代表:
「私たちの税金で働いている人がこんなことを言うのは許せない」
 
県高教組の松田寛委員長:
「(審議会での審議という)制度を通過すれば(記述が)間違ってもいいという考え方が全く理解できない」

教科書全国ネット21俵義文事務局長:
「文科省の姿勢は検定意見を絶対に撤回しないが、沖縄が怒っているので訂正申請でけりをつけようとしている。官僚は絶対に過ちを犯さないという前提がある」

「沖縄戦教科書検定意見の撤回を求める市民の会―東京―」
阿部ひろみ代表:
「審議会で公正な審議がされたという(布村審議官の)考えに本当にびっくりした」と指摘し、教科書調査官の原案を議論がないまま追認した教科用図書検定調査審議会の在り方に警鐘を鳴らした。

 

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コメント (3)

教科書検定審「強制」削除?「強制」復活?どっちなんだよ!

2007-12-07 06:29:11 | 教科書

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軍強制の断定記述に疑問=「集団自決、背景は多様」-再訂正の動き・教科書検定審(時事通信) - 7日(金)3時0分 - 社会

 沖縄戦の集団自決をめぐる高校日本史の教科書検定問題で、日本軍の強制があったとする記述を復活させる教科書会社からの訂正申請について審査している教科用図書検定調査審議会で、強制があったと断定した記述に対し疑問を呈する意見が多く出されていることが6日、関係者の話で分かった。
 関係者によると、沖縄県民が精神的な極限状態で集団自決に追い込まれた要因には、日本軍の存在を含めた多様な背景があり
、「強制や命令といった一面的な記述は妥当ではない」という意見が審議会で大勢を占めているという。
 こうした見解は、文部科学省を通じて教科書会社側にも伝えられ、一部の社には訂正申請の取り下げや、より多面的な要素を盛り込んだ表現での再申請を模索する動きがあるという。

                    ◇

今日の沖縄の地元紙は未だ更新されていないので、手元の琉球新報の見出しと記事を一部抜粋を紹介する。

一面トップ見出し

「軍強制」削除撤回せず   <高校教科書検定>

検定審が指針    「集団自決」背景は詳述

【東京】高校歴史教科書の「集団自決」(強制集団死)検定問題で教科用図書検定調査審議会(杉山武彦会長)は「集団自決」の背景を詳述する必要性は認める一方で、日本軍の「直接的な命令」「強制」についての断定的記述は「生徒が誤解する」との指針をまとめ、文部科学省の教科書調査官を通じて教科書出版6社に通知していたことが6日、分かった。 「集団自決」の軍強制を削除させた検定意見は撤回しない。 関係者が同日午後、明らかにした。

「追記」10:35

「軍強制」削除撤回せず 教科書検定審が指針  (12/7 10:14)

教科書各社は訂正申請で日本軍の強制を明確にした記述に戻すよう求めているが、同指針によって申請通りの記述復活は困難となった。関係者の間からは「軍の強制性が薄められる」との懸念も出ている。教科書各社は訂正申請の再検討に入る見込みだが、記述修正をめぐる調整はなお難航しそうだ。
 審議会がまとめた指針は「集団自決」の背景には「複合的な要因が存在する」と指摘し、詳しく記述することを認めた。その一方で「日本軍の直接的な命令で『集団自決』が起きた例は確認できていない」などと説明。「
軍がやった」「命令した」という単純化した表現では「誤解する」として、断定的記述は避けるよう示唆した。
 文科省は4日以降、教科書各社の役員や編集責任者を同省に呼び、教科書調査官が指針の内容を口頭で説明した。調査官は訂正申請の承認の可否など、具体的な見解は示さなかったという。
 「複合的な要因」を詳述することを認めた指針を受け、教科書出版社は皇民化教育の存在や手投げ弾の配布などについて記述することで「集団自決」の背景を明らかにする考えだ。しかし、直接的な「日本軍の強制」を明確にした記述の復活ができない以上、「日本軍の関与」というあいまいな表現にとどまる可能性が強い。教科書各社は申請内容の再検討で苦しい判断を強いられそうだ。
 審議会が出した指針について執筆者の一人は「非常に抽象的ではっきりしない。だが軍の強制性を薄めるような形にして、訂正申請を認める方向に持っていこうとしているのだろう」と意図を指摘。指針を受けた記述の手直しについて「軍の強制性は後退させず、背景説明を加えることで、高校生が『集団自決』という現象を理解しやすくなる」と話した。
(琉球新報 12/7 10:14)

 

三十一面の社会面トップ見出し

「軍強制」検定審指針

“進展なし”に怒り  研究者ら「根拠分からない」

                     ◇

>「集団自決」の軍強制を削除させた検定意見は撤回しない。 関係者が同日午後、明らかにした。

全体として4日夕刊の「審議官「撤回考えず」 軍強制削除検定意見の記事を確認して詳しく報じた内容だが、今朝の東京新聞、中日新聞のニュアンスは多少異なる。

時事配信と共同配信の違いかとも思われるが、本件に関しては沖縄地元紙は

東京に専属記者を貼り付けていると聞くので、地元紙の取材の方に信憑性があると見たい。

各紙の報道のニュアンスが異なるのは、教科書では「軍の命令、強制」削除させたままにして、後は政治家の「工夫と努力と知恵」に任せて「○○談話」で妥協点を見つけるのではと感じとれる。

                    ◇

各紙の報道。

「軍の強制」復活容認 教科書検定審指針
中日新聞 - <NOBR>3時間前</NOBR>
沖縄戦の集団自決への日本軍の強制性をめぐる高校日本史教科書検定問題で、教科書検定審議会(検定審)が、訂正申請の記述を承認する際の指針を決め、文部科学省 ...
検定審「軍強制」容認へ 教科書会社に指針提示
東京新聞 - <NOBR>4時間前</NOBR>
沖縄戦の集団自決をめぐる高校日本史教科書の検定問題で、教科書検定審議会が「日本軍の命令があった」など直接的な関与を避けた表現の範囲内で、軍による強制の記述の ...
検定審が「軍の強制」記述の復活容認へ
徳島新聞 - <NOBR>3時間前</NOBR>
教科書検定審議会は条件付きで日本軍による集団自決強制の記述の復活を認める指針を決めた。 ・ニュースの詳細は徳島新聞でどうぞ
 
うーん、それにしても時事通信、琉球新報と共同配信はまるで反対にも取れる報道だが・・・。
 
沖縄タイムス。朝日新聞はどのように報じているか興味津々だ。
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