《 2017・2・18 掲載》
何人かの、腕の良いライターは、すぐさま想い起こしたようだ。この、1年8か月もの間、刑務所に入らねばならないのに、収監をまぬがれている、懲役20年の有罪実刑判決確定者の、まか不思議な、信じられない、おかしな「問題」を。
キッカケは、つい最近の似た出来事というか、刑事事件の捜査が発端だ。
降って湧いたかのように、京都府立医大附属病院に「重症患者」とされて入院していた、広域暴力団・山口組傘下の「淡海(おうみ)一家」総長・高山義友希(よしゆき。60歳)と、同大学の学長である吉川敏一(よしかわ としかず。69歳。写真下)との親密な交友関係が、ワッと、いっせいに報じられた。
と同時に、同大の副学長であり、同病院の院長でもある吉村了勇(よしむら のりお。写真左下)と、高山義友希との関係も報じられた。
「患者」である高山は、実は、ある恐喝事件に絡み、逮捕され、上告し、最高裁まで裁判で争ったものの棄却され、懲役8年の実刑が確定。
もはや、刑務所へすぐにも収監される身であった。
ところが、その前に、急に命に係わる重病が発覚!
上記2人が勤務する「京都府立医大附属病院」に入院。それを仲介したのが、暴力団担当刑事(警部補)。
ミイラ取りがミイラになる。暴力団を取り締まる側と、取り締まられる側が、親しくなる。しばしば、露見するケースだ。とりわけ広域暴力団が健在する関西や広島で多かった。
興味ある方は、故・菅原文太が主演したリアリティあふれる傑作映画「県警対組織暴力」を観るといい。事実を基に、描かれているから。
で、このケース。タレコミと地道な捜査で、浮かび上がってきた事実を、関西弁で。
組長は元気で、ホンマは、病気なんかしとらん。学長と何回か、担当刑事も交え、飲食を重ねとる。
おまけにやで、裁判所や検察庁からの、病状の真偽の問い合わせに対し、この担当医師である吉村了勇が、「とても、刑務所に収監されて、耐えられるカラダではおまへん」と、正式に文書で回答したんや。
ところが!やで、ソレが真っ赤なウソと分かってもうてな、この14日にばれバレ・・・ンタインデー!
ウソがバレて、その日に直行レート。刑務所に強制収監されよったんやで!
と言う流れに。
検察庁は一気呵成に、「虚偽公文書偽造」の容疑で、学長の吉川敏一の自宅や病院もガサ入れ。
吉川も、仲を取り持ったとされる元マル暴も、そして、医師である吉村了勇もその嫌疑を全面否定。
しかし、吉川学長は、逃れられないと察知したのか、目撃者も多く、京都の先斗町(ぽんとちょう)などのお茶屋で、芸妓を交えておごられ、接待を受け、歓待されていた事実を、しぶしぶ認め始めている。
だが院長の吉村などは、16日。診断書を添えて、患者に関する回答書を検察庁に書き送った件について、弟子の医師をゾロゾロ従え記者会見(写真上)まで開いて、
「医師の立場から、公正に作成したもので、虚偽の診断をしたことは、一切ありません」と言い切った。
あくまで吉村によれば、だが、高山義友希は腎臓をわずらっており、入院したのち、腎臓移植手術まで行なった、という。
それでいて、先斗町で酒と美食三昧とは・・・・・???????
素人目にも、????????
だが、現時点で捜査は続行されており、「刑務所のような不衛生な環境では、さらに患者の病状は悪化し、収監に耐えられるカラダではない」という回答書があったにも関わらず、まぎれも無く、高山義友希は収監された。
どちらが正しいのか!? ウソを言っているのか?
