京男雑記帳

洛中で生まれ育った京男が地元視点で見た日常風景や話を雑記的に掲載

懸想文

2020年02月06日 05時11分01秒 | 社寺
懸想文(けそうぶみ)ってご存知ですか?
三省堂大辞林には、このように書いてあります。
1.恋慕の情を書きつづった手紙。恋文。艶書(えんしよ)。
2.近世、正月に京都の町などで売られたお札。艶書に似せて、縁起を祝う文句が書いてある。 [季] 新年。
「懸想」って、「思いをかけること」「恋い慕うこと」。今も昔も人間のすることは同じですね。


↑須賀神社

本日登場するのは、須賀神社の「懸想文売り」。このブログでは、年に一度ぐらいでてきます。

季語「懸想文売」があります。本来艶書を意味したが、良縁、夫婦和合、商売繁盛等の ご利益もあるとされる。元禄のころ、元日の朝から十五日まで、 赤い袴に立鳥帽子、白覆面といういでたちで京の町を売り歩いた が、その後すたれた。


↑懸想文売り

どうやらラブレーを相手に届けてくれる人ではないようです。
昔ってどうやってコミュニケーションしたんだろう?教養のある人は、和歌なんかを相手にそっと渡したりしたのかな?そてとも矢文を打ち込んだり・・・それはないか。



ラブレターって面白いですね。夜書くとだんだん興奮してしまう。翌朝見ると恥ずかしくなって出せないなんてことが多かった。企画書なんかもそうだけど、夜はあまり考えたらあかんのかも。
私は、夜明けとともに浮かぶアイデアが昼間に耐えられると思います。夜って良くも悪くも集中してしまうのでしょうね。


↑領収書は出ないけど、お釣りはどうなんだろう?

昔、京の貴族は、恋文の代筆をしていたらしいのです。もちろん貴族同士の恋文なんだろうけど・・・だって庶民は文字が読めない人が多かったと思われます。恋の和歌を送られてもねぇ・・・。貴族でも和歌が得意な人とそうでない人もいただろう。女性だってそうです。それより夜這いの方が早いのかな?



今は、便利になりましたね。メールかラインで相手に届く。まあ、効果はどうかわかりませんけどね。京男の時代は、携帯電話なんてのもなかった。公衆電話と有線電話だけ。相手に電話をかけても、本人かどうかわからない。話していて「母です」とかだったりする。しかも電話って貴重品?だったから、玄関や茶の間にあったりする。ヒソヒソ話なんてできない。ラブレターなんてのもあるけど、字が下手というハンデを抱えていた。
今は、いい時代になりましたね。


↑一年ぐらいが有効期限なんやろか?

この須賀神社の「懸想文売り」は、やらしい書を売っているのでなく、神社のお守りとして有料で配っておられるようです。
これは、2月2日と3日の限定なんです。
この「懸想文御札」をタンスの置くに入れて置くと「良縁が授かる」「(それなりの)美人になる」「着物が増える」なんて効果があるらしい。男が買ってもあまり意味がないのかなぇ・・・。

そういえばいつかこれを手に入れた時「領収書はもらえますか?」と言ったことを憶えている。答えは「でません」だった。そりゃそうだよね。
でも100部欲しいとか言ったら、くれるのかな?

和菓子
クリエーター情報なし
河出書房新社

↑京男の和菓子本が新装版になりました。初版を出版した2013年1月26日時の記事新装版が出版した2018年1月19日の記事をご覧ください。
(色のかわっている部分をクリックすると表示されます)000(色のかわっている部分をクリックすると表示されます)

Twitter→@kyo_otoko
コメント (4)
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