狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

「長寿県沖縄」はインチキだって?老教授の怒り

2007-12-10 13:43:04 | 未分類

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ヘルシーフードの沖縄で何が起きている? 「おきなわカロリーブック」が売れる理由 2007年12月7日

 長寿の島として知られる沖縄県。その土台を支える沖縄の食べ物は、体によいヘルシーフードとして広く認知され、最近では首都圏でも沖縄料理店が増えている。しかし、そのヘルシーなイメージを覆すような1冊の本が、今沖縄で売れているという。

 今年6月、沖縄県内で発売された「おきなわカロリーブック」がそれ。既存のカロリーブックで表示されている一般的なメニューのカロリー表示は全くなく、沖縄独自の加工食品を中心に、特定メーカーの缶詰や菓子類、特定の飲食店のメニューなどのカロリーをズバリ表示しており、その具体的な内容が読者に好評だ。


  那覇市中心部のショッピングセンター「パレット久茂地」内にある、リブロブックス・リウボウブックセンター店長の的場真由美さんによると、発売から半年経った現在でも順調に売れ行きを伸ばしており、同店の今年度のベストセラーには確実に入るという。また、女性だけではなく中高年男性の購入者も多く、割合的には半々ぐらいというのも興味深い。

 健康的な食生活を実践している感のある沖縄の人に、今なぜカロリーブックが求められているのか

 著者である管理栄養士の宇栄原千春さんに、お話を伺うことにした。

 「沖縄県は今、肥満の県なのです。管理栄養士という職業柄、クリニックで肥満の人達に栄養指導をしているのですが、食文化が日本本土と異なる沖縄では、どうしても既存のカロリーブックで説明するのには限界がありました。それで、沖縄の人達に理解しやすいように、沖縄の食品だけでカロリーブックを作ったのです」(宇栄原さん)

 
えいよう相談室代表 管理栄養士 宇栄原千春氏
 沖縄県民が健康や肥満に気を使うきっかけとなったのは、平成14年に公表された都道府県別の平均寿命。女性の平均寿命は全国1位をキープしているものの、男性に関しては平成7年の全国4位から26位に後退したことで、長寿を誇る沖縄県民に危機感がつのった。さらに、中小企業の従業員を主な対象とする政府管掌保険の平成16年度の健診データでも、沖縄県の30歳代以上の男性で46.9%、女性で26.1%が肥満とされ、肥満割合が全国で最も高いという結果も出ている。これらの数字を受け、県や各市町村でも、肥満対策や、肥満をきっかけに発症する成人病対策を県民に呼びかける、さまざまな取り組みを行うようになった。

 このような状況の中で、自分達の食生活の改善や肥満防止に対しての興味が日増しに高まっていた矢先に発売された「おきなわカロリーブック」は、まさしく沖縄県民が待ち望んでいたもの。好調な売れ行きがそれを物語っている。
                     ◇

 沖縄の生徒は教科書の記述には人一倍気を使うのかと思いきや、全国一基礎学力が低いと言うオチがついて、

生徒を政治運動に煽った教育界は大慌て。

でも「学力よりも健康が一番」と言えば多少は言い訳にもなったのだが、

健康と癒しが売り物はずの沖縄は「肥満天国」でメタボリオヤジの巣窟だとはしゃれにもなら無い話。

  • 沖縄「長寿でない」41%/働き盛りに強い危機感 (沖縄タイムス)
  • 肥満「寛容」に警鐘 (沖縄タイムス)
  • ところが地元では以前から専門家が警告を発していたが、生来の「テーゲー気質」で反省するものは少ない。

    テーゲー主義とは宮崎にお株を奪われた「テゲテゲ」と同じく大概(たいがい)に語源を持つが、要するにいい加減ということ。

    沖縄のテーゲー気質と肥満について囲うと思うのだが、・・・

    私事で恐縮だが先日より風邪をこじらして咳と鼻詰まりで思考朦朧として話がまとまらない。

    頭の中がモウロウ(朦朧)なのかロウモウ(老耄)なのか、その境もつかないくらいなので、一年半程前に似たようなテーマでエントリした記事を一部書き換えて再掲でお茶を濁したい。