捜査は続き、最終的な真偽と、新たな逮捕者は、これから出てくる・・・・・と想われる。
にしても、京都府立医大。
すぐに想い起こしたのが、北山修。
彼が同大を卒業したころから、足跡を見続け、インタビューもしたことがあるのだが、その精神を病んでいるようなメチャクチャな性格には、あきれ続けている。
北山の音楽仲間たちが、あきれて言ったものだ。
「精神病を京都府立医大で学んでいたって聞いて、誰もがビックリしていた。あのワガママさ、協調性の無さからしてさ、てっきり患者の方だろう思ってた。アタマがおかしい人間が、教えるだなんてさあ・・・・」
例えば、音楽イベントのように何人ものシンガーやバンドが出て、歌う。合唱や合奏もして、コンサートは盛り上がる流れだが、一切、北山修は参加しない。出演者全員が並んで歌い上げるラストやアンコールにも、不参加。
さっさと勝手に、挨拶もせず、いつも帰ってしまう。
番組出演の際も、自分の言いたいこと言うだけ言って、宣伝だけしまくって・・・すぐさま場を去る。
シカト、無視、はいつものこと。
でも、精神科医。おかしいこと、この上ない。
私自身も、あきれるワガママさ。加えて、自身も認める躁うつ病。陰と陽。はしゃぎぶりと、一転しての無口、暗さ。
このヒト、間違いなく二重人格かも?と、今も痛感する。
さて、上記事件と同様のケースが、実は 東京の有名総合病院で行われていることを知っている人は、どれくらいいるであろうか?
東京のど真ん中、御茶ノ水駅。神田川が流れ、フォークソングや演歌でも、その名がしばしば出てくる聖橋(ひじりばし)の近くにそびえ建つ「順天堂大学医学部附属順天堂医院」(写真上。2点)。
そこに極秘入院しているのが、広域暴力団・山口組の4代目山健組の元・若頭で、「健国会」初代会長(現在は、解散)であった山本國春(くにはる)。別名、井上國春とも名乗っている屈強な男性。
この男が、同じ山健組の舎弟頭補佐であり、5代目「多三郎一家」総長の後藤一男への路上殺人事件にからみ、首謀者として逮捕、拘留された。
罪名は「組織犯罪処罰法」違反。
実際に自ら人を殺して無くとも、首謀者として命令し、殺させたら、実行犯並みに重罪に問えるという法律で、暴力団幹部を現行法の厳刑で罰することが出来るようになった、その一例だ。
それまでは、殺人行為をした組員のみが、親分の言うこときかずに「はねっ返りの、組にとっては迷惑行為」などとして、組員のみが裁かれることが多く、且つ、首謀者を認定及び推定出来る罰則法令は無かった。
だが、当時、裁判を傍聴してみると、暴力団員の弁護士へ支払う弁護料は、組が全額支払っており、傍聴に詰めかけていたのは、仲間の暴力団員ばかりであった。
さらに、暴力団員が起こした刑事罰は、傍聴を重ねていると分かるが、一般人が1だとすると、団員は1・6倍と重く、服役後の仮釈放も刑期満了ギリギリまで認められないという実態が、良くも悪くも存在。
だが、一審の神戸地裁では、裁判員裁判に審理が回され、職業裁判官3人と、一般人裁判員6人。計9人の白熱した合議と、現行法に照らし合わせ、詳細で多岐にわたる検討を重ねた結果、・・・・・判決は「無罪」に。
別に、裁判員6人が山本の配下の子分に脅かされた結果、というモノではない。
後藤一男を殺せ!という、確たる命令・指令をした「証拠」が法廷では、明らかに有罪と断定・認定出来るほど見当たらず、悩んだ末の無罪であったときく。
だが、検察側は控訴。闘いの場は、大阪高裁に移り、職業裁判官3人にのみよって審理された末、逆転有罪の、懲役20年もの実刑判決が下された。
その後、山本國春・被告人は、最高裁へと上告。
その一方で、ヤクザ稼業から、表向き「引退」・・・・という道筋をたどっている。とはいえ、ボディガードは常にそばに控えており、その行動といい、素人目にはなんら分かりにくいままだ。
そして、2015年6月。上告は棄却された。
当然、刑務所に服役しなければならなくなった.
ところが! 山本國春・受刑者は、なんと、上記「順天堂大学医学部附属順天堂医院」に突如入院。病名は、定かでは無い。
収監、つまり刑務所に入って、およそ20年間、服役しなければならない身の上だったが、「衛生状態が良くない刑務所では、命が持たない」。
「人混みの中にいるだけで、命の保証が出来ないほど、山本國春・患者の心臓に関わる病いは、非常に重い」
高等検察庁の問い合わせに対して、そう回答書と診断書を添えて返送したのは、担当医の天野篤・医師(写真下)。
天野篤(あまの あつし)?
