ブログ 「ごまめの歯軋り」

読書子のための、政治・経済・社会・文化・科学・生命の議論の場

ガソリン税率維持法案  国会で審議開始

2008年01月21日 | 時事問題
asahi.com 2008年01月21日14時00分
ガソリン国会、論戦開始 民主「暫定税率廃止を」
 衆参で与野党勢力が逆転した「ねじれ国会」を踏まえ、最初に質問した民主党の鳩山由紀夫幹事長は「参院第1党」の立場から同党の政策の説明に時間をかけ、「民主党版の施政方針演説」と位置づけた。通常国会の最大の焦点で、3月末に期限が切れるガソリン税の暫定税率延長などを盛り込んだ予算関連法案について、鳩山氏は「福田内閣はガソリンが高騰していく中で、国民生活や経済運営はそっちのけで、インド洋で米軍艦船などにただで油を渡すことにきゅうきゅうとしていた」と批判。

asahi.com 2008年01月21日12時40分
衆院通過「2月中に」 ガソリン税率維持法案で官房長官
 町村官房長官は21日午前の記者会見で、ガソリン税の暫定税率を維持する租税特別措置法案の衆院通過について「一定の審議時間が必要だ。2月中には必ず通して参院に送ると聞いている」と述べ、2月中下旬になるとの見通しを示した。

asahi.com 2008年01月21日11時50分
「ガソリン税率維持を」 知事会など6団体が要望
 全国知事会など地方6団体と政府との定期意見交換会が21日午前、首相官邸で開かれ、6団体はガソリン税の暫定税率維持を求めた。全国知事会長の麻生渡・福岡県知事は町村官房長官らに対し、「(暫定税率が)廃止されれば、地方財政に甚大な影響を与える。財政的に成り立っていかない」と訴えた。

韓国ではガソリンは高いようだが、日本は本当にガソリンは安いのか。
税制は単独では議論できない。道路財源や自動車税、エネルギー税制トータルで議論しないといけない。

昭和の東州斎写楽 片岡球子さん逝く

2008年01月21日 | 時事問題
asahi.com 2008年01月21日13時32分
片岡球子さん死去 日本画の革新に貢献 103歳
 鮮やかな色彩と大胆な造形で富士山や歴史上の人物を描き、100歳を超えて現役を通した、文化勲章受章者の日本画家、片岡球子(かたおか・たまこ)さんが16日、急性心不全のため死去した。103歳だった。
 
現代日本画の異端児 片岡球子さんの絵は太い線と単純な色で切り取られた空間

知事らで政策組織「せんたく」発足  さて何を目指す 

2008年01月21日 | 時事問題
asahi.com 2008年01月21日03時03分
政策組織「せんたく」発足 知事ら「超党派議連を」
 知事や学者、財界人らによる運動組織「地域・生活者起点で日本を洗濯(選択)する国民連合」(せんたく)が20日、発足した。発起人代表の北川正恭前三重県知事は東京都内での記者会見で、超党派の議員連合発足を呼びかけるとともに、相当数の議員が参加する見通しを示した。議員らとの政策協議で一致すれば法案化し、一致できなければそれぞれが自身の政党のマニフェスト(政権公約)に反映させて、次の総選挙を政策を軸とした政権選択選挙にしたいとの考えを表明した。  会見には北川氏と、発起人の松沢成文神奈川県知事、東国原英夫宮崎県知事ら8人が出席。衆参両院で多数派が異なる「ねじれ国会」で問題先送りやバラマキが起きているなどと懸念を表明。
山田啓二京都府知事、古川康佐賀県知事ら、財界・労働界では池田守男資生堂相談役、茂木友三郎キッコーマン会長、古賀伸明連合事務局長ら、学識者では佐々木毅前東大総長らが就いた。

次政権の選択肢をめざすのか ねじれ国会の政策協定なのか 
国への注文付けか 総花的キャストでは一致点さえつかめない

読書ノート 武田邦彦著 「環境問題はなぜウソがまかり通るのか 2」

2008年01月21日 | 書評
地球温暖化、バイエタノール、ペットリサイクルの環境問題のウソ

地球温暖化防止枠組み条約「京都議定書」(1997年)での欧州・米国の政治的狙い (4)

