そろそろ京都市内では、地蔵盆が各町内ではじまります。京都では各町内にお地蔵さんが一体というのはちょっと言い過ぎやけど、それに近い数があります。
小さい頃ずっと「児童盆」と勘違いしていた。町内の子供が集まるからそう思たんやろな。
地蔵盆は子供のための行事で、この期間子供たちは優遇されます。ゲームをしたり、おやつや玩具をもらったりするのです。
そやけどよそさん(他の地方の人)が期待するようなメインイベントはありません。みんなで輪になって巨大な数珠(じゅず)を囲み、手に持って右から左へと繰ってゆく、そんな行事がある町内もありますが、それは少ないと思う。
京都の町内会費が高いのは、こういう行事が結構多いせいなのです。京都は、こういうご近所さんとのつき合いを基本に暮らしているのです。
でも最近は、京都の中心部には子供が少なく、老人が集まって数珠を回していたり、するのがちょっと寂しい。また、暑いところでくじ引きなどをしても最近の子供は喜ばへんやろな。オヤツにさつまいもの蒸したんをもろても、スイカを切ったのをもらっても、喜ばへんのんと違うやろか。「あんなとこ、かなんわ。暑いし」と子供が言うような気がする。
早いところでは21~22日(つまり週末)に京都の町で地蔵盆をしているところも多かった。これは本来の日にちではありません。土日の方が便利と考えた町内がやっていることです。本来の地蔵盆は、地蔵菩薩の縁日である8月24日とその前の宵縁日を中心とした日に行われるのが本当のようです。
本来は、地蔵会(じぞうえ)、地蔵祭と呼ばれていたようです。8月24日がちょうど裏盆にあたることから、盂蘭盆にちなんで地蔵盆と呼ばれるようになったようですね。
地蔵菩薩とはどんな仏様でしょう?
意外と知らないですよね。
「これはこの世のことならず 、死出の山路の裾野なる、さいの河原の物語~」
で始まる「地蔵和讃」にあるように、小さい子供が死ぬと親不孝者と云われて賽の河原で石を積む罰が与えらるのです。で、苦労して積んだ石を夕方になると鬼がやって来て壊してしまう。そのときに地蔵菩薩が現れて衣の下に子供をかくまってくれるというお話。つまり、地蔵菩薩は子供たちの守り神ということで、各町内には必ず祀ってあるのです。
だから地蔵盆には、子供たちが中心になって行事が進行します。
昔、小さいころうっすら覚えているのが福引き。寺僧盆の福引は、「ふごおろし」とも呼ばれる形式で行われていました。福引担当の家の向かいの家から渡したロープにつるし紐で手繰り寄せた。その後、その品を紐で1階へ下ろして渡すものである。しかし、最近ではこういった福引はほとんど見られなくなったけど。
なつかしい風景やな。それから映画大会というのもあった。大抵怪談の映画が多かった。「番町皿屋敷」恐かったな。
この写真は、清水寺境内にあるお地蔵さんたち。これらのお地蔵さんは、もともと京都市内にあったものだそうです。明治政府の廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)の時、引き取られたものだそうです。この時、京都市内のお地蔵さんたちの最大の危機だったようです。町内で隠していたりしたそうです。明治時代はずいぶん無茶なことをしたものです。でもちゃっかりお地蔵さんたちは、京都中で残っています。
今日も子供たちの守り神として。