佐渡の翼

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須恵器窯跡(羽茂・小泊)     投稿者:とある旅人

2011年05月22日 03時45分39秒 | 佐渡及び首都圏近辺の面白観光スポット

羽茂町小泊の検地帳を見ると、亀川や亀畑などの「亀」のつく地名が多く見られると言う。これは、「瓶」や「甕」のあて字で、小泊窯の由緒を伝えているものと考えられている。窯跡は標高100m~150mの海岸段丘地帯にあり、今までに3箇所で発掘調査された。出土品は土器、少量の瓦や陶硯などである。文字瓦は国分寺瓦を焼いた段畑遺跡から出土されたものとよく似ている。このことから、国分寺の瓦は良質粘土をもつ小泊窯で焼かれたと考えられている。

 

この須恵器窯跡は真野から小木へ向かう国道沿いの左手にその案内標識が建っている。標識に従って進めば道に迷うことなくこの史跡に辿り付ける。だが、途中から軽自動車一台がやっと通れるほどの狭い道になり、Uターン不可能となるので、徒歩で行かねばならない。私は3月中旬のまだ肌寒い頃にこの史跡を訪ねてみた。大きな石の塊の上に石柱が建っているだけの史跡でしかないが、この辺一帯が古代の窯業地帯だったのかと思うと感慨もひとしおだ。六世紀中頃に佐渡へ渡り住んだ人々を「えぞ」と呼んでいるが、彼らは製鉄製塩に卓越した技術を有しており、それらは窯業に於いてもいかんなく発揮され、島に住む農業を営む人々を支配していったと考えられている。

 

また、ここ小泊は隣接する真野町椿尾とともに多くの石工が住み、古くから佐渡の石仏や石造物の中心的生産地で、それらは佐渡だけでなく島外にも輸出され、特に富山市の長慶寺の五百羅漢は有名である。

 

参考図書:隠れた佐渡の史跡



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