IPCCの描く「将来の気候変動に関する予測」では三つのケース(使いたい放題、中間的な抑制政策、本格的抑制政策)での今後百年の温度上昇は第一ケースで4℃(2.4ー6.4℃)、第2ケースで2.8℃(1.7-4.4℃)、第3ケースで1.8℃(1.1-2.9℃)である。そのときの海面上昇は第1ケースで26-59cm、第2ケースで21-48cm、第3ケースで18-38cmの予測である。一方石油の生産量と発見量であるが、発見量は1965年をピークとして指数関数的に減少しているのと、石油生産量は増え続けているので、2040年ごろには石油は枯渇する予想である。石油はなくなりつつあるのに石油燃焼による後遺症をくよくよ考えるのは「両価性」と云う矛盾に気がつかないようだ。石油が何時までも大量消費できてその影響を受けたがっているのだろうか。猶参考のため海面は毎日変化している(変動の原因は月の引力と温度による海水容積変化による)。基準位からの潮位は1ヶ月で200cm上下、夏と冬の差は40cm、大阪の地盤沈下による100年間の水位上昇は260cmである。それと較べる意味はないかもしれないが、地球温暖化による海面水位は過去100年で16cm上がったとIPCCは見ているのだが、日常の潮位変動のノイズのレベルかもしれない。おなじIPCCの報告書を見ていても、メディアや機関の捉え方は違うのである。NHKは温度上昇を6.4℃、環境省は2.4-6.4℃、イギリスBBCは1.8-4℃、アメリカのNYタイムスは1.8-4℃と報じている。日本の環境省は最悪のケースを範囲で表現し、NHKは最悪のケースの最大値を一点で6.4℃といい、イギリス,アメリカのメディアは中間のケースを範囲で表現している。人々を動かすにはセンセーショナルのほうがいいと云うのが日本のメディアの態度であろうか。インパクトのある表現を好む習性が見られる。

文芸散歩 日本の乱世  室町時代を歩く

2008年01月21日 | 書評
戦乱に明け暮れた南北朝から戦国時代、混乱の中から豊かな日本文化が興った室町期

2)山崎正和著 「室町期」 講談社文庫  第四回

では義満の時代を見て行こう。1367年義満は執事細川頼之の後見により10歳で二代将軍義詮の後をついで第三代将軍となった。足利の天下はここで危機にさらされた。有力な守護大名は斯波氏、細川氏を代表とする二つの陣営に分かれ対立し、将軍家そのものの基盤が危いバランスの上に乗っていた。最初から圧倒的な武力を持たず、将軍家は京都の一大名に過ぎない勢力関係の上で、北条家のような実務官僚体制(御家人衆)も持たないで、この孤独な将軍はいわばバランスの波をサーフィンする天才的政党政治家といえる。武力と土地支配力と云う経済力が絶対的でない将軍にとって、天皇家のような伝統的権威の象徴をうまく使いこなして自分の権威つけに利用するか思えば、対明貿易では「日本国王」を名乗っているのである。1378年義満は20歳になってようやく政治家としての力量を備え、花の御所を室町に建て、次に1379年これまでの管領細川頼之を首にして斯波義将に乗り替えた。義満が日本の全土を支配したことは一度もない。その代り京都と云う都会を支配した。市中の裁判権と警察権を宮廷から奪い、土蔵、酒屋の課税権を叡山より奪った。京都は貨幣と商業経済の中心であり、金融業者(寺社も含め)からの税金は莫大であった。武力、権威はなかったが金の力に注目した義満の政権はイタリアルネッサンスの領主に似ている。歴代南朝方にたつ九州の大名を抑え、「日本国王」を僭称し許可制貿易(御朱印船)によって義満は将軍の権威を保ったといえる。1392年義満は南朝の御亀山天皇に講和を持ちかけ、三種の神器を北朝の御小松天皇に返還して、皇位は交代で継承することになって名実ともに南北朝時代は終焉した。1394年義満は将軍職を義持に譲り、自分は太政大臣となって宮廷の権威を持つ立場に移った。これで足利氏は公家政治と武家政治の頂点に立ったことになる。第四代将軍義政は武家政治からも逃げ出して純粋な権威の象徴にだけ生きようとした。権力を全く伴わない政権はあたかもバチカン法王のような政権である。これでは天皇家と同じ生き方である。日本政治には権威の枠組みと実権力の枠組みの二つがあって、権力に変動のたびにそれが交互に使われると云う独特の二重構造が生まれた。虚と実の使い分けである。