    最も似たようなテーマとはいっても、

    「沖縄の長寿はインチキだ」と言う学説があり、更にその原因が「いい加減な戸籍制度にある」と聞いて、

    琉球大学の老教授が敢然と立ち上がったのだが・・・。

    対応する県庁のお役所仕事に怒り狂った老教授が、ボロクソに役所に悪態をついている愉快(失礼?)な話なのだが・・・。

                        ◇

    以下再掲。

    老教授が怒っている。

    教授の名は鈴木信先生。

    沖縄では知る人ぞ知る著名人である。

    琉球大学の医学部の創設に尽力してくれた先生と言ったほうがわかりやすい。

    いや、それよりも琉球大学教授時代、沖縄の長寿と食物の関係を研究し沖縄の百歳のお年寄りを医学的に調査した事で知られている。(「百歳の科学」(新潮社)等々他多数)
    (「沖縄の長寿は今」http://www.ocnet.or.jp/kassei/kassei15nen-No2-p1.html)
     

    教授は1933年横浜生まれで1976年 琉球大学保健学部付属病院助教授として沖縄と関わって以来30年にも及ぶ。

    1999年琉球大学を定年退官、現在も琉球大学名誉教授、沖縄長寿科学研究センター長、沖縄国際大学人間福祉学科教授の要職にある。

    それで教授は一体何を怒っているのかって?

    琉球新報のコラム「日曜評論」(2006年4月16日)に教授は「後生に行って聞いてこい?」と題して沖縄長寿科学研究センター長の肩書きで寄稿している。 因みに「後生」とは沖縄の方言でグソーと発音して「あの世」の意味。

    最近沖縄の男性の平均寿命が26位に落ちたと言うニュースがまだ耳に新しい。

    それでのコラムも沖縄の長寿を長年見つめてきた教授が沖縄男性にご立腹の寄稿だと早とちりした。

    耳が痛いので一瞥しただけで詳しくは読まなかった。

    三日遅れで今朝その「日曜論壇」を偶然読んで驚くやら笑うやら。

    教授の怒りの矛先は「肥満日本一の沖縄男性」では無く沖縄の「お役所仕事」だった。

    他にももう一つ、いや怒りの元凶は「外からの誹謗」であった。(これについては後述)

    教授は沖縄の「お役所仕事」によっぽど腹に据えかねたのか関わったK課長の事を「融通の利かない石頭」、「意地っ張り」、「腑抜け」と怒りが納まらない。

    最後に「先代や先輩から賜った長寿沖縄を守り通すために・・・肥満(ひまん)という内部の敵に対応し、誹謗(ひぼう)という外部の敵に対処することに一丸となって、この沖縄の一大事に立ち向かおうではないか!」と誠に意気軒昂。

    肥満は判るとしても「誹謗という外部の敵」に就いては、これまでの説明ではよく判らないであろう。

    それに「沖縄の一大事」が肥満だけを指すにしては教授の怒りは一寸はりきりすぎにも思える。

    が、詳しくは琉球新報の「日曜評論」を読めば教授の怒りにも納得するだろう。


                        ◇


    琉球新報の三日前の記事を読め・・・と云われても実際、古新聞を探し出して読む物好きはいない。

    そう判断して下記に要約する。

    1985年まで沖縄は男女とも平均寿命日本一を誇っていた。 
    ところが男性の平均寿命が全国26位に転落した。 
    そしてその原因は肥満にある。(http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-10523-storytopic-11.html)

    ところが東京で開かれた国際人口学会でベルギーとドイツの二人の教授がこれに異を唱えた。
     
    元々沖縄の高齢者は戸籍がインチキなので信用できない。 
    云ってみれば沖縄はインチキ長寿県であった。
     
    だから沖縄の男性は元々タンメー、・・・じゃない、短命であった。
    その論拠としてその中のM教授は二泊三日の沖縄旅行をして百歳のF老人に面談して話を聞いたと言う。

    二泊三日どころか30年も沖縄の百歳老人に面談調査研究をして来た鈴木教授としては聞き捨てにならない。
      
    たった一度の二泊三日の調査で沖縄の「百歳老人」の年齢はデタラメだ、とか沖縄の戸籍もデタラメだ、・・・と、 このように安易に決め付けられては「由々しきことである」。

