教育カウンセラーの独り言

今起こっている日本の教育の諸問題と受験競争の低年齢化している実態を見据えます。

入学式に姿なく、2日目も、3日目も…制服買えず欠席 困窮家庭の子にとっては「関門」

2016年02月17日 23時55分58秒 | 受験・学校・学問
西日本新聞 2月17日(水)11時5分配信
福岡県古賀市教育委員会の窓口前に掛けられたリユース用の制服。希望者は名前や連絡先を届け出て、サイズを選ぶ
 3年前の春、九州北部のある公立中学校。入学式に新入生の陽介(仮名、12)の姿はなかった。2日目も、3日目も。母親は電話で「体調が悪いから」と説明するばかり。ぴんときた担任教諭は学校指定の制服業者に電話した。
 「ああ、その子、受け取りに来てませんよ」
 採寸して注文はしたが、約3万5千円のお金がなくて取りに行けず、登校させられなかった-。母親は、そう打ち明けた。

【貧困の現場から】働きづめが「養育放棄」に 子どもは万引きで補導され…

 校長が立て替え、制服を陽介の家に届けた。担任の勧めで母親は就学援助を申請し、校長に少しずつ返済すると約束した。
 4日目、陽介は真新しい制服に身を包み、ようやく校門をくぐった。
 翌年からこの中学では、制服を取りに来ていない生徒がいないか、入学式前に制服業者に確認するようにした。スタートから子どもがつまずくようなことがあってはならない。
公立校であっても保護者の負担は重い
 「制服だけじゃない。収入のある家庭には何でもないことも、貧しい家庭の子にとっては関門なんです」。福岡市の学校関係者は打ち明ける。
 市立中学校に修学旅行をためらっている佳純(同、14)がいた。担任が「旅行代は就学援助で賄えますよ」と説明すると、母親は消え入りそうな声で答えた。
 「でも、きれいな下着やパジャマをそろえてあげられない。お小遣いも1万円なんて無理。惨めな思いをさせるくらいなら」。佳純は結局、参加しなかった。
 〈男子11万2972円。女子12万1572円〉
 福岡市のある市立中学校で、入学前後にかかる制服や運動着、通学かばん、校納金(テスト代など)の保護者負担金の合計だ。就学援助を受けても、1年生への年間支給額は約4万8千円で約4割しか賄えない。さらに部活に入れば、例えば野球部ならスパイク、グラブなどで初年度に約15万円かかる。
 「義務教育は、これを無償とする」。憲法26条はこううたうが、実際は公立校であっても保護者の負担は重い。家庭の懐事情によって学びの場に格差が生じる。それを防ぐため、対策に乗り出した自治体もある。』
教育は、その時の経済の影響を大きく受けると言うのは、教育行財政論の常識です。アベノミクスでも、日本の実体経済は回復しなかったと言う学校教育から見た現実です。
都市圏でも地方圏でも所得格差が拡大し、中間層が消滅していると言う事実です。教育に限定しても戦前の貧しかった庶民生活に逆戻りしている先進国日本の実態です。


コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 大手予備校も塾もない…小さな... | トップ | 「夜勤つらかった」殺人容疑... »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
許されない (dolce)
2016-02-21 22:44:20
制服が買えないので入学式に出られないとはかわいそう過ぎます。
そんなことを周りが放置していてはいけないです。
もう、それを放置する大人の責任でもあります。
返信する

コメントを投稿