教育カウンセラーの独り言

今起こっている日本の教育の諸問題と受験競争の低年齢化している実態を見据えます。

本人が志望しない大学に出願働きかけ 埼玉の狭山ケ丘高

2008年01月31日 21時22分59秒 | 受験・学校

 新聞記事によりますと今年春の大学入試をめぐり、埼玉県入間市の私立狭山ケ丘高等学校が3年生の一部に対し、学校側が受験料を負担する前提で、本人が志望していない有名私立大学への出願を働きかけていたことが分かった。大学入試センター試験の成績だけで複数の私立大学の学部・学科に合格できる制度を利用した出願で、合格実績の「上乗せ」をねらったと受け取られかねず、小川義男校長は今春限りで受験料負担を打ち切りたい意向だ。  合格実績の「上乗せ」が昨夏問題化したのを受け、多くの高校が受験料負担を取りやめた。2001年の入試から負担してきた狭山ケ丘高は2007年12月、「難関大に合格する学力があるが経済的事情のため受験に困難をきたしている生徒」を対象に「1人10学部まで」との規定を設け、負担を存続している。小川校長は1月中旬、朝日新聞の取材に「学校から頼んで受けさせることはしない」と話していた。ある生徒は2007年 も12月、進路指導部の教員との三者面談で教員に大学・学部名が打ち出された紙を示され、「出願してください」「受験料は学校が持ちます」と言われたという。示されたのはいずれも有名私立大学だが生徒の志望学部とはまったく異なり、それぞれの分野もばらばらだったという。 後日、校長あての費用支給の願いを定型化した紙を渡され、保護者の署名、押印をもらって出した。「経済的に困ってはいないが断って気まずくなるのは嫌だった。出願を求められたのは有名大学でも比較的入りやすい学部。大学名が大事なんだと分かった」と話す。  これに対し、小川校長は「進路指導部には、生徒が受けたくないところを無理に勧めないよう注意していたので驚いている。指示されたと生徒が受け止めているなら『上乗せ』と言われても仕方がない」と話している。生徒に出願 を強制するのは良くないと思います。生徒に大学を選ぶ自由が有るのであって、高校側に受験を強制する権利は無いと思います。上乗せ合格が問題で世間を騒がしたにも拘わらず、まだ反省しない学校側の姿勢にも問題がある。生徒は、担任の先生に大学受験の出願の際内申書を書いても貰わなくてはなりませんし、弱い立場でも有ります。受験業界では、上乗せ合格で実績を上げても、失った信用を取り戻すのに相当時間が掛かると見ています。上乗せ合格で実績を上げても時代の流れに逆行しています。有名大学の系列高校が生まれ、有名大学と私立高校との協定が増加する今日、上乗せ合格者で実績を出しても、果たしていつまで生徒集めに効果が出るか疑問です。大学全入時代を見越して、大手予備校河合塾では、東大コースや有名国公立大学医学部コースを作り、生き残ろうとしている今日、有名私立大学の水増し合格者数で実績を上げても、私立大学に合格者を出せば良いレベルの高校としか学校関係者の間で評価されないと思います。上乗せ合格を今後とも廃止しないで生徒を集めようとする学校側は、少子化による18歳人口の減少期を本当に正しく見据えているのでしょうか。大学全入後の大学倒産、予備校の経営難による自然淘汰や私立高校も定員割れによる学校倒産も考えられる状況となって来ています。生徒や保護者の信頼を失えば学校としての存立が危ぶまれる日が必ず来ると思います。 

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