    教授は「胸が煮えたぎるのを覚えながら」怒りの反論を試みた。

    教授のこれまでの百歳老人調査の結果や沖縄役所の戸籍制度の正確さを縷縷説明した。

    ところがさらに悪い情報が入ってきた。

    米国のH大学の助教授が先のニ教授の発表を引用して「沖縄の戸籍は詐称・インチキと書物にかいて近く世界に公表する」と言う。

    例え誤報でも一旦それが活字になって世に流れると一人歩きを始める。

    教授は問題が起きては遅いと判断し、「沖縄の名誉のため」反証の為の調査を始めた。

    百歳以上の12人の超老人の調査を始めるのだが、その間の老人ホームの独居老人の調査での担当課長とのやり取りに教授の怒りが更に増幅された。

    既に亡くなっている件の独居老人の死亡年月日の問い合わせに、担当課長の言葉が奮っている。

    「そういう事情なら来所はお断りします。・・・本人に聞いてください」。

    地元地方公務員の担当課長の言葉に、教授はブチ切れる。

    「それでは後生(グソー・あの世)まで行かねばならない」

    「これでは官僚自ら戸籍詐称を認めたことになる!」

    個人情報保護法が施行されてから、・・死亡した年月日は本人ないし家族の許可が無い限り明らかに出来なくなった。

    しかし「・・・二十年前の死亡年月日まで伏せなければならない理由は無かろう」。

    この程度の事は法律の施行人である行政官の裁量の問題だ。

    単に法律の厳格な施行で我を張るだけが官僚の権力ではなかろう!

    その後、教授の怒りが爆発する。

    関わったK課長の事を「融通の利かない石頭」、「意地っ張り」、「腑抜け」と怒りは納まらない。

    確かに教授の怒りは良く判る。

    暴飲暴食の挙句肥満日本一を記録し、その身から出たサビで「平均寿命日本一」の座から転げ落ちた沖縄のタンメー達にも腹が立つ。

    が、それはまだいい。

    沖縄の高齢者の年齢をインチキ呼ばわりし沖縄の役所の戸籍制度をデタラメと罵る欧米学者には我慢できない。 

    それを本にして世界中にばら撒かれたら沖縄の名誉に関わる問題だ。

    その沖縄の役所の名誉を守るための調査。

    それを妨げるのが他ならぬ沖縄の「お役所仕事」。

    其処でで我を張り通す「石頭官僚」には鈴木教授の怒りのボルテージは更にあがる。

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    沖縄おばーが教えた標準英語

    2007-12-10 09:08:12 | 未分類

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    ■持ち帰り箱は英語で何という■

    高級レストランで食事を終えたセレブの奥様がウエイターを呼んだ。

    「美味しい食事でしたわ。 でも私小食なので残しちゃいました。 家の犬に食べさいたいので持ち帰りにしてもらえません」

    「かしこまりました、奥様。 それで割り箸は何本お付けしましょうか」

    犬用の割り箸付き持ち帰りは、日本では笑い話のオチになってしまうが、アメリカで持ち帰りはごく普通のことで笑い話にはならないという。

    もっともファーストフーズ店の普及で「テイクアウト」という言葉が一般化した現在、何もわざわざ「うちの犬の・・」なんて言い訳する必要も無いとおもうのだが。

    先日ラジオの英会話番組でレストランの「持ち帰り箱」が話題になっていた。

    英語の素人が考えるには「テイクアウト」と言って残り物を指差せば済むと思うし、少なくとも「テイクアウト ボックス」で通用すると思うのだが、・・・「ドギーボックス」[doggy box?]と言う便利な単語があるとは知らなかった。

    だが、誰も犬用と考える人はおらず家で待つ家族用か後で自分が食べることは公然の秘密なので、それに割り箸を付けても当たり前過ぎて面白くも何とも無いのだ。

    この「ドギーボックス」のようにある意味が秘められた言葉を熟語と言うのだろう。

    もし「ドギー・ボックス」や「テイクアウト・ボックス」という便利な単語を知らなかったら、持ち帰り用箱は・・・・
    the box in which I pack the leftovers for my dog.・・・うーん、とでも言うのだろうか、・・・(やめときゃよかった)(冷汗)。

     

    ■町屋小(マチャーグワァー)はおばーの城■

    米軍占領時代の沖縄には町屋小(マチャーグワァー)と呼ばれる雑貨屋が待ちのいたるところにあった。

    食料品を中心の雑貨屋といえば今ではコンビにを連想するだろうが、マチャーグワァーでは商品の他に店主のおばーの人情も扱っていた。

    今では諸悪の権化のようなイメージの米軍基地だが、当時は英語の分からないおばーと日本語の分からない米兵が身振り手振りで他の思想に談笑する姿はけして珍しい光景ではなかった。

