ブログ 「ごまめの歯軋り」

読書子のための、政治・経済・社会・文化・科学・生命の議論の場

イギリスのメディアは非を認めるにやぶさかではない

2011年03月09日 | 時事問題
asahi.com 2011年3月9日8時31分
BBC、長崎市に謝罪メール 二重被爆者の番組問題
 英BBCテレビのお笑いクイズ番組が、広島と長崎で二重被爆した故・山口彊(つとむ)さんを「世界一運が悪い男」などと冗談を交えて取り上げた問題で、抗議をしていた長崎市にBBCから謝罪の電子メールが届いたことがわかった。「申し訳なかった。長崎市のみなさんの気持ちは理解している」などとする内容という。 トンプソン会長名のメールには「資料は担当部署に渡した。放送は確約できないが、心にとどめておく」と記されていたという。
 田上富久市長は「基本的に誠実な回答だった。BBCは多くの人を傷つけたことを認識したうえで、被爆の実相をしっかり伝えてもらいたい」と話した。

英国を代表するテレビメディアはやはり健全なセンスをもっている。
それにしても、政局を弄んでは第3の権力を謳歌している日本のメデァの横暴さ、東大医科研のガンワクチン臨床試験のデマ報道で反省のない某新聞社、取材源の守秘義務という隠れ蓑でデマ記事を流して愧じないこと、記者クラブで情報を官僚に頼るメディアの無能さ・・・・・・・・・
メディアの黄昏を自覚していないようだ。

文藝散歩 興膳宏著 「漢語日暦」 岩波新書

2011年03月09日 | 書評
漢語の季節感 第3回

本書の内容を月日で項目を列記すると
1月:
元日、門松、東君、希望、南天、紙鳶、人日、羽子板戯、竹馬、湯婆子、弱冠、虎尾、虎穴、虎視眈耽、赤豆粥、虎渓三笑、地震、雪意、雪中、紅装素裏、雪蟄、江雪、雪人、豆腐、麦麺、此君、温泉、水仙、臘梅、寒梅、送窮
2月:
凍蠅、寒雀、追儺、方相氏、弄氷、三冬、炙背、負日献芹、梅花、暗香、仙鶴、紅梅、春聯、金錯刀、涅槃、扁食、盆梅、春風踏脚、雨水、葦編三絶、風神、大椿、山茶、辛夷、野火、騒擾、春酒、家饂、閏月
3月:
桃花水、桃夭、流觴曲水、桃源、獺祭魚、啓蟄、東風、春寒、空襲、登科、下第、蛍雪、火車、碩鼠、猫鼠、五白猫、黄鳥、流鶯、墨池、点睛、知音、打毬子、踏青、壇浦、花信風、芳草、遊糸、梨花、柳緑花紅、一刻千金、三月尽
4月:
万愚節。桜花、団子、呂律、清明、牡丹、春風、睡眠、守拙、百年、生涯、醍醐、遅日、紙片魚、落花、黄砂、菜花、胡蝶、春雨、発生、鞦韆、青春、筍、孟宗、嚔、欠伸、鼻息、躑躅、紫藤
5月:
鈴蘭、菜茶、平和、登龍門、端午、粽、薫風、玄鳥、帰雁、杜鵑、白鷺、瑕疵、人心、矜持、青牛白馬、白雲、柳暗花明、柳絮、白小、河豚、魚酢、卯酒、膾炙、饅頭、挿秧、麦秋、飛翔、一家言、一家春、鶏犬、虚室
6月:
孟夏、本能寺、夷船、瓢鮎、香魚、芒種、松魚、棘鬣魚、枇杷、一点鐘、塩梅、梅雨、明眸皓歯、霓裳羽衣、芭蕉、紫陽花、梔子、桜桃、蛍火、夏至、薔薇、青苔、瀟瀟、涙雨、雲雨、聴雨軒、蝌蚪、群蛙、蚯蚓
7月:
一髪、二毛、三元、四海、五福、六根、七夕、八景、九天、十日、百日紅、千日酒、蝸牛、自由、函谷関、郭巨、山車、大湖、蒲焼、遠洋、山中、日食、波濤、游泳、信天翁、蝉、青蠅、聚蚊、蟻、槐葉冷淘、蕎麦
8月:
甲子、溽暑、苦熱、納涼、三伏、原爆、牽牛花、芙蓉、煙火、昼睡、蝙蝠、涼味、鎮夏、帰省、凶器、火字、幽霊、都踊、麦酒、氷水、西瓜、曝書、山雨、地蔵、金魚、乞巧、玉蜀黍、寒蝉、選挙、世襲、飄風
9月:
天地鳴動、震後、団扇、秋風、蟋蟀、蟷螂、紅蜻蛉、白露、登高、短髪、落歯、眼花、女郎花、桔梗、薄、相撲、木鶏、松茸、鶏頭、彼岸、老夭、曼珠沙華、掃墓、葡萄、自然、風景、殺風景、夜雨、鱸魚、長城
10月:
華甲、耳順、三五夜、月餅、十七夜、打稲、晩稲、白虎、梨栗、棗、丹柿、夸父、重露、橘頌、巌桂、鴨脚、悲秋、高秋、秋草、松子、清涼殿、霜降、鯉魚風、百舌、敗荷、読書、蟹行書、秋菊、菊花偶、菊枕
11月:
古典、源語、文化、短日、九月尽、茶梅、風樹、萱堂、家庭、蟹螫、海参、西施乳、東坡肉、山鯨、焼薯、返照、残菊、葡萄酒、鹿鳴、赤壁、二喬、琴瑟相和、紅葉、黄葉、秋雁、暮鴉、竹青、手談、芝居、落語
12月:
星落秋風五丈原、天下三分、水魚之交、寒灯、太陽暦、清貧、曲肱、開戦、忘年、酩酊、中酒、止酒、北風、万里裘、四七士、易水、山睡、寒日、後凋、履霜、冬至、水落石出、耶蘇生日、耶蘇祭日、歳晩、囲鑪、寒夜、除夜、守歳
(つづく)