そうです!今から5年前、現・天皇の「心臓バイパス手術」に成功した、国民的に有名にもなった心臓外科医だ。
現在は、同病院の院長も兼任している、現役の医師。
すでに、実は昨年の8月。このヒトのパーフェクトまではいかないものの、今までの心臓手術で、わずか4人ほどしか手術後に死に至っていない腕と、いとも安易に手術ミス、誤診を繰り返し、その術後の死者の総人数、50人以上、80人近くにもなっている群馬医大附属病院に勤務していた医師、須納瀬豊(すのせ ゆたか)との、人間としてあるべき姿を問う記事を掲載している。
< 後篇6 須納瀬豊 天野篤 >
で検索すると、読めます。
天皇の手術医からの「回答書」によれば、そんな重篤(じゅうとく)な病状。
にもかかわらず、山本國春・重病患者は、元気に組員とおぼしき男たちに囲まれるようにして、病院から車で出かけて、ゴルフ場に行ってプレイしたり、高級料理店で飲食を楽しんだり、時には神戸・山口組がある神戸にも泊りがけで外出。
これって・・・・・一体、本当に心臓が名医から見ても重症なのであろうか・・・・・・。命にかかわる危機を抱えた、回答書患者、なのであろうか・・・・・・。
よく、名医には入院患者からの、金銭の贈与はまずくても、物の贈与は、まま、あること。
山本國春もまた、神戸牛や、米や、果物、ワインなど、見るからに高額と分かる物を天皇の心臓手術医に、大量にプレゼント。
高潔(こうけつ)と想われていた、天野篤。
さすがに苦慮。返しても戻され、結局、研修医や医師、看護婦(士)たちに、「君たちで、好きに分けて食べなさい、飲みなさい」と言って、渡したと言う。
<後篇6>でも触れたが、天野篤の医師としての信条として
「失礼にとられると困るのですが、わたしにとって手術する患者さんが、例え天皇陛下であろうと、どんな職業の方であろうと、おんなじなんです。ただの1人の患者さんなんです。差別や区別するなどという意識は、まったくありません」
と、ひそかに困難だ、といわれた天皇の心臓バイパス手術が無事成功し、術後の不安症状もクリアしたのち、殺到した取材に、そのように答えている。
その意識は素晴らしい。
だが、このおかしな疑惑が消え去らない、汚点ともいうべき処置には・・・・・。
昨年8月、天野篤・院長自身に、この件について聞きたく、取材を申し込んだ。
ところが、取材受付担当も兼ねる順天堂医院の中年男性は、けんもほろろ。言下に、断ってきた。
「医院内で起こったことに関しては、一切お答え出来ません! その真偽についても、同様です。天野に、その件につきましても、取り次ぎは一切しません! よろしいですか!」
ガチャン!!
電話は、一方的にまくしたてられて、音をたてて切られた!
先の京都府立医大附属病院の件が巻き起こり、半年後の今、さらに増してガードは堅くなっていることは、容易に想像された。
今、では、「患者」として山本國春が入院し続けているのか? それとも、天野院長からの紹介状などを手に、転院したのか、どうか?を、さりげなく問い合わせてみた。
予期した、マニュアル通りの答えが、返ってきた。
「患者様の入退院に関しては、個人情報となりますので、お答えしかねます」
では、山本國春・受刑者は、いまだ収監された、という情報は、どこに当たっても聞こえてきていない。
懲役20年が確定しているとはいえ、再審請求を起こして、収監、刑務所入りを多少なりとも遅らすだけのことは、不可能ではない。
ただし、「量刑不当」、「刑期が長すぎる。もっと短くして欲しい」では、事実上はねつけられるのがオチ。
再審請求には、判決文で認定された「事実」を、100%、根底からくつがえす、まったく新たな事実が立証や証明されなければ、とても事実上正式受理はされない。
一審の神戸地裁で、山本國春が、抗争と殺害に、100どころかカケラも関わっていない、指令も出来ない、不可能な地域に長年いたとでも言うような、驚くような驚天動地事実が発掘されなければ、収監は絶対に逃れられない。
「組織犯罪処罰法」という厚い壁。
そのような、再審請求が、この半年の間に、彼の弁護団から最高裁事務局に提出されている、というハナシもまったく得ることは出来なかった。
おそれ多くも、天皇陛下の手術成功医師が、いくら誰をも差別や区別はしない、とはいえ、不正に手を貸し、疑惑を助長させているままの現状は、いかがなものであろうか?
高等検察庁の「思惑」は、「天皇」とのからみが有るのか、どうか・・・・・・。
京都で出来たことは、東京では手も出せないのか?
天下の名医、天野篤といえども、「虚偽公文書偽造」の罪に問われないということは、決して言い切れないことだけは、強く、書き添えて置く。