    給料日の前「アイハブ ノーマニー ペイデイ プリスン ビアーOK?」と言ってビールを給料日払いで飲ましてもらう若い米兵の話も良く聞いた。

    勿論、やさしくはあっても逞しいおばーが意味も分からず金も貰わずにビールを渡すわけは無い。

    「ノーマニー」「ペイデイ」「ビアーOK?」という三つのキーワードで

    「この子は給料前で金が無いが給料日払いでビールを飲ましてくれ」と言っているのだ、と意味は完全に理解していた。

    おばーにとって米兵が給料日にビール代を払いに来るどうかはともかく、

    近々ベトナム戦線にでも行くかも知れない孫のような年頃の米兵に、ビールをねだられたような嬉しい気持ちだったのだろう。

    ■おばーが教えた標準英語■

    久しぶりに顔見知りの米兵に会っても逞しい沖縄のおばーは会話に戸惑うことを知らない。

    思いついたことをそのまま口にすれば思いは自ずと通じた。

    それも耳で覚えた英単語を連ねればことは足りた。

    「久し振り」と言う短い言葉には「長い間逢っていない人にやっと逢えた」と言った意味が織り込まれている。

    沖縄の方言には「お久し振り」という便利で熟した言葉は無い。

    強いて調べて見たら「ナガデー  ンーダン」がこれに相当する。

    「ナガデー」は長い間で、「ンーダン」が見ないを意味する。

    長い間見かけなかったと言う意味になる。 

    そのまんまと言う感じだ。

    英語で「久し振り」を表現したらどうなるか。

    貧弱な受験英語を引っ張り出して模範解答?を試みてみると、

    ≪I haven't seen you for a long time.≫ 或いは

    ≪It has been a long time since I saw you last. ≫、・・・どうも硬すぎる。これも宦官、・・・じゃない、汗顔ものだ。

    それに、まんまじゃないか。

    だが、これで入試に合格するかどうかは保証の限りではないが、なんとなく意味は通じるだろう。

    ところが沖縄発の「久し振り」の熟語が一般英語として普及していると言う。

    沖縄のおばーは方言の「ナガデー ンーダン」をそのまま英単語を置き換えた。

    ≪Long Time No See≫

    沖縄方言が標準英語になったと言う話。

    おばーパワー恐るべし。

    沖縄のおばーが米兵に英語を教えていたのだ。

    27年に及ぶ米軍占領時代に沖縄はしぶとくアメリカから多くのものを学び取ったが、その一方でアメリカも多くのものを沖縄から学んだ。

    その中の一つが≪Long Time No See≫

    即ち「久し振り」と言う意味の沖縄イングリッシュだ。

    何と言う簡略にして明快な言葉だ。 くどくど説明は不要だろう。

    正式な英語教育を受けていない沖縄のオジー、オバーは耳学問で色んな英語を覚えた。

    レストランで出す「お冷や」は「アイスワラ」

    軽食店は「コーヒーシャープ」

    自動車修理工場は「バリーシャープ」

    あえてスペルアウトするとbody shopとなる。

    そんな中で文法も、主語も述語も無視したオジー、オバーが使う≪Long time no see.≫は純然たる沖縄イングリッシュだった。

    だが、それが米軍人達の間にその簡便さゆえ愛用されるようになった。

    彼らが帰国して本国で待つ知人、友人に久し振りに逢って発した言葉。

    それが沖縄仕込みの≪Long time no see≫だった。

    ≪Long time no see≫は本国アメリカで使われ認知され、そして正式な英語(米語)として日本に再上陸してNHKの英会話教室でも紹介された。

    うーん、確かに「お久し振り」には≪Long Time No See≫が言葉としては熟している。

    とは言っても英語の専門家でもない当日記が言うと,どうせ何時ものヨタ話だろうと眉に唾つける人もいるだろう。

    だがこれは何時ものヨタ話ではない。

    きわめてアカデミックな応用言語学の話だ。

    英語・言語学の権威でNHKの語学講師も勤めた比嘉正範教授(★)の応用言語学の成果であると言えばこの話も信憑性を帯びるだろう。

    もし久し振りに逢う英語圏の友人がいたら、是非一度≪Long Time No See≫を使って欲しい。

    そして、もし「文法的に間違っている云々」といわれたら、沖縄のオジーやオバーが作り出した「沖縄英語」だと説明して欲しい。

    もし、「そんなスラングは使わない」といわれたら、ハーバード大大学院教育学研究科博士課程修了の専門家の応用言語学の研究成果であると説明してあげて欲しい。

    きっとネーティブ・スピーカーに畏敬の眼差しで見られることは請け合える、・・・いや、少なくとも会話の絶好の話題になることだけは請合える。

     

    ★比嘉正範(ひが・まさのり) 一九二九年、沖縄県生まれ。ボストン大教育学部英語科卒、同大学院英米文学科修士課程修了。ハーバード大大学院教育学研究科博士課程修了。教育学博士。ハワイ大文理学部准教授、筑波大現代語現代文化学系教授、放送大教養学部教授などをへて、九六年から龍谷大国際文化学部教授兼同学部長。専門は応用言語学。実生活での言語の使用と外国語の習得を研究対象にしている。

     ★NHK英会話教室を比嘉教授が担当していた時、沖縄発の標準英語≪Long time no see≫が紹介された。

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