読書ノート 近藤宣昭著 「冬眠の謎を解く」 岩波新書

2011年03月09日 | 書評
シマリスから冬眠特異的蛋白質(HP)の発見への道 第4回

1)シマリスの冬眠中の心筋細胞の機能変化(1)
 著者は心臓低温保存の研究からスタートしたという。心臓移植には健全な心臓が必要であるが、取り出された心臓はせいぜい1日しかもたない。脳死状態なった健全な心臓の提供者が現れるまで待たなければならない。取り出した心臓を長期的に保存できないだろうかと言う趣旨で始まったのが、心臓の低温保存研究である。日本での心臓移植は1960年代札幌医大の和田教授が試みたがうまく行かず、技術面だけでなく倫理面の問題が噴出したため、その後タブーとなり1980年代より再開された。それに伴って心臓保存の研究も盛んとなった。当時の心臓保存の研究は低温で保存して以下に細胞のダメージを軽減するかということで、主として生理液組成が検討された。心臓の働きを維持するため細胞内外のイオン濃度環境を低温下でどう作るかということである。膨大な研究が行われたがイオンの出し入れをこなう細胞膜の損傷を生理液組成で解決することは不満足な結果に終った。イオン環境以上に致命的な問題が山積していたといえる。心筋細胞の働きについておさらいをしておこう。血液などの体液が流れると、その中に含まれる電解質(イオン)が電磁波を引き起こすので、心電図、筋電図、脳波などの測定が出来る。細胞膜を通じてイオンを移動させるには、膜に埋め込まれている「チャンネル」と言われる膜蛋白質(イオンポンプ)の働きが必要となる。
(つづく)

筑波子 月次絶句集 「春夜聴雨」

2011年03月09日 | 漢詩・自由詩
夜来瑟瑟撲窓聲     夜来瑟瑟と 窓を撲つ聲

暁起濛濛山川郷     暁起濛濛たり 山川の郷

潤葉萌生留浅色     葉を潤おし萌生 浅色を留め
  
滴枝細細洗幽香     枝を滴り細細と 幽香を洗う


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(韻:七陽 七言絶句平起式  平音は○、仄音は●、韻は◎)
(平仄規則は2・4不同、2・6対、1・3・5不論、4字目孤平不許、下三連不許、同字相侵)